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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
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21 . July



偏見と妄想が多分に含まれます。
微妙にR-18。

車の中で思いついた小ネタ。







拍手[39回]




(…やべぇとこに来ちまったぜ)

久方ぶりに着る、一体どこから入手してきたのか、昔懐かしい体に馴染んだ黒い軍服と如何にもアレな乗馬鞭。制帽を被ったギルベルトは溜息を吐いた。ライトをギリギリまで落とした暗い、真っ赤な絨毯を敷き詰めた十八世紀の貴族の屋敷を思わせる部屋で豪奢な贅を凝らしたこれまた赤いアンティークなフカフカの椅子に凭れ、かれこれ一時間。その前には手械で後ろ手で拘束されたどう見ても身なりの良さげな紳士が素っ裸で猿轡を噛まされ興奮し、恍惚に潤んだ眼差しで自分を見上げている。ギルベルトはどうしたもんかと手にした鞭を弄び、久方ぶりに履いた長靴の足を組み替える。手のひらで小気味良い、パシッと音が鳴る度に、紳士の息が荒くなっていくのが恐ろしい。
(…見てるだけの簡単な仕事ですって、言うから来たのに、バイトって女王様かよ…)
小遣い欲しさにネットで見た求人広告の自給の良さにホイホイされて、面接に来た自分もアホだった。…と、後悔しても遅かった。面接でじろじろと足先から頭の先まで舐めるように見られて、弟よりムキムキした店のオーナーなおっさんにオネエ言葉で「合格」と語尾にハートマーク付きで言われたときには何に合格したのか解らなかった。今日から働けるかと聞かれ、「ja」と返事をし、その場でこの軍服を渡された。ここは軍部ではなく、地下のクラブの筈だが…そう思いつつ、ギルベルトが、
「…俺は何をすればいいんだ?」
仕事の内容を尋ねれば、オーナーはにっこりと笑った。

「あなたの仕事はウチに来たお客様を蔑むことよ。あなたの場合はね、お客様を見下ろしてるだけでいいわ」

と言われ、どういう仕事だよ?…と、思いつつ、軍服に着替え、別室で待機していると早速、指名され、初仕事な訳なのだが間が持たない。蔑むと言ったって、捕虜に拷問加えてた時とは時代が違うし、どちらかと言うとS気質だが、痛めつけたいとかそう言った加虐的な嗜好は十三世紀の東方殖民の時代に捨ててきてしまった(…と言うか然程、持ち合わせてなかった)。期待に満ちた目をされればされるだけ、ギルベルトはドン引きしていく。…が、仕事だ。割り切れば何だって出来たし、やってきたが、女王様なんてやったことねぇよ。教官モードでいいんならやれそうな気するぜ。ギルベルトは足元に跪く紳士を見やる。
(…どう料理すりゃいいんだ?)
…「ド」が付くほどSな我が弟ならどうするだろう?…ふと思い、ギルベルトは視線を下げた。
「…汚ねぇもん、おっ勃ったてて、興奮してぇんじゃねぇよ。見苦しい」
手のひらで鞭を鳴らせば、びくびくと体が震える。恐怖と期待の入り混じった眼差しに赤を眇め、乗馬鞭の先、紳士の顎を掬えば、紳士はぶるぶると打ち震え、頬を上気させ、ギルベルトを見つめる。それにフンッと鼻を鳴らし、鞭を引いた。
「鞭が汚れる。汚らわしい駄犬め。そこに這い蹲ってろ」
心にもない台詞を吐けば、掛けられた言葉に歓喜に打ち震え、与えられなかった苦痛に物足りげな顔をし、許しを乞うように足元に紳士は擦り寄ってきた。それを見下ろす。
(…アイツは容赦なく、嬉々として弄りそうだな。昔、重要参考人のスパイ、殺しそうになってたしな。俺が止めに入らなきゃ、口割らす前に死んでたぜ…)
そのことを思い出すと今はゾッとするが、そのときは怒りが勝り、その場で弟を思い切り殴りつけ、倒れたところを胸倉掴んで、引きずり立たせ、場所を変え折檻したことを思い出す。その後、政治犯を収容する光も差さない独房に投げ込み、三日、放置した。部下に「酷すぎます」と訴えられ、出してやった弟は暫くは大人しかった。
(…俺も若かったよな。今、もー、そんなこと絶対無理だしな。…俺の方が折檻されそう)
背筋を嫌な悪寒が走り、ギルベルトは身を竦めた。そして、足元、物欲しげな顔で長靴に頬を摺り寄せる紳士を見下ろした。
「お前の涎でベトベトじゃねぇか、汚すことしか出来ないのか?本当にどうしようもないクズだな。…ま、俺は優しいからな。許してやるよ。…Wartezeit!(待て)…これくらいは出来るだろ?」
顎を伝い落ちる涎が長靴に、絨毯の上にポタポタと落ちる。紳士は自由の利かない体を起こした。
(…結構な会社の重役ぽいのにな。変な世の中になったもんだぜ)
加減して、紳士の髪を掴み、引き上げると軽く紳士の頬を鞭で打った。それにくぐもった声を漏らし、紳士はうっとりとした顔でギルベルトを見上げた。
「垂れてるぜ。汁もダラダラ、垂らしやがって、行儀の悪い犬だな。汚ねぇ。そんなとこ、俺に見られて恥ずかしくねぇのか?」
心底、汚いものを見るような目で睥睨すれば、紳士の股間のものが一層、硬く大きくなっていく。それを眺め、息を吐く。

「お客様に手を出してはいけません。あくまでウチは言葉攻め、視線攻めのお店なの。お客様からご要望が出た際は怪我をさせないように対処して頂戴ね」

オネェ言葉が頭を過ぎるが、手を出す気もない。手を出せば、加減は知っていても捕虜に対する尋問の如く、手荒になってしまうのが目に見えた。まどろっこしいのは嫌いなのだ。…だが、まあ、この手の手合いの落とし方は手は触れずとも知っている。ギルベルトは立ち上がると、紳士の肩を足で小突く。声を上げ、後方へ倒れた紳士を跨ぎ、真上から見下ろし、鞭を鳴らした。
「駄犬には、躾が必要だな?」
コクコクと紳士が頷く。それにギルベルトは口端を吊り上げた。

「お願いします、躾けて下さいだろ?あァ?」

ヒュンと紳士の顔目掛け、鞭が振り下ろされる。陰惨に笑んだギルベルトの下、びゅるっと白濁が跳ねた。気絶した紳士の鼻先で鞭は静止している。ギルベルトは深い溜息を吐いた。

「…あー、このバイト、やっぱ、向かねぇなぁ。加減が解らねぇぜ」

赤い絨毯を汚す青臭い体液の匂いに顔を顰め、ギルベルトは制帽と鞭を放り投げた。

 

 

…何だ、コレ?…どSなプーは難しいな。おい。






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