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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
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11 . September


兄さんはまだ帰宅しないようです。

弟が自重~の続き。悪友はいい。

普独にシフトチェンジしても、付いてきてくれますか?

≫無理だ!
悪いことは言わない。窓を閉じろ。

≫どんと来い!望むところだ。
≫寧ろ、リバとか素敵。
このままスクロール。
















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お兄様の家出から、早二週間。最初は直ぐに帰ってくると高を括っていたドイツでしたが、三日を過ぎ、一週間を過ぎ、痺れを切らしたドイツは各国に部下を派遣し、お兄様の居場所を探させますが、梨の礫…。見つかる気配すらありません。お兄様に対する理不尽な苛々も怒りも頂点を過ぎ、マイナス方面に思考が傾いていきます。三週間を過ぎた頃には、心労からすっかりドイツはやつれ果てておりました。

 

 


「そろそろ、帰ったり。ドイツ、相当、キとるで?」
「倒れる一歩手前だね。お兄さんも流石に見てて、気の毒になって来たんだけど」
「うっせー。アイツが泣いて謝ったって許してやんねーんだからな!」

夏の日差しが残る賑やかな人通りに面したカフェ。ストローを噛んだプロイセンが眉を寄せる。それに、フランスは溜息を吐いた。
「大人気ないこと言ってないで、許してやんなさいよ。ドイツも若いんだからさ、仕方ないでしょ?」
「若気の至りで、ケツの穴に玩具なんか突っ込まれたくないわ!」
ぶすりと頬を膨らませたプロイセンにスペインはまあまあと宥めに入る。
「プーちゃん、ここ往来やからな。ケツの穴とか言わんといて。…でも、俺らにドイツのこと訊いてくるちゅうことは、心配しとるんやろ?」
「出て行った即日にカード使えなくするような弟を誰が心配するか!パスポートも使えなくしてあるしよ。俺は犯罪者かっての!」
ダンッとテーブルを叩いたプロイセンにスペインとフランスは顔を合わせた。流石はドイツ、やることに抜かりがない。
「…でもまあ、よく、お前、カードも使えない。身分証明書もない状態で俺ん家、来れたね?」
「あ?身分証明書は昔取った杵柄ってか、アイツの知らない東側時代の名義が残ってんでそれ使った。金は銀行の貸金庫に預け放しだった昔貰ったとか勲章とか売り払ったら、いい金額になったぜ」
「…うわあ」
「この兄にして、あの弟ありやんなぁ」
東側時代のことはプロイセンが口にしないこともあって、訊いた事がないのだが結構危ない橋を渡るようなことをやっていたらしい。謀略根回しは元より、プロイセンが得意とするところで、ドイツがその足元に及ぶ筈もない。
「俺らに連絡取るまで、どこに潜伏してたのよ?」
「あ?スイスんとこ。秘密保守の代わりに、色々、扱き使われたけどな」
「スイスとこか。ま、妥当に一番、安全やな」
「だろ?最初は日本んとこに行こうかと思ったんだけどよ。空港で怪しまれちまって、出国出来なかったんだよ。…クソ、ヴェストめ!!」
プロイセンは悪態吐くとずるずると空になったグラスの底を啜った。
「ちょっと、プロイセン、行儀悪いぞー。お兄さんがお代わり頼んであげるから、それ止めなさい」
いつもなら絶対にしないような子どもめいたことをしでかす分、プロイセンも鬱憤が堪っているらしい。ギャルソンを呼び止めて、アイスカフェオレのお代わりとついでに季節のフルーツのトルテを三つ頼む。ストローを噛むのを止め、突っ伏したプロイセンをフランスは見やった。
「…俺さ、教育間違えたかな?」
「いきなり、何?」
「何やの?」
上目遣いにスペインとフランスをプロイセンは見やった。
「…普通に…そりゃまあ、結構厳しく当たったりもしたしたけどよ。…それなりに、愛情持って接して来たつもりだぜ」
「お前のドイツの可愛がり具合はなんつーか、凄かった気がするんだけど」
俺んち占拠して、戴冠式挙げちゃうくらいだ。思わず涙が出そうになって、フランスはスンと鼻を啜った。
「お前にめっちゃ、ドイツも懐いとったやん。羨ましかったで。ウチのローマノと違て、柔順やし、可愛かったし」
昔のドイツはそれはもう可愛かった。さらさらの金髪に大きな青い瞳。薔薇色の頬に白磁のように白い肌。絵画から抜け出てきた美少年そのものだった。…それが、なんでああ、ムキムキに育ってしまったんやろうか?…スペインは首を傾けた。
「…ん。可愛かった。俺も初めての弟でさ、俺なりに超可愛がってたつもりだぜ。…まあ、まさかあんなムキムキに育つとは思ってなかったけどよー。でもまあ、俺にとっては可愛い弟だしな」
ギャルソンがトルテの皿とグラスを置いて、空になったグラスと皿を下げて行く。それを見送り、プロイセンは体を起こし頬杖を着くと、溜息をひとつ落とした。
「…あいつもよー何で、俺なんか好きになるかね。挙句の果てに抱きたいとか。…相当、面食らったし、どうしたらいいのか解らなかったけどよ。俺があいつを愛してるのは確かだし、好きだって言われるのは嬉しかったし、…だから、覚悟したけどよ」
相当な覚悟をしたと思う。男同士だし、血の繋がりはないにも等しいが弟だと思って大事に大事に育ててきた相手に「好きだ」「セックスしたい」と言われて面食らわない訳がない。青天の霹靂にも等しい。でも、愛しい子の望みを断れるはずもなく承諾したのだが、偶然にも弟の趣味嗜好を知ってしまい、その嗜好の対象がよもや自分だったと知ったときには流石に卒倒しかけた。早まったとしか思えなくなってしまった。それからのらりくらりと逃げ続けていたのだが、弟は我慢の限界だったらしい。油断していた(…と言うか、まさか弟がこんな手段に出るなんて、誰が思うか!)薬を盛られ、裸に剥かれ、手錠で両手を拘束され…拘束はまあ許容出来る範囲内だが、訳の解らない異物を突っ込まれるのは許容範囲外だ。取るも取り合えず頭突きを食らわし、時間稼ぎに鳩尾に蹴りを入れて、地下の書庫に駆け込んだのだ。
「覚悟したんでしょ。ドイツがそういう趣味だって、解ってたんじゃないの?」
「…異物を突っ込まれる覚悟はしてねぇよ。それに知ってる限り、あいつには昔はあんな趣味なかったぜ。まあ、ドイツのベッドの下でエロDVD発見したときはよ、シモ話で盛り上がれんなと思ったんだけど、中身がすげーえげつないし、何に使うんだな蝋燭に鞭とか、手錠とか…バイブとか…、ご婦人に無体なことしようとしてんじゃないかと心配したんだけどさ」
「まあ、まさか対象が自分やなんて、普通は思わへんよなぁ」
桃のタルトを突き、スペインが言う。
「思うワケねぇだろ。…まあ、確かにちょっと加虐趣味っぽいところはあったけどよ、その対象が自分だって解って、マジでドン引きしたし、もし、そいういう行為に及ぼうとするんなら、ロシア領になるか、最悪、消えてやるって脅したんだけど…」
「ロシア領になるの?」
「ならねぇよ。アイツんとこ、寒ぃし」
「じゃあ、消えるん?」
「消えねぇよ。ビール飲みてぇし、お前らと馬鹿やりてぇし」
プロイセンはそう言うとはぁとまた溜息を吐いた。
「…普通に愛されてぇだけなんだけどな」
何を持って普通と言うかはさておき、スペインとフランスは顔を合わせる。元々、おっぱい星人なプロイセンには些か、弟の趣味は高尚過ぎてついていけないようだ。自分たちも正直、ついていけないのだが、ここは長い付き合いの友人のために一肌脱ぐべきだろう。

