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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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26 . July


短い。

スペインを噛むプーが書きたかっただけ。こなれてるプーもいいが、ウブプーの方がスペインには俺得だと思うんだ。手、出せないけど。しかし、一線越えたら、えらいラブラブになりそうな気がする。






拍手[27回]




 

とろーんと酔っ払った目。水の薄い膜を張った赤は甘くて美味しそうに見えた。目蓋が重そうに落ちては、ぷるぷると首を振って、落ちる目蓋を頑張って持ち上げようとするのが子どものようで可愛い。
「プーちゃん、眠いんやったらベッドに戻り」
「…眠くねぇ…」
「目蓋、落ちかけとるよ?」
「…落ちてないっ…」
ぎゅうっとクッションを抱いたプロイセンにスペインは苦笑を漏らす。
「俺も明日も早いし、休もか」
飲んでいたグラスを片付けるべく、つまみの乗っていた皿とグラスを手に立ち上がる。流しに付けて、蛇口を捻ったら、とんと背中に衝撃が来た。
「…何?」
「んー?」
ぎゅうっと後ろから背中にべったりと胸を付けて来たプロイセンにドキリと心臓が跳ねる。
「プーちゃん、酔うてるん?」
スキンシップは相手を選び、余程の信頼を得なければ過剰な接触を嫌うプロイセンがべったりと自分に抱きついている。それだけで頭がパーンっとなりそうなのをスペインは辛うじて、意地で期待やら滾ってきたものを押さえ込んだ。
「酔ってねぇ…なあ、」
「何?」
「フランスがさー」
「フランスがなんやの?」
「お前、トマトばっか食ってるから、トマト味がするかもって言ってた」
「いや、トマトの味はせぇへん思うよ?」
普通にしょっぱいだけじゃないだろうか。…自分を食ってみたことないしな。どんな味なんか解らへんけど…そう思っていると、すんとプロイセンが鼻先を首筋に擦り付けてきた。
「…確かめさせろ」
かぷっと首筋を噛まれ、思わず体が跳ねる。プロイセンの尖った犬歯が皮膚をやわやわと噛んで、柔らかい舌がくちゅくちゅと舐める。
「ちょ、プーちゃん!!」
後ろから羽交い締めにされては身動きの取り様もない。されるがままに任せていると、柔い唇がちゅっと音を立てて、漸く離れて行った。
「…トマトのあじ、しねぇぞ?」
心底、不思議そうな顔をしてプロイセンが言う。それにスペインは小さく溜息を吐いた。
「するわけないやろ。プーちゃんからはジャガイモの味せぇへんかったし」
「……俺からジャガイモの味なんか、する訳ねぇだろ?」
「せやね。それより、離してくれへん?…色々、大変なことになりそうやねん」
「たいへん?」
「お前のこと、俺も食ってみたくなるからな?」
「俺、食っても美味くねぇぞ」
熱の僅かに籠もり始めた体に、防衛本能が働くのかプロイセンはさっと腕を解いて、距離を取る。その距離をスペインは詰めた。
「解らへんやん。お前、すごく美味しそや」
潤んだ赤い目。きっと舐めたら、舌が蕩けるような甘い味で、体はスパイシーで刺激的な味がするのだろう。スペインは腕を伸ばす。それにぎゅうっとプロイセンが目を瞑る。

(…あー、そんな顔されたら、手、出せへんやん)

まだまだ、どんなに大人ぶって見せても、まだ子どもっぽさがどこかプロイセンは抜けていない。こんな小さな子どもみたいな顔をされると、征服したいという気持ちよりも庇護欲の方が勝ってしまう。
「何もせぇへんよ。でも、おやすみのキスだけさせてな」
頬に触れると肩が跳ねた。怖がらせないように頬を撫でて、髪を梳く。それに赤い目がそろりと動いた。

「…おやすみ。ええ夢を」

スペインはプロイセンの頬に口付けを落とす。僅かに躊躇って、プロイセンはぎこちなくスペインの頬に唇を落とした。

「おやすみ。いい夢を…」

唇の感触が残る熱った頬を押さえる。眠れそうになかった。






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