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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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07 . October


東西兄弟で、学生弟×社会人兄さん。
概ね、弟の悶々。

西普で、売れない路上ミュージシャン西×社会人普。
一番ラブい上に、事後。

日普で、売れっ子小説家日×新人編集な普。
日が普を口説く的な。

俺得三篇。格納にあたり、加筆修正しました。拍手、有難うございました!







拍手[9回]




東西兄弟(独普(ルーギル))編

 

 おんぼろアパート、四畳半一間、風呂なしトイレ共同の家賃三万円、この物価の高い都会の駅近辺のアパートにしては破格の家賃に多少の不便には目を瞑って、住み始めて半年。初めは風呂がないのが不自由だったが、近くに深夜まで営業している銭湯に通いだすようにようになってからは不便さは感じない。寝るために帰ってくるような部屋だ。布団を敷けるスペースさえあればいい。飯はバイト先で出るし、昼間は学校。アパートと学校、バイト先、そんな往復の日々にも慣れた。…ただひとつ慣れないことと言えば、五つ歳の離れた兄が不意打ちに俺の様子を見にふらりと自分の部屋を訪ねて来ることだ。今日はその不意打ちの日だったらしい。戸締り消灯を確認して、朝、出てきた部屋の電気が煌々と灯り、薄いカーテンが風に翻っている。…ったく、来るなら来ると連絡してくれれば良いものを。早く帰って来たのに。俺は錆びた階段を上がった。

「おせぇ」

開口一番、ドアを開いた俺に兄は眉を寄せ、不機嫌そうにそう言った。
「来るなら来ると、携帯に連絡してくれ。俺も忙しいんだ」
そう言葉を返せば、不満そうに兄は唇を尖らせた。それを見やり、小さい冷蔵庫にコンビニで買ってきた牛乳とヨーグルトを仕舞う。冷蔵庫の中には既に先客が居た。眉を寄せた俺に兄が言う。
「飲もうと思って買ってきた。つまみは腹、減ったから先に食っちまったぞ」
ポテトチップスの袋をひらひらさせる。袋の横にはレモンフレーバーの炭酸飲料のペットボトル。三分の一程残ったそれからは気泡が見えた。
「飲むのか?」
「もういらねぇ。炭酸で腹膨れた。お前、飲めば?」
6缶パックを開けて、銀色の缶を取り出し、隙間を見つけて買ってきたものを詰め込んで扉を閉じる。
「…で?」
「ん?」
窓から入ってくるのは温められた生温い風。その風に短い頭髪をなびかせて、兄は目を細め、外を見ている。まるで、猫のようだと思う。
「何の用だ?」
「用がなきゃ、来ちゃいけぇねのかよ?」
機嫌を損ねた。眉を寄せた兄が言う。それを見やり、俺はプルタブを開けた。
「別に。何か、用事があったのかと思ってな」
苦味と強い炭酸が喉を流れていく。
「…用事なんかねえぇよ。それにしても蒸し暑いな」
「夏、だからな」
「扇風機ぐらい置いとけよ」
ネクタイを緩め、襟元を寛げ、手団扇で兄はハタハタと首元を扇ぐ。日に焼けることもなく白い首元が顕わになり、暫し、それに見入る。あの首筋に噛み付いて、歯形を残してやりたい。思う存分にその体に滲む汗を舐めて、ぐちゃぐちゃにしてしまいたいと、淫らな妄想が脳裏で再生される。俺の頭の中の兄は酷く淫乱で、俺の言うことを何でも聞いてくれる調教済みの恋人だ。…でも、それは所詮、妄想。現実に成り得ることなど絶対に有り得ない。
「必要ない。風に当たりすぎれば体に堪える」
「暑い方が堪えるっての。…ってかさ、こんなボロちぃ部屋住んでないで、俺のところに越して来いよ。冷暖房完備、風呂もトイレもきちんとしてるし、ちっせーボロいキッチンとかさ、お前には使いづらいだろ?」
ああ、始まった。いつも、兄はこれを俺に言うために部屋を訪ねて来るのだ。
「住めば都だ。慣れればどうってことない」
「お前はいつもそう言う。もっと、俺に甘えろよ」
「十分に甘えさせてもらってる」
父、母と早々に亡くなり、親戚の家に厄介になりながら、俺の面倒を見、不自由を感じさせないようにと兄は俺に献身してきた。自分は高校を出、早々と働きに出、俺の高校と大学の学費を出してくれたのは兄だった。自分のことは二の次で、俺の為にひたすら働き続けている兄に俺は劣情を抱いている。…ああ、まったく何て、最低な弟なんだ。俺は。それを知られるのが怖くて、俺はこの兄の愛情で出来たやさしい檻から逃げた。
「お前はまだ学生なんだからさ、ガキのウチからそんなに苦労しなくたっていいだろーが」
学費だけで、仕送りの一切を断り、一人暮らしを始めた。兄と暮らし続けることが既に限界に近かった。この想いを無に返すには、距離と時間が必要だ。そう思っていた。でも、それは無理なことなんだろうと俺は思い始めている。兄弟である限り。この居心地の良い温い風のような関係を壊さない限り、俺は兄を組み敷く妄想から逃れられはしないのだ。
「俺は早く、あなたから自立したいんだ」
それに兄はちょっと寂しげに目を細めた。

