忍者ブログ
「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

16 . May


…ウチのプーがセクハラされて大人しく引き下がる訳ねぇだろ。…と言う訳で、オチが違います。

セクハラも仏兄ちゃん辺りならフルボッコ。
爺なら、ぎゃーぎゃー騒ぐな。
…親父なら、案外、嫌だとか言いつつ、あっさり流されそう。
…弟のことは大好きだが、兄としての威厳がなし崩しになるのも、主導権を奪われるのも我慢ならないのが良いですな。







拍手[14回]



 

 最近覚えたらしい流行歌を口ずさみながらキッチンに立つプロイセンの背後に、ドイツは立つ。それに気づいて、プロイセンは振り返った。

「お、おはよ」

「お早う。珍しく早いな」
「…んー、まぁな」
フライパンの上でホットケーキが踊る。最近、プロイセンのお気に入りのメニューだ。ドイツは背後からプロイセンの締まった腰へと腕を回す。腕の中にあっさりとプロイセンからはホットケーキの匂い。シャワーを浴びた後なのか、湿った髪からはシャンプーの香りがする。それにドイツは鼻を埋めた。
「動き辛い」
それに苦情が来るが、ドイツは素知らぬ顔で形の良い頭のラインを辿り、見た目に反して柔らかい髪を鼻先で撫でた。
「気の所為だろ」
「あー、朝から何だ?俺様に構ってほしいのかよ?仕方ねぇな」
退けることを溜息ひとつで諦め、プロイセンは火を止める。皿にホットケーキを重ね、バターを一欠けら。カナダからもらったメープルシロップをたっぷりとかけると甘い香りがキッチンに満ちた。
「のんびりしてていいのかよ。お前、仕事は?」
べったりとくっついて離れないドイツに、プロイセンは時計を見やる。時計の針は七時を回ったばかりだ。いつもならドイツは身支度を済ませ、30分には家を出る頃だ。
「今日は昼からだ」
「…あー、だから、ちょっと起きてくるのが遅かったのか」
少々早々と珍しく目が覚めたので、階下に下りてきたのだがドイツの姿はなく、腹がきゅうと鳴るので自分で朝飯を作ることにしたのだ。プロイセンは呟くようにそう言って、ドイツの腰に回った腕を叩く。
「おら、いい加減放せ。動けないだろ」
「動けなくてもいいじゃないか」
ぎゅうっと幾分力を込めて抱きしめられ、プロイセンは眉を寄せた。
「寝言は寝て言え。折角作ったのに、冷めるだろうが。これ、お前にやるから食えよ。俺は今から自分のを焼くから…って、どこ触ってんだよ!」
エプロンの下を掻い潜って黒のぴたりと体に張り付いたタンクトップの胸をドイツは撫でる。それに、プロイセンの眉がぴくりと跳ね上がる。小さな突起を指の腹で押し上げると、「ん」っと小さな声がプロイセンから漏れた。それに気を良くして、ドイツはもぞもぞと手のひらを滑らせて、下はボクサーパンツ一枚で露わになった腿を撫でれば、手の甲を思い切り叩かれた。
「…痛い」
それにそう返せば、じろりと睨まれた。
「サカるなよ!朝っぱらから!!」
「サカりたくなるような格好をしているあなたが悪い」
「はあ?」
プロイセンは眉を寄せる。黒のタンクトップに色気も糞もない同色のボクサーパンツと機能優先のシンプルなエプロンのどこにサカる要素があるのだ?胸がデカくて、尻もバーンとあるような女がそんな格好してたらサカるかもしれないが、胸もなければ尻もない自分の体に性的何かを感じる要素などあるはずがない。ドイツの言葉が理解できず、プロイセンは眉を寄せた。
「…こんな格好、誘ってるとしか思えない」
太腿から尻を撫でられ、ぞわぞわと悪寒のような何かが背筋を這い登っていく。後ろで結んだ紐を解かれ、捲られたタンクトップの下から伸びてきた指が乳首を摘む。それに、プロイセンは眉を寄せた。
「誘ってねぇ!!…ってか、やめろ!」
朝の光が燦々と差し込むその明るさに流されるよりも羞恥が勝る。プロイセンはドイツの不埒な手を掴みを睨む。睨まれたドイツは青い瞳をプロイセンに向けた。

「朝食には、あなたを食べる。だから、大人しくしてくれないか?」

欲望に滾った眼差しで見つめられ、かーっと血が上っていく。…お兄様を朝食にするだ?…ふざけんなよ!この変態が!…怒りと羞恥にプロイセンはドイツの青を睨み返した。
「却下だ!!今すぐ放せ!!じゃないと、二度とやらせてやらねぇぞ!!」
こんな朝っぱらから破廉恥な真似が出来るか!それに今日は自分だって予定があるのだ。足腰立たなくされては堪ったもんではもんではない。
「…そうは言うが、結構、反応してるようだが?」
下着の裾から手のひらを滑り込まされ、尻たぶをやわやわと揉まれ、硬く尖ってきた乳首を弄られ、思わず声が出そうになる。反応しかける自分の体を心中、「反応すんじゃねぇ!!」と罵り、プロイセンは諸悪の根源へ、肘を振り下ろす。あっさりと躱され、思わず舌打ちする。それにドイツは小さく息を吐いた。
「ちょっとしたスキンシップだろう。何故、怒る?」
「スキンシップじゃねぇ!セクハラだ、アホ!!」
捲られずり上がった下着とタンクトップを直し、プロイセンは溜息を吐く。これがドイツでなければ蹴りのひとつと言わずボコボコにしてやるところだが、一応、普段は可愛い(今は可愛くない)恋人でもあるので暴力は控えるが、釘は刺す。プロイセンはじろりとドイツを見やった。

「一度、寝たくらいで、お前のものになったと思うなよ。次、やったら、…そうだな、お前は一応恋人だから、半殺しで勘弁してやるぜ。死ぬ気で覚悟決めて掛かって来い」

フォークをドイツの喉元に差し向け、にっこり。笑んだプロイセンがぶすりとそれをホットケーキに刺す。それにドイツは笑う。

「気をつけよう」

こうして、プロイセンがドイツの前で二度と薄着をすることはなくなったのであった。

 


おわり





PR
NAME
TITLE
TEXT COLOR
MAIL
URL
COMMENT
PASS   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Powered by NINJA BLOG  Designed by PLP
忍者ブログ / [PR]