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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
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17 . August


…なんか、好評で正直、大丈夫かと自分で自分に引いてるんだが。
ドS普とドS弟の妄想を含みます。危険を察知したら、早急に退避だ!

ぐんた様、あずま様、コメ有難うございました。
…頑張って続き書いた結果がコレだ。存分にがっかりしていってくれい。







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最近、どうも兄の様子がおかしい。週三日、午後二十時になるといなくなる。帰ってくるのは深夜午前三時。
一体、何をしているのかと問い正せば、肉体労働だと言う。だが、兄の体から臭うのは汗の匂いではなく、フローラルな石鹸の香りで…。不審に程がある。大体、肉体労働に励むほど体力は戻っていないはずだ。そして、尾行に付けた部下がいつも撒かれるなど疑ってくれと言っているようなものではないか。…と、言うことで、今日は会議で泊まりになると兄に嘘を俺は吐き、出かける振りをして、兄を尾行することにした。


二十時、二十分前、ギルベルトが家を出てきた。戸締りを済ませると気を払う風もなく、ギルベルトは大通りに向かって歩き始める。それを見やり、ルートヴィッヒは最善の注意を払い、尾行を開始する。ギルベルトとルートヴィッヒとの距離は凡そ、100メートル。それ以上近づくと、気づかれる。そしてこれがギリギリ、ルートヴィッヒがギルベルトを見失わないでいられる距離だ。
ギルベルトは大通りに出ると、ブラブラと歩きながら、不意に細い路地へと入る。慌ててその後をルートヴィッヒは追うがギルベルトの姿はなく…。尾行して、僅か十分足らずで撒かれてしまった。…が、こんなこともあろうかと実はこっそりとギルベルトのお気に入りのパーカーに本田から手配してもらった釦くらいのマイクロ発信機を装着してある。モニターを開き、発信源の赤いランプをルートヴィッヒは確認する。ギルベルトはこの路地を右に曲がったようだ。そして、しつこいくらいに何度も細い路地を行ったり、挙句には騒がしいクラブの中を擦り抜け裏口から出て行ったギルベルトの赤いランプが漸くひとつのところで止まり、動かなくなった。
「………ここは」
繁華街と言うよりは、昔から娼館の多かった風俗街だ。その風俗街に何の用があって?そう思い、距離を置いて地下に続く薄暗い階段を見やる。その薄暗い階段を身なりの良い紳士が下りていく。

「一体、ここはどんな店なんだ?」

端末を取り出し、情報を集めるべく、ルートヴィッヒは店名はフォームに打ち込んだ。

 

 

 


「…撒けたか?」

ここ最近、どうも尾行されているような気がして、徒歩十五分で済む道を三十分は時間を掛けて通勤している。仕事をする前に疲れる。ギルベルトは溜息を吐いて、仕事着の軍服に着替える。今日は予約で二人、客が入ってる。
(今日はどう、弄ってやるかな)
毎回、どうやればいいのか解らず悩むのだが、何もせずに見てれば客はそれで勝手に盛り上がって悶えてくれるので有り難いと言えば有り難いのだが、高い金叩いて通ってきているのだから、何かサービスとしてやらないといけないのか悩む。だが、紳士の尻に玩具を突っ込むだとか、それを鞭で打つだとかそんな芸当、恐ろしくて出来るハズもない。昔、散々、極悪非道ぷりを隣国に詰られた気もするが、アレとソレとでは話が違う。好んで残虐非道だった訳ではない。自分なりの正義もあったが、コレには正義もへったくれもない。
(痛みが快感にねぇ。…痛ぇのは痛ぇとしか感じねぇけどなぁ)
大昔、足の小指の先を戦で欠損し、そこから破傷風に罹り死ぬような思いをしたこともあるし、銃弾が肩を打ち抜き、生死の境をさ迷ったことなど、ざらにある。のたうち回るような苦痛の先に快感を見出させるとしたら、それは一種の悟りのようなものかもしれない。ギルベルトは思いながら、ネクタイを締めた。

