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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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03 . September


クソゲーじゃなくて、俺には神ゲーでした。…プーは可愛いな。
…ってな、訳でネタバレしてるんで、ゲームしてから読んでください。

これは駄文もいい感じだ。プーのSぷりは今回はお休みのようです。






拍手[32回]




ドイツの日記を読みますか?


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(ヴェスト、ごめん)


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プロイセンは日記のページを捲った。

○月△日。

自分の家でメイドは見慣れていたが、日本の家ではちょっと違うらしい。
喫茶店の給仕を変わった格好のメイドがやるらしいのだが…。
アメリカやフランスが行ってみたいというので、とても風変わりな面々で行くことになってしまった。

…流石に、あれはなんだ…その。

あまりのことにすぐでてきてしまったが…まああの格好はなかなか独自のセンスで悪くはなかった。


「プッスー!!!」

んな感想、真面目に残しとくなよ!…ぷぷっと込み上げてくる笑いを殺しつつ、徐にプロイセンは広げられた日記帳を元に戻し、ジーンズのポケットに突っ込んだままの携帯を取り出した。

「よう、爺、俺だけど」

電話を掛けた先は日本。話は二分ほどで終わり、通話を終えるとプロイセンははたき片手に掃除の続きを再開した。そして、二時間程、窓を拭いたり床を磨いていると、ピンポーンとチャイムが鳴った。それに返事を返し、ドアを開ければ宅配便の業者。自分が宛名、送り主は日本のダンボール箱を受け取り、プロイセンは息を吐いた。

「…その日のうちに届くか、普通。電話してから二時間しか経ってねぇぞ。おい」

まあ、取り合えず、ドイツを揶揄う為に取り寄せた箱の中身をプロイセンは取り出した。

 

 


「…ただいま」

上着を脱ぎながら帰ってきたドイツはお疲れモードらしい。そんなことだろうと、今日は飯の支度も珍しくしてやった。さてさて、この格好にドイツはどんな顔をするか、によりとプロイセンは口元に笑みを浮かべ、頭上にひらひらとフリルの着いたカチューシャを装着した。
「ようヴェスト!」
顔を廊下から覗かせた時点で、ドイツの目が丸く大きく開く。
「お帰りなさいませせせせ…!ご主人様…ぷっすー!」
ひらりと裾が翻る。足がすうすうするがそれは今は気にしない。あんぐりとドイツは口を開けて、自分を見ている。間抜け面に思わず込み上げてくる笑いに腹が痛くなってくる。

「兄さん貴様なにをみたああああああああ!!」

がっと胸倉掴もうと伸びてきた腕をひらりと避ける。掴み損ねたドイツは眉を上げ、プロイセンを睨んだ。
「兄さん!!」
再び伸びてきた腕を躱し、プロイセンは口を尖らせた。
「自分だけ、メイド喫茶に行くなんてずるいんだよ!お兄様も連れて行きやがれ!!」
「な!あれはアメリカとフランスに無理矢理、連れて行かれたんだ!!」
「無理矢理?結構、ノリノリで行ったんじゃなえぇのか?お前もお年頃だしな。どーだったよ?」
「断じてノリノリではなかった。どうだったとは何がだ!」
「カワイイ女の子によ」