「お前さ、弟、調教しちゃえば?」

フランスは思い切って口を開いた。
「は?」
それにプロイセンはぽかんと口を開く。
「せやな。自分好みに弟を変えてまえば、ええんちゃう?うだうだ悩んどるなんて、お前らしゅうないで。大体、お前、受身のキャラやないやん」
それにプロイセンは大きく目を見開いた。
「…そうか。そうだよな。今まで、自分が抱かれる側で考えてきたけどよ、考えてみれば俺が受身になる必要ねぇよな」
うんうんと頷くプロイセンにスペインは口を開く。
「でも、プーちゃん、ドイツのこと抱けるん?」

「抱ける!」

即答したプロイセンにスペインは顎を引いた。
「マジかいな…」
「マジだ!…よし、そういう方向で行こう。お前ら、ありがとな」
朗らかに微笑んだプロイセンにスペインとフランスは肩を竦めた。
「どういたしまして。…でもさ、プロイセン、肉弾戦はお前に不利なんじゃない?」
「あの弟をどう攻めるん?」
体格的にも腕力的にもプロイセンはドイツに劣る。組み敷くとなれば明らかにプロイセンに不利だ。
「不利じゃねぇよ。大体、アイツの育ての親は俺だぜ?アイツの弱点は解ってるし、逆らえないようにお痛したらどうなるか躾けてあるからな」
ニヤリと笑んだプロイセンに二人は同時に息を吐いた。
(この兄にして、)
(あの弟、ありやんなぁ)
プロイセンの今後の貞操の心配をすればいいのか、ドイツの貞操の心配をしてやればいいのか…。取り合えず、真昼間の往来でする話じゃないよね?

フランスは冷めたコーヒーを啜り、スペインはトルテを頬張り、プロイセンはアイスカフェオレを一気に飲み干したのだった。

 

 


オワレ





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