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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
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15 . October



何をトチ狂ったか、女普だよ!


妄想の中では結婚して、子供が二人いるとこまで沸いてしまっているが、そんな脳みそで大丈夫か?
ああ、大丈夫だ。問題ない。(いえ、大有りです)

男らしい姉さんと、珍しく格好いいヘタレてないドイツという…。
続くかどうかは皆様の反応次第で、文末にアンケート設置してますので、よろしくです。






拍手[31回]




 

「姉さん、話があるんだが」

夕食を終えて、新聞を読んでいたプロイセンの前、コーヒーのカップを置いたドイツにプロイセンは顔を上げた。
「何だよ?」
新聞を畳んで、プロイセンはドイツを見やる。ドイツは徐に小さな箱をずいっとプロイセンの前へと差し出した。
「何だ、コレ?」
「開けてみれば解る」
ドイツの表情を伺えば、無表情。プロイセンは目の前の小箱を見やり、徐に掴むと蓋を開いた。
「…指輪?」
赤いビロードの台に差し込まれていたのはシンプルなプラチナリング。それを見やり、プロイセンは首を傾けた。
「貰ったのか?」
「違う。買った」
「へー。誰に。…ってか、お前、とうとう彼女出来たのか!紹介しろ!!」
身を乗り出し、そう嬉々として訊いて来たプロイセンにドイツは溜息を零した。
「彼女はいない。この指輪はあなたにだ」
「俺?」
乗り出してきたまま、不思議そうな顔をしてプロイセンはドイツの顔をまじまじと見つめた。
「指輪より、リボルバーの方が嬉しいんだけど」
すとんと椅子に腰を下ろし、そう言ったプロイセンをドイツは見つめ、また、溜息をひとつ零した。
「リボルバーでは意味がないだろう。…と、言うか、姉さんはこの指輪の意味を解っていてはぐらかしているのか?」
「意味?…今日、誕生日…じゃ、ねぇよな?他の記念日でもないし、プレゼント貰う理由が俺には思いつっかねぇんだが…ってか、アクセサリーとか好きじゃねぇもん、お前がくれる意味が解んねぇ」
「…本当に、解らないのか?」
呆れた顔をするドイツにむっとプロイセンは眉を寄せた。
「解んねぇ!」
指輪の入った箱をダンッと置いて、プロイセンはドイツを睨む。睨まれたドイツは僅かに眉を寄せ、またひとつ溜息を吐く。遠まわし…でもないつもりだったっが、ここまで鈍いとは思わなかった。ドイツは顔を上げ、プロイセンを見つめた。

