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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
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06 . August


…どんどん方向性を見失っていく。そして、これ書くためにネットで徘徊し、いらん知識を身につけていくよ。…どうしたらいいのか、教えて、隊長!!

100%妄想です。真に受けない人向け。






拍手[42回]




事務所で今日の客が入る時間を確認し、まだ時間があったので仕事着のままギルベルトは休憩室に入る。携帯片手に部屋に入れば、先客がふたり。

「あら?」
「今晩和」

先客はボンデージに身を包んだ、ベラルーシがもうちょっと年齢上がって過激さがなくなったらこんな感じかなスラブ系の美女と本田によく似た年齢の解らない和装の日本人がひとり。
「オジャマシマス」
ギルベルトはここでは新入りなので下っ端だ。取り合えず、ぺこりと頭を下げ、空いた隅の席に座ろうとすると、日本人が椅子を引いてくれたのでそこに腰を下ろした。
「最近、入ってきた子よね?ギルベルトだったっけ?アタシ、ユーリーって言うの」
「私は半蔵と申します」
「ども、はじめまして」
そう返して、ギルベルトはほっと息を吐く。同僚に遭うのは今日が初めてで、怖そうなイメージを持っていたのだが、美女の格好以外はふたりとも至って普通だ。
「オーナーから、軍人って感じって言ってたから楽しみにしてんだ。イメージ通りって言うか、ギルにならしばかれたいかも」
「え?」
美女から出た言葉に口を開ければ、半蔵が溜息を吐き、
「しばきたいの間違いでっしょう」
カップのお茶を啜った。。それにユーリーがニヤリと笑う。
「バレた?」
「バレバレですよ。このひと、Sを奴隷に仕立てるのが好きなひとですから、ギルベルトさん、気を付けたほうがいいですよ」
「そんなことないよー?」
「嘘、おっしゃい。ケイが店を辞めるハメになったのは貴方の所為でしょう」
二人の会話にギルベルトは入っていけない。…元々、こういう趣味があって始めた仕事ではないのだから当たり前だと言えば、当たり前なのだが。
「あれ?ギル、ドン引きしてない?」
「いや、ちょっと、良く解んなくてな」
「何がですか?」
趣味嗜好がとは言えない。ギルベルトはあーと言葉を濁した。
「…俺、入ってきたばっかだからさ、どんなことすればいいのか本当に解らなくてよ。軍にいたことあるし、教官やってたこともあったんで、そのノリでやってるんだけど、…どうしたらいいのかマジで解らねぇ。アンタらはどんなことを客にサービス?で、やってんだ?」
「ギルベルトさん、このお仕事は初めてで?」
「うん」
「うっそー!それで、トップ持って行っちゃったの?」
「…良く解らねぇけど、ごめん?」
「謝られてもしょうがないけど、ハンゾーもアタシもSで緊縛師、アタシはウィッピングもやるけど」
「緊縛って、縛るやつだよな?」
「そうです」
「ハンゾーの緊縛凄いよ、もーなんつーか芸術レベルだね、アレは」
「いえ。それほどでも」
謙遜した半蔵に縛りと聞いて、昔、日本でのことを思い出し、ギルベルトは口を開いた。
「芸術レベルって、春画にあったような感じなのか?」
「ギルベルトさん、春画をご覧になったことがおありで?」
「日本に知り合いがいてな。あんまりにも凄いんでちょっとやってみてぇって言ったら、教えてもらったことがある」
「本当ですか?!」
急に身を乗り出してきた半蔵にギルベルトは顎を引いた。
「その方はどなたに師事なさっておられたんでしょうか?それとも、師範クラスの方ですか?」
「え、いや、そこまでは良く解らねぇ。ただ、一本のロープで痕ひとつ残さず、相手の自由を奪うのがすげぇなと思っただけで、軍で応用出来ないかと思ってだな…」
そう思っただけだったのだが、半端なかったことを思い出す。本田の知り合いと言う縄師の爺様はみっちりとギルベルトに縄術を仕込んでくれた。覚えの良さと勤勉さが気に入られたのか、良く酒も一緒に飲んだことを思い出す。
「そうなんですよ!そこまで、行くと本当に神です。天井に女性を吊って、縄の動きだけでその女性を絶頂に導くことが出来るんですよ。私も早くその域に達したいものです」
ほうっと息を吐いた半蔵にギルベルトは本田を思い浮かべた。確かにこの青年はアイツの国民だ。どうでもいいことに感心してしまう。
「ギルはどうやって、お客様を相手にしてるわけ?」
ユーリーが興味深げに聞いてくる。ギルベルトは眉を寄せた。
「どうって、うーん。勝手に這いつくばってるのを、気持ち悪いって罵って、見下して、たまに踏んで欲しそうなのを空気呼んで踏んでやったり、やらなかったり?…椅子にふんぞり返って、ただ見てるだけとか、具体的なことはあんまりしてねぇのに、勝手に盛り上がってくれてるし、何か常連客とか増えてるし、俺はどうすればいいのか…鞭、使うのはよ、加減出来なさそうだし、善良そうなのを甚振るとかそんな趣味ねぇし、どうしたらいいのか…マジで解らねぇんだけど」
ほとほと、困り果てていた。
「…ギル、アンタ、それで客付いてんの?信じられなーい!」
「俺も信じられねぇよ」
唖然とした顔でユーリーが言う。それにギルベルトは溜息を吐く。

「ギルー、客、102号室入ったから、準備して」

休憩室に支配人が顔を覗かせる。それにギルベルトは返事を返し、立ち上がった。
「話、途中で悪い」
「いいわよ。お客様優先だし。今度、一緒に飲みに行こっか」
「それはいいですね」
「おう。仕事終わったら、メルアド交換しようぜ。じゃ、お先に失礼」
笑んだ顔が一瞬にして、冷徹な軍人の顔になる。制帽を被り、居住まいを正し、ピンッと背筋を張り、軍靴を鳴らして部屋を出て行ったギルベルトを見送り、ユーリーと半蔵は息を吐く。

「…アタシ、ギルにお客、付いてる訳、解ったような気がする」
「私もです。いや、全然、顔違うじゃないですか。ゾクっときました」
「アタシも。ギルにならホント、しばかれてみたいかも」
「私は彼を縛ってみたいですねぇ。露出が少ないところが非常にそそります」
「解る、それー!」

噂話にくしゃみをひとつ。お兄様に愉快な友人がこうして増えたのだった。

 


オワレ





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