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08 . May
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03 . October

(本田さんが)暴走?!ビーチバレー!! 二日目 後編





 二回戦は本田さん・うさぎさんVS髭さん・親分さんと言う、何かってか、絶対、何か波乱がありそうな組み合わせ。

「昨日の恨みを晴らすんだからね!」
「は?昨日のことはお前の自業自得だろうが!」
髭さんにうさぎさんは、バッサリ。
「何で、ギルはお兄さんにそんなに冷たいのよ!もっと、やさしくして!」
「あー。…ナポ公の恨み?」
「何年前の話よ!それを言うなら、お兄さん、お前にいっぱい恨みあるわ!」
言い争いが大分、大人げなくなってきた。
「キィィィィィー!絶対にお前にイワシミズ飲ませてやるんだから!」
「ハ!抜かしてろ!昔、ヌーディストビーチで鍛えた腕前見せてやるぜ!」
うさぎさん、今、何か凄いこと言わなかったか?
「ヌーディストビーチ?!何ソレ、お兄さん、超行きたい!」
何故か鼻の息が突然、荒くなる髭さんは、うん、…通常営業だ。
「…フリ○ンビーチバレー、テラ笑スwwwwポロリどころじゃないwwwww」
ぼそりと本田さんが肩を小刻みに震わせながら呟くのを聞いてしまった。…野郎ばっかのヌーディストビーチ…、あんまり、想像したくない。…ってか、うさぎさん、実は裸族だったのか?

 後から、うさぎさんにヌーディストビーチのことを訊いたのだが、東西冷戦時、うさぎさんはDDR(ドイツ民主共和国 Deutsche Demokratische Republikの略。東ドイツのこと)にいたんだと。
 東ドイツは政府の方針でポルノ・アダルト関係は一切禁止。娯楽がスポーツ(スポーツは国を上げて推進していたそうだ)か、セックスくらい。娯楽であるはずの映画は、うさぎさん曰く「つまらん」、教育的な映画か大戦中の苦労話や滅私奉公を奨励する話、社会主義万歳な話ばかりで、見てる内に寝てしまう内容なものばかりだったらしい。勿論、ポルノやアダルト的な映画は一切、作られなかった。党による検閲も厳しかったそうだ。反対に西ドイツはポルノ大国だった。何か、ムキムキさんの堅苦しく真面目なイメージに全然、合わなくて意外すぎる。
 東ドイツは社会主義国にありがちな厳しい規制下に抑圧されていたのではという外野からの印象だが、実際は全然違って、性は厳しく監視され、モラルでガチガチに統制されいた訳ではなく、自由奔放、かなり性に関しては開放的な空気と環境だったとか…。スゲー、意外。党が率先して性教育を施し、16、7歳で肉体関係、十代の婚前交渉は当たり前、結婚とセックスは別物と言い切る環境はまさに「フリーセックス」、従って、22歳までの出産は日常的で、25歳以上の出産は高齢出産と言われてたとか、とか…。そんな環境なもんだからヌーディストビーチなどヌーディズムが大衆化して、国民の9割が経験しているそうで、裸に対する羞恥心やセックスの目的が西ドイツとはまったく違っていたんだと。…だから、統一した時に目にした西ドイツの充実し過ぎなポルノ文化の乱れぷりには唖然としたというか、驚いたそうな。

「見るより、ヤろうぜ。…って、お前も思うだろ? ん?…だから、アイツはDTムッツリのか?」

…同意を求められても、本当、困る。…ってか、ぶっちゃけ、日本も見る文化だよな…と、俺は思ったが、口にするとややこしくなりそうなので、黙っておく。本田さんに絶対、話が飛び火して、下ネタ大好きな髭さんとか、一見、そうは見えない眉毛さん巻き込んで、ややこしいどころじゃなくなりそうだし…。…何というか、どう言ったらいいのか、意外に真面目で質実剛健(?)な、うさぎさんの…知られざる、何かあまり知りたくなかった一面を知ってしまった気がする…俺、だった…。