「…そんなの、まだ先でいいじゃねぇか」

兄にとっては俺はいつまで可愛い弟なのだろう。仕方のないことだと解っていても、「弟」と言うもっとも兄に近いポジションを当分、俺はまだ失えそうになかった。

 

 


四畳半一間、風呂なしトイレ共同。 西普(トニョギル)編

 

 

 蝉の声が姦しい。開いた窓からは燦燦と夏の日差しが容赦なく照りつけ、室内の温度を上げていく。内職の造花の赤い花びらが散らばった部屋、息を吐いて、ギルベルトは胸にべったりと懐いたアントーニョの頭を小突いた。

「熱い、重ぇ…」

「…ん、後、ちょっとだけ」
「あ?全力で断る!さっさとどけよ。いつまで、入ってんだよ?」
下半身の異物感は如何ともしがたい。室内の温度以上に熱い感触がやけに生々しく自分以外の生き物が腹の中にいることを主張してくる。ギルベルトは眉を寄せた。
「ずっとギルん中におれたらええのになぁ」
それを気にするでもなくアントーニョは暢気に目を細め、ギルベルトを上目遣いに見上げた。
「冗談じゃねぇ!早く、抜け」
「…はいはい。ちょっと、待ってな」
再び、小突かれて、アントーニョは漸く体を起こす。それと同時にずるりと下肢から萎えた異物が抜けて行く。それに息を吐く。ごそごそとゴムを外し、口を縛ってティシュで包んだそれをゴミ箱に放ったアントーニョは立ち上がると狭いキッチンの流しの水道を捻った。それを見やり、動く気力のないギルベルトは小さく息を吐き、隅に追いやられた下着を掴んだ…が、身に着ける気すら起こらず投げた。

