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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
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29 . September


お兄様待ち伏せ→弟が帰宅したところを奇襲→昏倒させて、踏ん縛るっていうのをやってみた。完全に俺得。…ドイツの立場がM化していく気がしなくもない。






拍手[25回]




 

 国家辞めて、自宅警備員な俺様だが、お前、俺様のこと甘く見すぎじゃねぇの?元軍事国家、舐めんなよ!何でも、俺様が許してやると思ったら大間違いだってことを解らせてやる。イチから躾け直してやるぜ!


そんな勢いでお兄様が帰宅したようです。

 

 


正午、帰宅。準備に二時間ほど時間を掛ける。
午後五時四十五分、そろそろ計画を実践すべく、配置に着く。
午後六時、家の家主は定時どおりに仕事を片付け、帰途に着いたらしい。

 玄関前、プロイセンは気配を潜め、壁に張り付く。耳を澄ませば、車が車庫に入るのを耳にし、緊張に息を詰める。かつかつとどこか疲れたような足音が響き、停止する。がちゃりと鍵の開く音とともに長い溜息、プロイセンは低く息を吸った。

 軋む音と同時に、動く。

 どさっと玄関に声もなく崩れ落ちたドイツをプロイセンは見下ろした。的確に急所を狙った。暫くは意識は戻らないはずだ。プロイセンはふうっと息を吐くとドイツを担ぎ上げた。
「…この筋肉ダルマめ」
しかし、これでへこたれるようなプロイセンではない。行軍中はこの弟よりは軽いがそれなりの重量の荷物を持って移動するのだ。人一人担げなくてどうする。ずしりと重い弟を担ぎ、プロイセンは二階の弟の部屋へ歯を食いしばって運ぶと、ベッドの上に巨体を投げ出した。軋む体に一息吐いて、迅速に次の作業へと取り掛かる。まずは着ていたスーツの上着を脱がせ、体を起こし、後ろ手に左右の親指を合わせ結束バンドで縛る。ベッドの下を見やれば、相変わらず怪しげなものの入った箱はそのままだ。プロイセンはその箱を引き出すと、ベルト式の手械を取り出し、まずは右手首を拘束し、ベッドの柵に鎖を潜らせ、左手首を拘束する。箱に入っていたガムテープで両足をぐるぐる巻きに拘束し終え、プロイセンはふうっと深い息を吐いた。
「…誘拐の手口がこんなところで役に立つとはな…」
思わず遠い目をして、犯罪紛い、いや、立派な犯罪だ…に手を染めざる得なかった数十年前の記憶に息を吐く。…それにしても、
「危機意識無さ過ぎだろう。お前、それでも国家か。ああ、嘆かわしい」
危機意識と言うか、ドイツは家に入るのに警戒も何もしていなかった。こっちとら、約四十年監視付きの日々、神経などささくれ立っていた。西側はゆるゆるだったのだろう。でも、冷戦時代の最中はベルリンは東西のスパイが入り乱れ情報戦を繰り広げていた。…あの時代から何と平和になったことか、プロイセンは椅子を引き寄せるとどかりと腰を下ろした。
(…平和になったもんだぜ…)
戦争をしていない時間など、思えば瞬く間。常にどこかと争い血を流してきた。自分の為に。それが、この弟の為になったのはいつだっったか。間違ったとは思っていないし、思いたくも無い。弟が自分を統べる王になることに何の疑問も持たずにいた。それは今も変わらない。支配するものと、されるもの。それに不服はないが、身体的に支配されることには反発したくなる。支配されたいのではなく、愛されたいのだ。それをこの弟は何も解ってない。こんなにも愛しているのにと無理難題を言う。…まあ、ちょっと仕方ねぇなと流されたが、それを切り口に好き放題されたのでは唯でさえもガタが来てるこの身が持たない。
「…別に、それが原因で消えたって構わないけどよ…」
痛いのは嫌だが、耐性はある。自分が我慢して、それでドイツが満足するならと考えなかったこともない。…でも、そうして、自分が消えたとき、弟がそのことを後悔し苦しむことになるなら…と、思うと許容出来ないのだ。
(…何で、こんな難儀な性癖になっちまっったのかねぇ)
西側からたまに検閲の対象として上がってきた雑誌を読むことができる立場にあったが、えげつなさに即、閉じてしまった。割と混沌とした時代にあっても刷り込まれた貞操観念は根強く、幼い頃は純潔を重んじ、潔癖に生きてきたが、そうも言ってられなくなって、体が長じてからはそれはまぁ何と言うか、今まで周りの大人が自分に見せて来なかった人の野蛮で本能的な部分を知ってしまった。神様が言うきれいごとだけで争いがなくなり、飯が食っていけるなら、皆そうするだろう。きれいごとだけを純粋に信じていられた時代は良かった。殺伐とはしていたものの随分と自分は恵まれた幼少期を過ごすことが出来たものだなと思う。少なくとも自分の周囲の人間がそれだけ良心的だったのだ。あの時代、強姦に略奪は当たり前だった。でも少なくともそんなシーンを幼少の自分は見たと言う記憶もないし、日記にも記録がない。…あの頃はずっと、いつ死んだって、形骸化したっておかしくなかったし、生き難かった。
(あの頃に比べ、戦時中だっとは言え、ヴェストを拾ったときはマシな状況だったよな。んで、小さいウチは戦場には連れて行かなかったし、長じてからはまあ、ちょっと厳しかったかもだけど、あんぐらいで根を上げてたら、他の連中に舐められるしなぁ。それなりに、愛情持って育てて来たんだけどな。嫌だっったら、さっさと俺んとこ出て行って、坊ちゃんのところに行ってただろうし…)
ぼんやりと取りとめもない物思いから、不意に鼓膜を刺激した呻き声でプロイセンは我に返る。青い目がゆっくりと開き、身じろぐが体が思うように動かないことに驚いたように見開かれるのをプロイセンは黙ったまま、観察する。身体の状況把握を終えた青が今度は場所の把握に動く。そして、一点を捉え、大きく見開かれ固まった。

