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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
08 . May
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06 . August

ご新規さん登場で、海水浴の回。
今回のコンビニ、長編になるぜ。




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 暑中お見舞い申し上げます。
  
 今日は例の皆さんで海水浴に行った話をしたいと思う。長い話に今回はなるので、話を少し分ける。間を開けずに更新していくつもりなので、暇な時にでも、お付き合い頂ければ幸いだ。



 夏だ!海だ!で、一日目。 前編



 八月の上旬、海水浴場が近い本田さんの知人の別荘に、俺、本田さん、うさぎさん、ムキムキさん、髭さんに親分さん、眉毛さんにハンバーガー君、イタリア君な面々にプラスして御新規さん、俺とは初めて対面するでっかいクマ(のぬいぐるみ…じゃなかった!!)を抱えた、温和そうなお兄さんがひとり。そのお兄さんはハンバーガー君に面立ちや背格好もよく似ていて、ぱっと見、双子と見間違えそうなのだが、性格がお互い対局らしく、よく見ると全然、似ていない。ハンバーガー君から有り余る元気と溢れ出た過剰な自信を無くして、ぽややんとまったりを足したら、お兄さんになる感じ。本田さんに訊いたら、お兄さんはアメリカの隣国のカナダの具現なんだとか。自己紹介をしたときにお兄さんは俺に「美味しいよ」とメイプルシロップをくれた。俺はこのお兄さんをメイプルさんとこっそり呼ぶことに決めたのは言うまでもない。

 流石に十人とその十人分の荷物で、普通車での移動と言うのはキツイので、本田さんが小さなマイクロバスを手配していた。何か、遠足みたいだ。そのマイクロバスに乗り込んで、一路、目指すは某海水浴場。バスの運転は国際免許を所持なムキムキさんとうさぎさんが交代で、道案内に本田さんが付いた。イタリア君が「俺、運転するよ~。代わろうか?」と、ムキムキさんに申し出ていたが(イタリア君も国際免許を持っているらしい)、全力でムキムキさんと本田さんから拒否されていた。いつもはのんびりしているイタリア君だが、かなりのスピード狂らしい。一度、ムキムキさんと本田さんはイタリア君の運転する車にうっかり乗ってひどい目に遭ったそうだ。流石、パガーニとかランボルギーニとかフェラーリとか速い車作ってる国だけあるわと感心する。ちなみに世界で一番早い車はブガッティ・オトモビル。ムキムキさんと髭さんとこのメーカーが共同開発した車で、毎時429キロ…。新幹線より、速い車って…。

 バスを走らせること休憩を挟んで二時間、まずは宿泊する別荘に到着した。早速、荷物を置いて、男ばっか、総勢十人で海水浴場へと繰り出す。なんつーか、野郎ばっかで、本当に色気もへったくれもない感じだ。姐さん来てたら、少しはマシだったんだろうけど、何やら、毎年恒例の夏の祭典に向けて、とても忙しいようだ。本田さんはこの小旅行が終わったら、髭さんと親分さん、うさぎさんを巻き込んで、例年の修羅場な予定らしい…。何の?…とは、もう突っ込まないことにする。
 別荘から徒歩五分の海辺に真っ先にバナナボートを小脇に抱えたハンバーガー君と大きな浮き輪を手にしたうさぎさんがサンダルを蹴り捨てて、海へと突進していく。その後をムキムキさんがサンダルを拾いつつ、イタリア君と続く…、って、イタリア君が急に方向転換したと思ったら、その先には水着姿の眩しいお姉さんが!…流石、イタリア男、ハンパねぇ。ムキムキきさんが溜息を吐くとイタリア君を連れ戻すべく、後を追いかけるのを本田さんが微笑ましそうに見ている。他のメンバーは?…と、見渡すと髭さんはマダム達に愛想を振りまきつつ、サングラスをずらして、バチコーン☆とウィンクなんかしちゃって、マダム達から黄色い悲鳴が上がってるし…、何だかなぁって感じ。残ったメンバーでビーチパラソルを立てつつ、レジャーシートを敷いて場所を確保する。クーラボックスの中の大きなスイカを親分さんが撫でながら、
「俺、一度、スイカ割りやってみたかってん」
と、ニコニコしている。眉毛さんは焼けるのが嫌なのか、丹念に日焼け止めクリームを塗っている。メイプルさんとメイプルさんのペット?の白クマ(ちょっと大きなぬいぐるみだと思ってた。おまけに喋る!)のクマ次郎さん(で、あってるのか?たまにメイプルさん、クマ五郎さんとか言ってるし…)と砂山を作っている。何か、可愛くて和む。その様子にどこからか子ども達が混ざり始め、メイプルさんが保育園の先生に見えてきた。それぞれ好きなことをしつつ、海を楽しむ。荷物番で残った本田さんの隣に座って、ぼんやりと波打ち際で戯れる人々を見ていると、文庫本のページをめくっていた本田さんが顔を上げた。
「律君、泳がないんですか?」
「俺、バイト終わって、すぐ移動だったじゃないですか。バスの中でちょっと寝ただけだったし、ちょっとしんどいかなって」
「そうでしたね。まあ、無理はしないに越したことはないですから」
「本田さんは泳がないんですか?」
「爺、ですからねぇ。若いひとの体力にはついていけませんし」
波打ち際で眉毛さんを追いかけ回すハンバーガー君(カレカノのあはは、ウフフ、な鉄板なアレではなく、なまこらしき物体を鷲掴みしたハンバーガー君から、眉毛さんが必死の形相で逃げている)を眺めながら、本田さんが言う。…ってか、俺もあのひと達の無尽蔵にエネルギッシュなところには、まだ若いけどついていけないなぁと思う。…それにしても、ハンバーガー君って…、
「…前から思ってたんですけど、」
「何ですか?」
「アルフレッド君って、アーサーさんにかなり意地悪ですよね?」
ハンバーガー君に捕まり、べしゃりと背中になまこを貼り付けられ、悲鳴を上げた眉毛さんを目にし、そう言えば、本田さんは二人に視線を向けた。
「アルフレッドさんのアレは、何て言ったらいいんでしょうかねぇ…、子どもが親の愛情を計るようにアーサーさんの愛情を計っているような感じでしょうか」
「感じじゃなくて、そうですよ」
不意に会話に、かき氷を美味しそうに食べているくま次郎さんを抱えたメイプルさんが入ってくる。
「…っとに、アルは大人気ないんだから…」
蹲ってメソメソ泣き始めた眉毛さんを見下ろし、突然困った顔になって、オロオロし始めたハンバーガー君を一瞥し、メイプルさんは俺にクマ次郎さんを俺に託すと、仲裁に入るべく行ってしまった。クマ次郎さんはちょっと重かったけれど(メイプルさんは軽々抱っこしていた。…実は凄い、力持ちなのか?)、フカフカしていて、なんとも言えない触り心地で、俺は思わず、はにゃんとなりそうになるのを辛うじて堪えた。
「アルフレッドさんのアレは、やっぱり、アレですねぇ、よくあるじゃないですか、好きな子をついイジメてしまうって、アレですよ」
「…そんな。小学生じゃあるまいし」
「アルフレッドさんは、外見のまま、無邪気な子どもですからね。アーサーさんがどこまで自分を許すのか、試してるんですよ。そのクセ、泣かれると困るし、狼狽えるし…、いやぁ、若いっていいですねぇ」
ニヨニヨ顔でどこから取り出したのか、本田さんはデジカメをパチリ。…いつもの本田さんだ。