「ギル、体、拭こか」

濡れタオルを持ってきたアントーニョは流石に下着だけは身に着けたらしい。素っ裸の自分が急に恥ずかしくなるが、先までしていたことを思い出して、どうでも良くなる。昼間からサカるなんざ、どこぞの野良猫と変わりはしない。動くのも億劫でされるに任せる。アントーニョは昔からこういうことには酷くマメな男だ。…今までの男にこんなマメな奴はいなかっった。コトの済んだ相手に後戯をくれてやるやさしい男なんざ、お話の中だけだ。ヤって性欲が満たされればそれまでだ。その後のことなど面倒臭くてやってられねぇだろ。…ギルベルトは思う。
「…真昼間からサカるなよ。…ってか、様子見に寄っただけだったのによ。会社、戻れねぇだろ」
ぐしゃぐしゃになったシャツ、スラックスも上着も皺になってる。ネクタイはどこに行ったのか解らない。鞄は玄関のところか…ギルベルトは溜息を吐いた。
「ゴメンなぁ。顔、暫く見てへんかったし、ギルのことばっか考えとったら、お前が来るんやもん。我慢、出来へんかったわ」
顔、首筋、胸、下肢へと落ちて、脚のやわらかい部分をタオルが撫でて行く。シャワーを浴びれれば一番いいのだろうが、アントーニョが住む部屋には風呂がない。歩いて五分のところに銭湯があるがそこに行って、いかにもヤってましたな跡の残る体を見られたくはない。多少の羞恥には目を瞑り、後始末を任せる。用が済めば、触られることに抵抗があったがアントーニョにはその瑣末などうでもいいような怒りを感じない。それにこうやって、事後の会話を楽しむのも嫌ではなくて、それでもほんの少しの羞恥にギルベルトは悪態を吐いた。
「そーかよ。俺様を労わって扇風機くらい買えよ。熱ぃ」
「んー。そうしたいんやけどな。生活、ギリギリやねん」
「言われなくても解ってるけどよ」
ギルベルトは息を吐く。内職の造花に出来上がった封筒の束が狭い部屋の片隅を占拠している。その部屋の中、薄汚れた壁に掛けられたアコースティックギターを見やる。それも随分とこの部屋同様に年代がかっていた。

「俺、ミュージシャンになるのが夢やねん」

路上で歌っていたアントーニョと知り合いになったのは、三年も前だ。会社の帰りのことだった。熱帯夜が続き、日が暮れて尚、真昼のように暑い夕暮れ、駅の広場で歌うアントーニョの前でギルエベルトは足を止めた。それから、こんな関係になるまで然程、時間はかからなかった。ミュージシャン志望の田舎から出てきた青年。夢を見ている目はキラキラと既に擦れ切った自分には眩しく映った。気がつけば、夢中になっていたのは自分のほうだった。アントーニョはセックスが上手い。常に自分が欲っしていた言葉を簡単に与えてくれる。孤独を埋めてくれる自分にとって都合のいい男だ。いつもは取替え引替えで目まぐるしく寝る相手を取り替えていたが、アントーニョとは自分でも驚くほど長く続いていた。

「…俺な、三日前にレコード会社のオーディション受けたんや」

「ふーん。上手く行ったのか?…お前の声、ってか、歌、結構、俺、好きだぜ」
「ギルにそう言ってもらえると嬉しいなぁ。ありがとな。…でもな、落こっちてもうた」
左腕にタオルを滑らせ、指先で止めたアントーニョが顔を上げる。それをギルベルトは見やった。
「…そっか。元気出せよ」
「ん。…これを最後にしようと思うとったけど、あかんかったわ」
何でもないようにアントーニョは笑う。それにギルベルトは眉を寄せた。
「最後って?」
「受からんかったら、俺、実家帰って、農業継ぐって決めとったんや。いつまでも、遊んでいられへんしなぁ」
「…そっか」
…と、言うことは、この関係も終わりか。不意にギルベルトは寂しくなる。アントーニョはギルベルトの指先を拭う。

「…それでな、ギル」

「…何だよ?」
別れ話か。いつか切り出されるとは思っていたけれど。何もこんな、体を合わせた後にして欲しくなかった。ギルベルトは俯き、アントーニョが拭っていく指先に視線を落とした。

「俺、実家帰るけど、お前にも一緒に来てくれへんやろか?」

その言葉に一瞬、思考が止まる。ギルベルトは顔を上げた。
「…え?」
「俺、お前なしでは生きていかれへん。別に皆に歌、聴いてもらわんでも、お前が聴いてくれるんやったら、それでええねん。一緒に、俺と来てくれ。絶対に不自由はさせへん」
じっと真剣に見つめてくるアントーニョの瞳にギルベルトの思考は付いてこない。
(…コレって、プロポーズか?)
思考がそこまで漸く辿り着いて、ギルベルトは頬を一気に上気させた。
「おま、え、何、言って!?」