「姉さん、俺と結婚してくれないか?」

ドイツが発した言葉にプロイセンは赤を瞬き、眉を寄せた。
「…は?」
意味が理解できず、もう一度促せば、先程と同じ言葉をドイツは繰り返す。それにむむっと眉を寄せ、プロイセンは笑った。
「何だ、プロポーズの練習かよ。驚かせんなよな!」
バンバンと身を乗り出して肩を叩いてきたプロイセンの手首をドイツは掴んで、引き寄せる。
「…お!?」
テーブルに体を乗り上げたプロイセンは赤を瞬いて、ドイツを見上げた。
「俺はあなたに結婚して欲しいと言っているんだ。プロイセン」
名前を呼ばれ、きっぱりはっきりと告げられたプロイセンは「は?」とまた、気の抜けた声を上げ、それから、ドイツの肩を掴み、真面目な顔をしてプロイセンはドイツを見つめた。
「…ヴェスト、エイプリルフールは今日じゃねぇぞ。面白くねぇ、嘘吐くなよ。笑えねぇ」
「エイプリルフールでないのは承知している。そして、俺が嘘でこんなことを言うと思っているのか、姉さんは」
じっと見つめて来る青に揶揄いの色はない。プロイセンは溜息を吐いた。
「俺、お前のお姉様だぜ。寝言は寝て言え」
「寝言を言ったつもりはない。あなたは確かに俺の姉だが、それが何だ?」
「何だって、…うわっ」
テーブルの上に乗り上げた体を引き寄せられ、ドイツの腕の中に納まる。プロイセンはドイツを見上げた。
「…あなたが俺を男だと認識していないことは、百も承知だ」
「…弟を男として、見るわけねぇだろ」
「そう言うと思った。好きだと愛してると言っても、あなたは聞き流すばかりだ」
「弟にそう言われて、そういう風に取るかよ。フツー」
それにドイツはまた何度目になるか解らない溜息を落とした。
「じゃあ、今日からでいい。俺を男として意識してくれ」
「はぁ?意識しろったって、無理だっての!大体、お前、いつから俺のこと…」
「随分前からだ」
「それじゃ、解んねぇよ」
「あなたと会った日からずっとだ」
「意味解んねぇ。…ってか、自分で言うのも何だけどよ。女らしさのカケラもねぇ、おまけに背ばっか高くて触るとこもねぇし、口は悪いは…あの、腐れ坊ちゃんから、「あなた、本当に女性なんですか?」って、ムカつくけどよ、そう言われた俺をだ、お前、女として意識してんのか?」
「確かに姉さんは口は悪いし、少々、行儀の悪いところもあるが女性として魅力的だと俺は思っているが」
真面目な顔をして言うドイツにプロイセンは額を押さえた。
「どこが?」
「本当はとてもあなたが礼儀正しいことを俺は知っている。背ばかり高くてと言うが、背筋をピンと張って立っている姿は誰よりも美しいと思う。大体、姉さんは痩せ過ぎなんだ。もう少し太れば、女性らしい体になると思うが」
「…お前、頭、おかしいんじゃねぇの?病院、行けよ」
「その必要はない。俺は至って、正常だ」
本気でそう言っているらしいドイツの顔を見つめ、プロイセンは頭を掻き毟りたい衝動に襲われ、息を吐く。天変地異が起こっているとしか思えない。
「…胸、ねぇし、普通、男ってのはよ、胸もケツもバンっとあるような、女が好きなんだろ!?」
自分は男ではないが、やっぱり女ってのは巨乳で尻もデカくて、肉付きがいいのがいいのだろうと思う。東側に居た頃、ウクライナに冗談で良く抱きついていたが、あのおっぱいはかなり気持ちが良かった。
「俺は姉さんの色んなものをひっくるめた本質みたいなものが好きなんだ。胸も尻もあればいいが、別に無くても構わない」
「いや、構えよ」
弟の好みが自分とは余りにも悪趣味過ぎるではないか。
「なら、姉さんに太ってもらえるように美味しいものを作るように心がけよう」
ぐっと腰に回った腕が引き寄せられる。まあ、普段からこんな感じで、ドイツの膝に乗ってムキムキで暖を取るのは日常茶飯事だったが、何と言うか今は居心地が悪い。
「…いや、そういう問題じゃねぇだろ。…ってか、何で、結婚なんだよ?別にこのままでも良くね?」
妙な付属を付けなくったってずっと上手くやってきた。なのに、結婚してくれと言われても困惑するだけだ。…女を捨てて、武器を取って、周囲の男にも引けを取らぬよう誇りを持って生きた来た。それを否定されたような気がして、ドイツの言葉にしくりと胸が痛む。…女であることを否定し、男として生きた来た。幼馴染のように割り切ることが出来なかった。女であることを認めると言う事は、屈服させられる、隷属を強いられると言うことだ。そんなのは御免だ。他の国に媚び諂い、女であることを利用して生きるくらいなら潔く、滅びてやる。…そう、思いながら生きて来たと言うのに。…プロイセンはもぞりとドイツの腕の中、逃げるように身じろいだ。
「…本当は、二十年前にあなたが帰ってきたときに、そう言うつもりだったんだ。でも姉さんは体を壊していたし、俺も告げる暇が無く忙しくなってしまった。…いつか言おう、いつ言おうとずっと思ってたし、指輪も引き出しに仕舞われたまま、二十年も経ってしまった」
「………」
「二十年目だから、けじめを即ける為にも言っておきたかった。困惑させたのなら、すまない。でも、」
「…何だよ?」
「俺はあなたが好きだ。結婚と言うのは周囲への既成事実だ。俺はあなたを独り占めしたいんだ。誰にも渡したくない」
きつく抱きしめられ、それから頬を愛しげに撫でた指先にプロイセンは赤を見開いた。


「…返事は急がない。ゆっくり、考えてくれると嬉しい」


触れた指が頬から名残惜しそうに離れ、腰を抱いた腕が緩んで解放される。ずるりとプロイセンはドイツの膝から落ちた。それに手を差し伸べてきたドイツの手を振り払い、立ち上がると自分の部屋へとプロイセンは駆け込んで行く。それを見送り、ドイツは小さな溜息を落とした。

「…こんなもので、あなたを縛れるとは思ってはいないが…」

テーブルの上、赤いビロードの上で輝くプラチナに触れ、ドイツは目を細めた。

 

 

続く?





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