「お疲れ~、ギル」

「おう、お疲れ。今日は早いんだな」
声を掛けてきたユーリーにギルベルトは目を細める。ロッカーにバックを投げ込んだユーリーはギルベルトを振り返った。
「今日はさ、仕事が早く終わったの」
「仕事?ここ以外にも働いてんのか?」
「昼間は美容師の仕事、してんの。でもまだ見習いだから、それだけじゃ食べて行けなくって。家に仕送りもしないといけないし」
「…そっか」
ギルベルトは手を伸ばすとわしゃわしゃとユーリーの頭を撫でた。
「えらいな」
「やだ、褒められたよ」
にぱあとユーリーが笑う。それにギルベルトは和む。普通にしてれば本当に可愛い女の子なのだ。それが、ボンテージに身を包み、ピンヒールを履いている姿はシャレにならないくらいに女王様が似合う。
「半蔵は?」
いつもつるんでいる日本人は今日は一緒ではないのかと尋ねれば、ユーリーは首を傾けた。
「もう直ぐ、来るんじゃない?仕事、終わったら、ウチで飲もうよ。昨日、給料日だったから我慢してたお酒いっぱい買って来たんだ!」
酒豪だと付き合ううちに判明したのだが、知り合いのロシア人顔負けにユーリーはのんべえだ。それを半蔵と何度、介抱したか。回ると脱ぎだすので始末に終えないうえに、でっかいおっぱいの凄さに目のやり場に困る。
「お前、のんべえは男に引かれるぜ?」
それを思い出し、そう言ってやれば、へらっと笑った。
「別にいいの!私の理想は超どSでこれぐらいじゃ引かない男だから。…あ、そう言えば、店の前を私好みの金髪碧眼の男が立っててさ、声掛ければよかったなー」
「金髪碧眼?」
「年のころは私より三つくらい上かなぁ。上物のスーツ着て、眼鏡掛けてて、ガタイも良さそう。何か、どS臭が体から滲み出ててさ。あーいうのを、自分好みの奴隷に調教してみたいなぁ。マジで縛りたい、這い蹲らせたい調教し甲斐のありそうなお兄さんだったよ。まだ、いるかも声、かけてこようかしら?」
ハアハアと目を潤ませるユーリーにギルベルトは眉を寄せた。
(…まさかな?…いや、アイツ、今日は会議とか言ってたしな。ルッツじゃねぇだろ)
外見の特徴がどう聞いても弟に当て嵌まり、ギルベルトの背を冷たい汗が伝った。疑念を振り払うように頭を振ると控え室のドアが開いた。
「お疲れ様です。お二人ともお早いですね」
「私は今、先、来たとこ。ねぇ、ハンゾー、店の前に金髪のイケメン、まだ立ってた?」
「金髪の?実は今先程、店の前で話しかけられました」
「マジ?」
「はい」
「なんて?」
身を乗り出してきたユーリーに半蔵は顎を引いた。
「ここはどういった店なのかと聞かれまして」
「何て、答えたんだよ?」
「紳士淑女の社交場ですと答えておきました。ここ、一応、会員制で会員の紹介のないお客様はお断りしてますからね」
「そうなのか?」
「そうですよ。オーナーが社交界に顔が利く方のようですし、お客様は身なりのよろしい方が多いですから」
言われてみればそうだと思う。貰うチップの金額も一週間は楽に食っていけそうな額を渡されて、呆然としたのだ。
「…ま、そうだよな」
「まあ、お金持ちの道楽みたいなものですかね。大ぴらに口に出来る性癖ではないですしね」
「そーよね。でも、そのお兄さん、客なら指名して欲しいなぁ。最近、おじ様とおば様ばっかりだから、若い子イジメたいなぁ」
「ウチのお客様ではないでしょう。残念ながら」
半蔵が言う。それにユーリーは深い溜息を吐いた。
「そーだよねぇ。…ってか、ギル、今度、私に縛られなさい!可愛がってあげるから」
「は?」
「いいですね。是非、私も混ぜてください。ギルベルトさん色白いし、朱色の縄がとても映えそうです。…ああっ、想像しただけで私、鼻血が出そうです!」
「想像するな!鼻血出すな!全力で断る!!ってか、俺がお前らをしばくぞ!」
「うん、私、そっちでもいいかな?」
「私は遠慮させて頂きますが、ギルベルトさんの緊縛を是非、拝見したいですねぇ」
「…お前ら、本当に危ないヤツだな」
縛るだの、何だの、まったく付いていけずに引き気味だったのだが、この二人のお陰で大分、店にも馴染めたし、飲みにいくようなダチが出来るとは思ってもいなかったのだが、弟の大事な国民とこうやって不戯けた会話が出来るのは楽しい。
「いや、こういうとこにいるギルも普通じゃないからね?」
お決まりの会話の流れを遮るように内線が鳴る。それを半蔵が取って、応じる。
「ギルベルトさん、お客様が103に入ったそうですよ」
「…あー、うん。頑張って来るわ」
「いってらっしゃい」
「また、後程」
二人に見送られ、ギルベルトは制帽と鞭を手に取ると部屋を出た。

 

 


「…………SMクラブ、だと?」

ヒットした情報から察するに、そういう店らしい。
(どうして、そんな店に兄さんがいるんだ?)
赤いポイントは目の前で止まって動かない。日本人だと思われる青年に声を掛けて、確かめて見たが、曖昧な返事を返されてしまった。そういう店だからあまり大っぴらには出来ないのだろう。…だが、何でこんな店に兄さんが?
(兄さんにSM趣味はないしな)
極めてノーマルで解り易い嗜好をしている。しかし、本当にそうなのかどうか…、もしかしたら凄くMかもしれない。

 両腕を壁にベルトで固定させ、衣服を剥いで、白い肢体に鞭を当てて、堪える声を聴きたい。骨の髄まで騎士で軍人のあのひとは絶対に屈したり、許してくれとは懇願してこないだろう。ぐずぐずに限界まで甚振って、快感を与えてやれば屈するだろうか?血が滲み、斜めに走った傷跡に爪を立ててやったらどんな顔で俺を詰るだろう。その口をボールギャングで塞いで、ペニスの根元にリングを嵌めて、ローターをアナルに二、三個突っ込んで、暫く放置してやったら流石に耐えられないだろう。…高慢なまでにプライドの高いあのひとが俺に許しを乞う………最高だ。