「リツ、お前、泳がねぇのか?」

そんな本田さんを見ていると、ぴしょんと滴が首に落ちて、俺は「ひゃっ!」となる。顔を上げれば、水を滴らせたうさぎさんが俺を見下ろしていた。
「…あー、ちょっと寝てないし、今、泳いだら溺れそうなんで」
「若いのに、体力ねぇなぁ。完徹しても、そこの爺はケロっとしてるぜ」
うさぎさんがクイッと本田さんを指さした。
「いや、本当にお若い律君と比べられても、困りますよ。ギルベルト君」
本田さんが言う。うさぎさんはそれには何も言わず、俺の隣にどかりと腰を下ろし、ワシャワシャと俺が抱っこしているクマ次郎さんを撫でた。
「…イイもん、食ってんじゃん」
クマ次郎さんが食べているかき氷にうさぎさんが気づく。
「…誰?…ガ、買ッテクレタ」
「マシューが買ってくれたのか、良かったな。俺も買って来るか。…ってか、爺、腹減った。何か、食うもん買って来ようぜ!」
「そうですね。もうすぐお昼も近いですし、混む前に買い出しに行きましょうか…」
「よし!俺、ヤキソバ食いてぇ! 後、オデンだろ、それから、焼きとうもろこしだろ。それと、」
何で、そんなに海の家の食い物メニューに詳しいんだ?…ほぼ、全部のメニューを上げたうさぎさんが、
「んで、最後にはやっぱ、ビールだな!!」
と、ニカリと笑う。…流石、ドイツ人。ここでもビールは外せないらしい。
「菊、お腹空いたんだぞー!!」
そこに先まで、眉毛さんを泣かせていたハンバーガー君が突進してくる。その後に目を真っ赤にした眉毛さんと眉毛さんを気遣うようなメイプルさんが戻ってきて、ナンパに励んでいたイタリア君を漸く捕まえたムキムキさんが戻ってきた。
「…フランシスとアントーニョの姿が見えないが、どこに行ったんだ?」
辺りを見回し、ムキムキさんが言う。そう言えば、先までスイカ撫でてた親分さんがいないし、マダムに秋波を送っていた髭さんも消えている。
「…あー、あいつらならほっとけ。髭はマダム伴って、シケ込んだのを見たぜ。アントーニョは知らねー」
「…ったく。フランシスもアントーニョも団体行動を乱すなとあれほど言ったのに…」
ムキムキさんが盛大な溜息を吐いた。

 そして、髭さんと親分さん探しは後回しに、取り敢えず、買い出班と居残り組と決めることになった。じゃんけんの結果、買い出し班は俺、ムキムキさん、ハンバーガー君、うさぎさん。居残り組は本田さん、メイプルさん、眉毛さんにイタリア君。ムキムキさんがイタリア君がふらりとまたナンパに行きやしないかと心配していたが、本田さんがちゃんと見張ってますよと請け負ってくれたので、安心したらしい。四人で海の家に向かい、人数分以上(無限の胃袋を持つハンバーガー君の為、ヤキソバ、何と二十人前!)の大量注文をし、品物が揃うまで時間がかかると嬉しい悲鳴を上げた海の家のおいちゃんが言うので、店の前の縁台に四人で腰掛け、出来上がりを待っていると店の奥から、見知った顔が出てきて、鼻歌を歌いながらおいちゃんと鉄板の前を交代し、ヤキソバを焼き始めた。

「「え?」」

それを見た俺とムキムキさんは思わずハモる。アイスキャンデーを頬張っていたハンバーガー君が無邪気に口を開く。

「アントーニョ、君はここで何をやってるんだい?」

何と、ねじり鉢巻でヤキソバを焼き始めたのは、どこに行ったのかと思われていた親分さんだった。




後編へ続く
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