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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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22 . November


季節の変わり目に風邪を引くのは私だ。

…先週、半年ぶりくらいに連休もらえたのに熱出して寝込んでた。高熱出て吃驚したよ。

色っぽい…ってか、シモネタ(座薬ネタ)にしてやると思ってたんだが、中身がほのラブになった為に自重した。







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 季節の変わり目にいつも軽い症状の風邪をプロイセンが引くようになったのはいつからだったか…。

 今回の引いた風邪はの症状は些か重かったようだ。

「兄さん、いつまで寝てるんだ?どうせ、また夜更かしでもしてたんだろう?スープが冷める。早く起きて…」

朝、何時まで経っても起きてこないのを叩き起こしにプロイセンの自室に入れば、荒い息をぜぇぜぇ吐いて、起き上がろうとしてベッドから落ちたらしいプロイセンがベッドの縁に頭を預け、気だるげにドアを開けたドイツを見やった。
「兄さん?」
「…………」
ドイツの呼びかけにプロイセンは声を発しようとぱくぱくと口を開くが、言葉にはならず、口で呼吸をして、目を閉じる。そのプロイセンの様子にドイツは慌てて駆け寄ると、プロイセンのべったりと汗で張り付いた前髪を書き上げた。
「…っ」
額の熱さに驚いて、首筋に手のひらを滑らせればリンパ腺が腫れている。ぐったりと目蓋を落としたプロイセンを抱き上げ、ベッドに戻すとドイツはらしくもなく慌てた様子でリビングに向かい、絆創膏と包帯以外に仕様用途皆無な救急箱の中から電子体温計を抜き出し、プロイセンの部屋に戻る。体温計をプロイセンのパジャマを少し肌蹴、脇に差し込む。プロイセンの吐く息は熱く、目を開けるのも億劫なのかじっとっしている。それを見下ろし、ドイツは眉間に皺を刻む。それと、同時にピピッと計測を終えた電子音が鳴った。
「…39.3度」
流石のプロイセンもこの高熱ではぐったりとしても仕方がないかもしれない。
「病院に行くか」
ドイツの言葉にプロイセンは嫌だ首を振。った
「…夕方までに下がらなかったら、医者を呼ぶからな」
昔は自身が病院だったクセにプロイセンは病院嫌いだ。ドイツの担いででも連れて行くと言う気迫に押され、不承不承、プロイセンは頷く。ドイツは溜息を吐いて、一度、プロイセンの部屋を出た。手桶に適温にしたお湯を張り、タオルを手にプロイセンの部屋へ。クロゼットからパジャマと下着を出して、ドイツはぐったりと横たわったプロイセンの元へ戻る。
「汗が凄い。着替えよう」
それにプロイセンは「はっ」と息を零す。それを返事と受け取って、ドイツはブランケットを剥いで、パジャマのボタンを外す。以前はこの段階で抵抗され、蹴られる噛みつかれると散々な目に遭ったりもしたのだが、今は慣れたのか諦めたのか、熱の高さに抵抗する気力もないのか、プロイセンはされるがままだ。少しは自分に対して気を許してくれたのだと思うと嬉しくて、外気に体を震わせたプロイセンの体を丁寧にドイツは拭いて清めると新しいパジャマを着せ、プロイセンの体を抱き上げた。
「…ふぁ?」
浮いた体に眉を寄せ困惑した色を浮かべるプロイセンの赤に、ドイツは青を合わせた。
「シーツも張り替える。俺の部屋で終わるまで休んでてくれ」
それにプロイセンはこくりと頷いて、目を閉じた。