「お帰りなさいませ。ご主人様ぁ(はーと)」

上目遣いに見上げ、自分でも気持ち悪いと思うような猫撫で声でお決まりの台詞を口にし、僅かにプロイセンは小首を傾けた。

「…って、言われた気分は?」

その姿勢を保ったまま、見やればドイツは顔を真っ赤に唇を震わせている。…ちょと揶揄いすぎたかと姿勢を正し、プロイセンは咳払いするとドイツを見やった。
「…まあ、お前、そんなのには免疫なさそうだしな。…ってか、飯、作っといたから先に食ってていいぞ。俺、取り合えず着替えてくるわ」
ドイツの脇を擦り抜け、二階の自室に戻ろうと足を踏み出したところでがっと腕を掴まれる。うおっと振り返れば、満面の笑みを浮かべたドイツがプロイセンを見つめた。
「もう一回、今の台詞を言ってくれないか?」
「は?」
プロイセンはドイツを見上げる。何か変なスイッチを押してしまったらしい。…ドイツの満面の笑顔など災厄の前触れにしか思えない。
「……お、お帰りなさいませ、ご主人様?」
言ってくれと言われたので言われた通りに言ってやる。それにドイツはにこりと笑った。
「兄さん、他に台詞はないのか?」
「他?」
そういや、箱の中に参考にして下さいと書かれたメモのようなものが入っていた。エプロンのポケットに突っ込んだままだったのを思い出し、プロイセンはそのメモを広げた。
「えーっと、ご主人様、ご飯になさいますか?それともお風呂になさいますか?」
棒読みに書かれた台詞をプロイセンは読み上げた。
「先に風呂に入る」
「…ん、では、お背中お流ししま………何だ、コレ?」
メモにあった用法に従いテンプレ通りに台詞を口に仕掛けて、プロイセンは眉を寄せた。
「じゃあ、お願いしようか」
ぐいっと腕を引っ張られる。身の危険を感じたプロイセンはその場に足を踏ん張った。
「え、ちょっと待て、」
「待たない」
「待て!風呂ぐらい、ひとりで入れ!!」
「酷いな。背中を流してくれるんだろう?」
「んな、ことは言ってねぇええええ!!!!」
ひょいと片手で小脇に抱えられる。それにジタバタ暴れるも逃げ出すことは不可能。プロイセンはバスルームに有無を言わさず連行された。

 


一時間後…。

ぐったりとした顔をしたプロイセンとヤケにすっきりとツヤツヤとした顔のドイツが食卓に着く。すっかり冷えてしまったオムライスをチンしてやり、プロイセンは腹立ち紛れに黄色い卵の上にケチャップをぶちまけた。
(くそー、腰ってか、ケツ痛ぇ!!覚えてろよ、ヴェストめ!!)
タバスコを思い切り振りかけてやろうかと思ったが、何とか理性で自重する。だんっとテーブルにオムライスを置いて、対面の椅子に腰を下ろす。体に響いた痛みにぐっと奥歯を噛んでプロイセンは堪えるとドイツを見やった。
「お召し上がりやがれ、ご主人様」
「いただきます。兄さんの作った食事は久しぶりだな」
食べ始めたドイツからプロイセンはプイっと目を逸らした。
「…兄さんは食べないのか?」
プロイセンの前には何も置かれていないことに気づき、ドイツはスプーンを止めた。
「ご主人様の所為で、ケツが痛ぇので明日食う」
ちろりと視線をくれれば、眉を下げたドイツと視線が合った。
「…怒ってるのか?」
「怒ってねぇよ。さっさと冷めないうちに食え。今日のは本当に上手に出来たんだ」
中のチキンライスもそれを包んだふわふわの卵も芸術的だと自画自賛して、ケチャップで書いた小鳥もそれは格好良く出来たのだが、腹いせにぶちまけたケチャップで小鳥はいなくなってしまった。
「………」
スプーンを取り、黙々と食べ始めるドイツの顔をプロイセンは見やる。
(…あんなに可愛かったのに、こんなムキムキになっちまってよ。…真面目で融通利かないし、誰に似たんだか、ちょっと変態だけど…やっぱ、可愛いぜ)
ムキムキだろうが、例えちょっと…いやかなりドのつく程、アレな弟だがやはり可愛いものは可愛い。
「ごちそうさま。ケチャップが多かったが美味しかった」
かつかつと無言のうちに平らげ、スプーンを置いたドイツにプロイセンは立ち上がる。

「…ケチャップ付いてるぜ。ご主人様」

まあ、偶には甘やかしてやるさ。頑張ってるしな。

(それに俺が、お前の一番のお兄ちゃんだからな)

プロイセンはドイツの口端に口付けを落とした。

 

 

終わりやがれ!







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