「ギル、お前が好きやねん。ずっと、俺と一緒にいたって!」

嘘でも冗談でもない。真剣な眼差し。こんなに真面目な顔してるアントーニョの顔は見たことがない。
「…いきなり、んなこと言われたって、俺にだって、都合があるんだよ。…会社、辞めるにしても引継ぎとかあるし…直ぐには無理だからな…」
否定の言葉は沸いてこない。一緒にいたいと気持ちがそんな言葉を心の中から引きずり出した。

「ギル、俺と一緒にいてくれるん?」

「のわっ!?」
「俺、嬉すぎて死んでしまいそうや!」

抱きついてきたアントーニョにまた湿った薄い布団に逆戻りさせられる。降り注ぐキスの嵐にギルベルトはコレもまあ悪くないかと、会社に戻ることを忘れ、アントーニョの背中に腕を回した。

 

 

 

 

四畳半一間、風呂なしトイレ共同。 日普(菊ギル)編

 

 

 

「先生、原稿は出来ましたでしょうか?」

気難しい上に遅筆、それでも売れっ子の小説家で、出すもの全てがベストセラーだと言う本田菊の編集者に報道から移動になり、文芸の「ぶ」の字も知らない新人の自分が担当と言う名の生贄にされて、早一月が過ぎた。
(…いつ見ても狭いってか、ちょっと古い部屋だよな。売れっ子なんだし、印税貰って金、持ってんだろ?…もうちょっといい部屋に住めばいいのによー)
この時代に四畳半一間風呂なしトイレ共同とか有り得ねぇ。もっと条件のいいワンルームの部屋が有るだろうに。すっかり日焼けた畳と脂で黄色くなった壁。ぶら下がった裸電球を見上げ、ギルベルトは唯一日が差す窓の机に向かう本田を見やる。本田は振り返ると、机の片隅の封筒を手に取り、ギルベルトへと差し出した。

「出来てますよ」

「有難うございます」
中身を取り出し、ざっと目を通す。今回の話は官能小説だ。大正の頃のとある小説家とその世話をする為に雇われた若い女の話だ。しかしまぁ、この本田、ライトノベルからミステリー、純文学に時代小説、挙句の果ては官能小説と節操なく、幅が広い。幅が広いがブレてはおらず、時代物は考証がしっかりとしているし、ライトノベルは胸が弾むような展開を繰り出してくる。珍しく、オールマイティな作家だと思う。著作を一通り目を通し、いつもならくしゃみして即効読み厭きるのだが、どの作品も最後まで食い入るように読んでしまった。
(…うわぁ。なんつーか、エロ過ぎるんですけど…いいのかよ、こんなもん、出版して)
流れるような万年筆で原稿用紙に綴られた文章は生々しく、濃厚にその場の匂いが漂ってくるような気さえする。文章がその場をありありと映像に変える。狭い室内、乱れた布団の上、絡み合い悶える男と女。女の喘ぎ声や男が女に囁くひそひそとした声。耳に吹き込まれた言葉に女が一層、身悶えるのを男は笑って、焦らすように腰を掴んで、ゆるゆると穿つ。…その様が目の裏に浮かび、頭を振って妄想を追い払うと、ギルベルトは妄想に頬を赤らめ、それを誤魔化すように原稿の枚数を確認する。
(…あれ?…枚数、足りねぇ…?)
女を弄んでいた側の男が女に溺れ、女に縋るように心中を迫るところで話は途切れていた。
「…先生、」
ギルベルトは恐る恐る口を開いた。紙面の上をペン先が掠る音だけが響く。その音がぴたりと止まる。
「何でしょう?」
「原稿の枚数が足りないのですが」
足りないまま帰る訳にはいかない。鬼のような編集長にフライパンで殴られかねない。まだ、死にたくはない。自分はまだ、弟を養わないといけないのだ。ギルベルトは本田を見つめた。
「…ああ、それは今、書いてます」
本田は何でもないようにそう言う。ギルベルトは眉を寄せた。
「…先生、先、出来てますっておしゃいましたよね?」
「…さて、そのようなことを私は言いましたでしょうか?」
小造りな顔。真っ黒な髪がさらりと落ちる。ことりと万年筆を置いた本田は音も立てずに立ち上がり、ギルベルトの手から原稿用紙を取った。