「ただいま。…で、どうだよ?」

プロイセンは視線だけを上げ、ドイツを見やる。ドイツは呆然とプロイセンを見つめていたが、眉間に皺を寄せた。

「…おかえり。…で、一体、これは何のマネだ?」

ギチっと手枷の鎖が引きちぎられんばかりに軋む。それをプロイセンは意に介するでもなく溜息ひとつ落とした。
「お前が俺にやったことをお前にしただけだが。まあ、流石に腕力じゃ敵わねぇから、ちょっと厳重だけどな。…あ、暴れるなよ。指、千切れるぜ?」
力任せにやろうとすればするほど、両の親指の付け根を縛った結束バンドは緩むどころかきつく締るようになっている。我ながらえげつないと思ったが、玩具の手錠でこの弟を拘束出来るとは思っていない。プロイセンは息を吐いた。

「…兄さん、怒っているのか?」

上目遣いに伺うような物言いは、ドイツの幼少からのクセだ。それに騙されてやれる程の余裕は今は無い。
「何で、そう思うんだ?」
やさしい口調で問えば、ドイツは視線を伏せた。どう、自分を説き伏せて、この拘束を解かせるかこの場で優位に立つかを考えているのだろう。さて、そんなマニュアルが弟の頭の中にあればいいが。プロイセンは薄く笑い、片膝をベッドに乗せ、ドイツの顎を掴んだ。
「…俺は、お前にひとが嫌がることはするなと教えなかっただろうか?」
一瞬、怯んだ青をプロイセンは見つめる。ドイツは口を開いた。
「…記憶がないな」
「そうか。じゃあ、言い方を変える。自分がされて嫌だったことを、お前はひとに出来るような子だったか?」
唇に触れる。久方振りのドイツの唇はかさかさに乾いていて、それを舌先で舐めてやる。びくりとドイツの肩が跳ねるのと同時にプロイセンは顎を引いた。
「…兄さん」
名残惜しそうな顔をする。ドイツの膝に手を掛け、プロイセンは身を乗り出した。
「…暫く、反省しろ。飯は作って食わせてやるし、お前の仕事は俺がしといてやるからよ」
さっとそれだけ言って、身を引く。
「…え?」
期待した何かを裏切られたような顔をするドイツにプロイセンは笑みを浮かべた。
「夜になったら、嫌って言うくらい、お兄様が躾けてやるからよ。大体、お前、まだ童貞だろ?だから、道具に頼ろうってすんだよ」
「な!?」
その言葉にさっとドイツは顔色を変えた。
(図星かよ…。まあ、女気なかったしなぁ。色街にでも連れて行ってやれば良かったぜ)
そう思いつつとプロイセンは顔には出さずに話を続ける。
「道具持ち出すのは経験積んでからだ。てめえの体で俺ひとり満足させられないなんざ、クズも同然だ。俺じゃなかったら、お前、強姦罪で訴えられるぜ?」
「…くっ」
「…ま、経験が足りねぇのは仕方ねぇからよ。そこらへんはレクチャーしてやるよ」
フランスやスペインとつるむ様になって一通りの悪さはやったし、それなりに嗜んだ。セックスするよりも戦場で暴れるほうが楽しかったので、経験はまあ、ドイツよりはマシと言うレベルだが、それは黙っておく。…何やら仄かな期待と不安に複雑そうな顔をして、眉を寄せたドイツを見やり、プロイセンは拳を握る。

 

 俺様好みに躾けてやるぜ!!

 

取り合えず、そういう方向で頑張ることにしたお兄様だった。

 

 


俺得俺得。






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