 さてさて、話は試合に戻る。…なかなかの接戦。本田さんとうさぎさんは息のあったコンビネーションで点を入れていく。
「俺様の美技に酔いな!」
親分さんのブロックを強烈なアタックで弾いたうさぎさんがインサイト決めて、高笑う。…誰だよ、うさぎさんに跡○様仕込んだのは…って、本田さんしかいねぇ…。それを御満悦で本田さんが見てると言う…何と言う本田さんによる本田さんの為の本田さんの一人楽しすぎる(うさぎさんの専売特許を奪う勢い)ビーチバレなんだ…。
「5-3」
冷静にスコアを読み上げるのは、審判台に座ったムキムキさんだ。
「ぬぬ!ちょっと、タイム!」
点差が開いて、流石に焦ったらしい髭さんが手を挙げる。それにゲームは中断。髭さんは親分さんと何やら、作戦会議を始めた。それをうさぎさんと本田さんは余裕の表情で見やる。うさぎさんと本田さん、本当に阿吽の呼吸と言うか、息ぴったりで、ムキムキさんとはまた違ったコンビネーションの良さを感じる。何て言ったらいいのか解らないが、お互い信頼しあってるのは当然のことながら、ムキムキさん相手だと、背後に守ろうと動くうさぎさんが本田さんに対しては背中を完全に預けてる感じと言えば解るだろうか…、まったく、本田さんを気にしてないで好き勝手動くうさぎさんを本田さんが上手くフォローしているのだ。

「作戦会議なんか、時間の無駄だろ。どーせ、イワシミズ、お前らが飲むことになるんだからよ」

こそこそと何やら親分さんと相談中な髭さんを見やり、暇そうに唇を尖らせたうさぎさんが言う。それに、キッと髭さんが顔を上げた。
「お兄さんは絶対に飲まない!」
「ほざいてろ」
…完全にうさぎさん、跡○様入ってるよ。俺様キャラ、被ってるとは思うけど。

 試合再開。
 サーブは親分さんからだ。親分さんのサーブは結構な勢いを持って、うさぎさん側のコートに落ちていく。

「行ったぞ!爺」
「解ってますよ」

声はすれども本田さんの姿はない。…と、思ったら、砂地がブワッと盛り上がる。

「oh!ニンジャがいるんだぞ!!」
歓声を上げたのはハンバーガー君。
「何ーーーっ、砂の中からやと?! どうなってんや!!」
砂の中から現れたのは本田さん、華麗なるレシーブを決める。ボールは虚を衝かれた親分さんの足元にぽとりと落ちて転がった。
「おぉ、これがジャパニーズニンジャ!!」
審判のムキムキさんがハンバーガー君と一緒になって子どもみたいに目をキラキラさせて、本田さんを見つめている。何で、外国人って忍者が好きなんだろう?

「…えーと、6ー3」

審判放棄中なムキムキさんの代わりに俺がスコアをコールする。それに、「キィィィ」となったのは髭さんだ。
「ちょっ、今の卑怯じゃない?ズルくない?」
「ズルくねぇ。…ってか、後が失くなったぜ?…どうするよ? …フハハハハッ」
前髪掻き上げて笑ううさぎさんを本田さんが「跡○様…」と、うっとりと見つめている。それに髭さんがヒステリーを起こしそうな勢いで、うさぎさんを睨んだ。
「…言ったでしょ、お兄さんは負けないって」
「ここまで、追い詰められて何言ってんだ」
うさぎさんは余裕綽々だ。
「お兄さんにはまだ、最終奥義が残ってるんだからね!」
「面白え、かかってきやがれ」
サーブは本田さんから。本田さんのサーブを親分さんがトスし、髭さんがアタックを決める。それを難無く、本田さんがレシーブして、上がったボールにうさぎさんがニヤリと笑う。それに負けじと髭さんも笑んで、砂を蹴った。