都合のいい妄想にルートヴィッヒの口角が上がる。
(…現場を押さえるか。…その後は、俺に内緒でこんなことをしていたお仕置きだな)
くっと小さく笑うと、ルートヴィッヒは地下へと続く階段へと向かった。

 

 


「…っ!」

紳士を踏みつけ、楽しいお仕置きタイムに突入し、相手の股間を踏みつけていたギルベルトは突然走った悪寒に足を止めた。
「…教官?」
不意に弱まった靴先に紳士は顔を上げた。それをギルベルトは見下ろした。
「…ハ、こんなことされて感じてんじゃねぇよ。普通は悲鳴上げて、嫌がるもんだろ?なのに喜んでるとか、マジ有り得ねぇな。ってか、本当にしょうがねぇな、お前」
一瞬、仕事中だと言う事を忘れてしまった。それを逸らすように嫌悪する表情を浮かべ、爪先に力を込める。勃起したペニスの感触は正直、気持ち悪い。だが、仕事だ。客に求められているのならこれもサービス、我慢我慢と念じつつ、刺激してやる。紳士は恍惚の表情を浮かべ喘ぐ。
(…後、もうちょっとで達きそうだな。…時間、あるしもう少し、焦らしてやるか)
そんなことを考えつつ、ギルベルトは爪先を持ち上げる。紳士がそれ残念そうに見やるのを、ハっと意地悪そうに笑ってやれば、ぶるっと紳士は身を震わせた。
「何だ、お前、俺にまだ踏まれたいってのか?本当にどうしようもない変態だな。ってか、汚ねぇんだよ。お前のカウパーで靴がべとべとだぜ。舐めろ。きれいに出来たらご褒美をやるよ」
ご褒美のひとことに紳士は目を輝かせ、どかりと椅子に腰を下ろしたギルベルトの靴先に口付け、舌を突き出す。それを見下ろし、心中、ギルベルトは溜息を吐いた。
(…なんつーか、俺様のキャラじゃねぇな)
褒めろ、讃えろ、跪けー!…と、昔は散々口にしてきたが、…なんつーか、楽しくない。やっぱり、向かないバイトだな。弟にバレる前に辞めよう。決意を胸に遊ばせていた鞭を握ると、部屋の外が騒がしい。
(何だ?)
それに視線を上げれば、バンッとドアが開いた。

「ちょっと、困るっていってるでしょ!!」
「兄さん!!」
「やめてください!!」

焦った声を上げて、部屋に入って来ようと男を止めようとする半蔵とオーナーとその後ろから、覗き込むように顔を覗かせたユーリーにギルベルトは一瞬、思考が停止した。…が、次の瞬間、我に返った。

「兄さんっ!何で、こんなところにあなたがいるんだ?説明してもらおうか?」

オーナーと半蔵を振り切り、部屋に入ってきたのはルートヴィッヒで。悪寒はコレかとギルベルトは溜息を吐いた。突然の事態に紳士は呆然と顔を上げ、ギルベルトを見上げる。それにギルベルトは小さく声を掛ける。
「…下がってろ」
「は、はい」
紳士は慌てて、身を引く。ギルベルトは慇懃に椅子から立ち上がると小さく息を吐いた。
「何で、お前がここにいるんだ?」
「それは、俺の台詞だ。一体、どういうことだ?」
「見れば解るだろ?お兄様はお仕事中だ」
「仕事?…こんな如何わしいところでか?あなたともあろうひとが情けない」
「情けなくて結構。ってか、俺は仕事中だ。出て行け」
底冷えするような青が赤を見据える。赤は怯むことなく面倒臭そうに口を開く。それに、ルートヴィッヒは眉を上げた。
「兄さん、不戯けるのもいい加…」

言い募ろうと、開きかけた唇を封じるように椅子の肘掛に鞭が振り下ろされた。小気味の良い音にしんと部屋の中が静まり返った。

「出て行け。二度も言わせるな。それともお前は言葉が理解出来ないのか?」

手元で弄ぶ鞭が撓る。ルートヴィッヒは眉を寄せ、ぐっと口を噤むと踵を返す。それを見送り、呆然とするオーナーとユーリーと半蔵に声を掛ける。
「迷惑かけて悪い。アイツは俺の弟だ。後、ちょっとしたら行くから、控え室に止めといてくれ」
「解りました」
声も出ないオーナーとユーリーっを引っ張り、半蔵は小さく会釈し、ドアを閉める。それに息を吐き、紳士を見やった。
「悪いな。興が逸れただろ。コレの埋め合わせはするからよ」
「いいえ。教官、素敵でした…」
ハアっと息を漏らした紳士は何故か満足げな顔をしている。


(…あー、バレたか。思いのほか、早かったな。さて、…どー言い訳するかね?)


それを考えると既に胃が痛むギルベルトだった。

 

 


オワレ!






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