「…私と死んでくれ。男は言う。女はそれを見下ろし、途方に暮れた顔をした。今まで、自分を支配してきた男が、見っとも無く自分の足元に縋っているのだ」

途切れた原稿の続きを薄い色をした唇が低く呟く。ギルベルトはそれに目を開く。それを可笑しそうに見やり、本田は微笑うと、とんとギルベルトの肩を突いた。

「私はお前が欲しいのだ。お前はどうしたら、私のものになるのだ。いくら、抱いてもお前は私のものにはならない。嗚呼、憎い。お前が憎い。私を惑わすな、その肌、その髪、その声!…私はお前を知って、何も書けなくなってしまった」

白い腕が着物の袖口から除く。その腕は紛れもなく成人した男のもの。焦りを感じるよりも、本田が朗々と語る話の中にギルベルトは引きずり込まれて行く。

「…お前が死ねば、私はまた書けるようになるだろう。でも、お前なしの生活など考えられぬのだ。お前を殺すことが出来ない。私が死ねば楽になれるのだろうか?…いいや、それは出来ない。私以外の男がお前に触れることを考えただけで、私は気が触れてしまいそうだ。…だから、一緒に死のう」

頬を撫でる冷たい指にギルベルトは息を飲む。自分を見下ろす本田の視線は昏く、感情が読めない。ぞくりと背中を冷たい汗が伝う。黒い瞳はうっそりと笑って、ギルベルトの薄く汗ばんだ首筋に指をかけた。

「…私と一緒に死んでくれるな?」

緊張に言葉が出ない。心臓が鷲掴みされたように脈打って、息が出来なくなる。首を絞められている訳でもないのに、窒息しそうだ。ギルベルトはぎゅうっと目を瞑った。

「…と、言うところまで考えたのですが、どうでしょうか?」

それを見下ろし、頬を撫でた本田にギルベルトは目を見開く。揶揄われたのだと解り、かっーと頬に血が上って行く。
「し、知るか!それを考えるのが、アンタの仕事だろうが!!」
思わず地が出る。それに驚いたように本田が目を開く。それにしまったという顔をして、ギルベルトは口を噤んだ。それにくすりと機嫌を損ねた訳でもなく、本田は笑う。
「確かに、そうに違いありません。でも、ワンパターンですからね。何か、新しい展開を考えてみようかと」
「…それと俺を押し倒すのは、どういう関係が?」
未だに馬乗りに黄ばんだ畳の上に縫い付けられて、ギルベルトは本田を睨んだ。

「どうやったら。あなたの気を引けるかと思いまして」

睨まれた本田はふっと笑う。

「え?」

それにどんな顔をすればいいのか解らず眉を寄せれば、本田は伺うようにギルベルトを見つめた。
「どうやら、私はあなたに恋をしてしまったようです。…あなたのことばかり考えている所為で仕事がまったく手につきません」
本田は溜息混じりにそう言い、ギルベルトの頬を撫でた。

「…どうしたもんでしょうか?」

それにギルベルトは息を吐き、腕を伸ばす。

「…そうだな、まずは好きだって言う告白からだろ。いきなり、心中は俺はゴメンだぜ」

本田の髪を梳く。背後で原稿用紙が舞い散るのを目の端に、ギルベルトは目を閉じた。






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