「ギルベルト君!」
「!」

ふわりと浮いた髭さんの顔に確信めいた笑みが浮かぶ。それに、親分さんが「あ」と口を開けた。
「ズルイで、フラン!自分だけ、顔面ブロックで気絶して、イワシミズ飲まへん気やな!」
親分さんの手が髭さんの海パンを掴む。

「え?」
「あ、」

この間、数秒だったと思うが、コマ送りのようにスローだった。勢い良く髭さんの海パンがずり下がり、尻丸出しになったところに、うさぎさんの強烈なスパイクが髭さんの横面に炸裂した。

「ぶごっ!!」

髭さんの股間から派手にバラが舞い散るのを唖然と見やる。べしゃりと砂地に沈み、痙攣する髭さんに眉毛さんが、
「汚物、見せんな!」
と、毒を吐く。
「HAHAHAHA、バラが刺さってるんぞ!」
コーラを一気飲みしたハンバーガー君が指さしながら、無邪気に笑う。
「…刺サッテマスネ…」
何て言うか、色々と酷いし、惨い。…髭さんはいつの間にか戻ってきたメイプルさんと親分さんに担がれ、パラソルの下にほっぽり出された。…荷物扱いとは気の毒で仕方がないが、同情もしてられない。

「…さてと、次はお前らだな」

うさぎさんが悪い顔でニヤリと笑う。それに俺は息を飲み、ムキムキさんはぐぐっと眉を寄せた。

「絶対に負けられん」
「ソウデスネ」

勝てる気が全然しない。…ってか、試合放棄したい。でも、鰯水飲みたくない。…だが、試合は眉毛さんのコールで容赦なく始まってしまった……。



「どいつもこいつも、手応えがねぇなぁ」

うさぎさんが笑う。点差は案の定開いて、まだ俺とムキムキさんは1ポイントしか取れていない。このままでは鰯水決定だ。
「この勝負、俺が勝ったら、お前、一週間ネコミミメイドな!」
「な?!」
凄いイイ顔で、ムキムキさんにうさぎさんが告げる。それにムキムキさんは顔を真っ赤にして、固まった。
「爺、衣装の手配しとけ!」
「承知しました。ルードヴィッヒさん、写真、撮らせてくださいね」
「断固として、拒否する!!」
一体、何があったし、ネコミミメイド…。…ムキムキさんが猫耳メイド…って、何か、物凄いごっつい気がするんだが…と、俺は現実逃避を試みるが、そうはムキムキさんがさせてくれない。
「俺は絶対に、着ないぞ!!」
気迫の籠もりまくったサーブが炸裂する。それをすかさず本田さんが拾う。
「よっしゃ、でかした爺!」
上げたトスにうさぎさんが踏み込んで来る。
「この程度の挑発に熱くなりやがって、とどめだ!」
ああ、鰯水決定か…、諦めた瞬間、うさぎさんが狼狽えたように踏み込んだ足を止めた。
「うわっ!?」

「…メイド服なら、お兄さんが着てあげちゃうよぉ」

一瞬、ゾンビか?!…と、思ったら、髭さんだった。それにうさぎさんは顔を引き攣らせる。
「今なら、全裸でご奉仕よン」
「っ!!結構だ!!」
迫る髭さんに顔色を変えたうさぎさんが後退る。それをジリジリと髭さんが間を詰める。

「俺は悪くねぇ!悪いのはアントーニョだろ、恨むならアントーニョ恨め!!だから、成仏しろおおおお!」

うさぎさんの悲鳴がビーチにこだまする。…こうして、俺とムキムキさんは運良く鰯水を逃れ、こうして、恐怖のビーチバレー大会は幕を閉じた…のだった。

 そして、恐怖の鰯水は本田さんの手により改良され、鰯のつみれ汁になって、振る舞われたのだった。










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