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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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17 . July


「…進展、したんかいな?」
「…俺様は精一杯頑張ったぜ」


愛だの~の続き。…今はこれが精一杯。







拍手[22回]





あー、ムラムラします。神さん、俺、どないしたらええんやろ?

今まで、ダチや思うてたし、実際そうやったし、好意はあったけど、それは恋愛感情やなかった…はずや。つい最近まで。まあ、可愛いなぁって昔からは思うとったけど。

 触りたい。舐めたい。抱きしめて、細い腰掴んでぐちゃぐちゃにしたい。

…って、あいつにそんなこと思う時点で俺も終わっとるんやろな。しかも、女やのうて男やし…。ヤになるで、ホンマ。それにしても、無防備な顔で寝とるなぁ。俺がお前にどんな想いを抱いてるかちゃんと教えてやったんに、あんな温いのじゃ本気に取ってもらえへんかったのやろか?少しは警戒心、持ったほうがええんちゃうか?
前から、別嬪さんや思うとったけど、睫毛長いなぁ。そこらの女よりも肌理整っとるし、髪なんかさらさらやで。指の形もきれいやなぁ。左は剣胼胝がまだ残っとるけど、男の手なんてそんなもんや。そんな手が愛しくてしゃあないんはホンマ、何でやろなぁ。お前のことが好きすぎて、何もかもが愛しいわ。

 キスしたいなぁ。

好きなもんはいつだって手に入れてきたつもりやけど、手に入らんかったもんも仰山あった。…まあ、人生ってそんなもんや。欲張るとロクなことにならんしな。でも、今、たったひとつだけ欲しいものがあるんや。

 スペインはプロイセンの頬を撫でる。

「お前が欲しいなぁ。お前が俺を好きや言うてくれたら、その言葉だけで天国に行ける気がするんやけど」

顎のラインを辿り、髪を梳く。その指先が触れた先からじんわりと熱を持つ。よく見れば、プロイセンの白い頬が見る見る間に赤く火照っていく。

「ぷーちゃん、起きとんの?」

撫でる手を止めて、スペインは顔を覗き込む。赤を開き、顔を真っ赤にしたプロイセンがキッとスペインを下から睨んだ。
「お前、心ん中で思ってることまでダダ漏れなんだよ!!聞かされるこっちの身にもなりやがれ!!恥ずかしいんだよ!!」
「え?俺、思ってること口にしとった?」
「してた。…ってか、舐めたいとか触りたいとか、変態か、てめぇ!」
「好きな子が目の前におるんや、そうしたいと思うやろ?」
「お前はおかしい!俺のどこがいいんだよ?」
じとりとプロイセンはスペインを睨んだ。
「え?全部やけど」
あっさりと逡巡する間もなく言いきったスペインにプロイセンはひくりと眉を吊り上げた。
「全部で解るか!具体的に言え、具体的に!!」
起き上がり、バンバンっとマットを叩いたプロイセンが言う。それににこにことスペインは口を開いた。
「思ったことズバズバ言うところやろ、物怖じせぇへんし、照れると捲くし立てるように喋るとこも好きやし、強敵に遭うと目がギラギラして楽しそうなとこもええなぁ。後、お日さんに弱くて、すぐ赤くなってまうとことか、恥ずかしいとすぐ目が潤むとことか、寂しがりやなクセに強がってるとことか…」
「…っ、もういい、やめろ!!」
「えー、まだまだあるんやけど?案外、面倒見ええとことか、頼まれると断れないとことかな」
「やめろって言ってんだろ!」
「具体的に言え、言うたんはプーちゃんやろ」
じりっとシーツの上、スペインは間を詰める。その詰められた間にプロイセンは枕をぎゅうっと抱き締め、肩を揺らした。

「なあ、俺のこと、好きになってくれへん?」

懇願するように下から顔を覗き込めば、プロイセンはむうっと眉を寄せる。
「…俺のことがそんなに好きなのかよ?」
「好きやで」
「…どれくらい?」
その言葉にプロイセンは息を吐いて、測るようにスペインを見つめた。問うてくる表情が子どものようだとスペインは思う。それすら愛おしかった。
「俺が国やなかったら、どっか遠い誰も俺らを知らんところにお前を攫って行きたいくらいくらいにや」
今すぐにでも本当はそうしたいくらいだが、それは出来ない話だった。時々、自分が「国」であることが酷く煩わしいと思う。
「…ハ、それはいいな」
プロイセンは瞬いてそう言って笑うと、スペインを真正面から見やった。
「…お前のことはダチだって、今も思ってる。でも、なんつーか、お前みたいな気持ちにお前に対して、俺が思えるか解らないけどよ…」
「うん」
「お前から触られんのとか、そんなに嫌じゃねぇし、キスされんのもあんま嫌じゃなかったし、お前のことは嫌いじゃねぇ…から、」
「うん」

「…試しに、俺から、お前にキスしてみてもいいか?」

意を決したように上がった赤に、心臓が一瞬、止まった。スペインは大きく目を見開き、プロイセンを見つめた。
「…嫌なのかよ?」
スペインの表情にムッとした顔で唇を尖らせたプロイセンにスペインはぶんぶんと首を振った。

「そんなことあらへんやん!俺に、キスしたって!」

ぐいと身を乗り出してきったスペインにプロイセンは体を仰け反らせ、それから徐に居住まいを正すとスペインに向き直った。
「…目、閉じろよ」
「うん」
言われるがままにスペインは目を閉じる。それから恐る恐るといった感じに寝起きだと言うのにひんやりとした指先がスペインの頬を撫でて、こめかみから跳ねた髪を梳くように撫でて後頭部に添えられる。つんと互いの鼻先が当たって、ふっと漏れた微かな吐息が唇に触れる。柔らかく冷たい感触が上唇を食んで、すぐに離れた。
「……プーちゃん」
「…何だよ?」
それ以上のことはせずにすぐに離れてしまった唇が恨めしい。物足りげな顔で睨めば、プロイセンは眉を寄せた。
「今の物足りんのやけど」
「知るか!それより、腹減ったぜ!」
ベッドから出て、バタバタと部屋を出て行くプロイセンの耳は真っ赤だ。
「トマトみたいやんなぁ」
照れ隠しに横暴になるところもやっぱり可愛いとスペインは思う。

「ま、ゆっくり気長に行こか。時間だけは仰山あるしな」

スペインは唇を撫でて、階下から自分を呼ぶプロイセンに返事を返した。

 


オワレ!






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