自室のベッドにプロイセンを横たえ、ブランケットを肩まで掛けて、熱い頬を撫でてやると、頬をすり寄せて、プロイセンは目だけで笑うとそのまますうっと寝息を立て始めた。寝入ったのを確認し、部屋をでる。官庁に今日は仕事を休む旨を伝え、いくつか指示を出して、電話を切り、ドイツはネクタイを外し、エプロンを着けるとプロイセンの部屋のカーテンを開き、窓を開ける。シーツと枕カバーを外し、新しいものに取り替える。物置から暖房器具と加湿器を取り出しセットし、窓を閉める。部屋が適湿適温になったのを確認し、階下に戻る。必要なものを揃え、プロイセンの部屋に運び、自室に戻る。プロイセンの頬を撫でれば、赤がゆっくりと開いて瞬いた。
「起こしたか?」
それにプロイセンは首を振る。そして、ぱくぱくと口を動かすが声にはならない。でも、その唇の動きを読んだドイツは顔を赤らめた。
「こんな状態で煽るようなことを言わないでくれ!」
『お前の匂いがして何か、落ち着く』…なんて、どんな殺し文句だ。ドイツがぽこぽこ湯気を立てるのをプロイセンは目を細める。それを苦々しい思いで見下ろし、心の中で「覚えてろよ」と毒づいて、プロイセンの体を抱き上げる。ほんの少し前、矜持が傷つくだの、自分で歩けるだの文句を言っていたプロイセンは随分と大人しく文句を言うことも無く自分に体を預けてくる。そうなったのは兄弟と言う関係にプラスして恋人と言う関係になって暫くしてからだと思う。体を拭くのもそうなってから許してくれるようになった気がして、徐々に怒りは萎んで自分の腕の中にいるプロイセンへの愛おしさで胸がいっぱいになってくる。ドイツはプロイセンの自室のベッドにプロイセンを横たえると、頻繁に熱を出すプロイセンにと日本が何時だったか送ってくれた冷えピタをぺたりとプロイセンの前髪を掻き上げ貼り付けた。
「…林檎を擦ってきたんだが、食べられるか?」
胃に何かを入れなければ、薬が飲めない。そう問えば、プロイセンは小さく頷いた。体を起こし、背にクッションを差し込む。それにしんどそうな顔をして、プロイセンは息を吐く。サイドテーブルに置いた器を手に取り、ドイツは摩り下ろされた林檎を掬って口元に運ぶ。プロイセンは唇を開いて、スプーンの上を啜る。器の三分の一を口にして、プロイセンは差し出されたスプーンに首を振る。ドイツはサイドテーブルから薬瓶を取り上げ、錠剤を三錠取り出すとプロイセンの口に含ませ、水を注いだコップを唇に当てる。喉が動くのを確認し、ドイツはプロイセンの首の後ろに手を沿え、背宛てのクッションを引き抜くとゆっくりとその体を横たえた。もぞりとシーツの上身じろいでプロイセンはドイツを見上げ、口を開いた。
「……え、………は?」
「休暇にしてもらった。…上司が心配してたぞ」
掠れて言葉にならなかった部分を拾い、そうドイツが答えればプロイセンは眉を寄せ、またぱくぱくと口を動かした。
「こんな状態のあなたを放って仕事にいける訳ないだろう。…でもまあ、家で出来る仕事はする。…ここにパソコンを持ち込んで構わないか?音が気になるなら自分の部屋で作業するが…」
「…っ、…ーか」
返された悪態を許可と受け取って、ドイツは立ち上がると食器を片付ける。自分の部屋からパソコンを持ち込んで、プロイセンの机を借りて立ち上げる。それを暫くプロイセンは眺めていたが、徐々に瞬きの回数が多くなる。すうっと聴こえてきた寝息にドイツが液晶から視線を向ければ、こちらを向いたままプロイセンは眠っていた。肩を落ちたブランケットを直して、ドイツはまたパソコンに向かった。

 

 


気がつけば随分と集中して、仕事をしていたらしい。ふっとパソコンのタスクバーに表示された時刻を確認すれば、一時を過ぎている。ベッドに視線を向ければ、「うんっ」と声を上げてプロイセンが身じろいだ。何度か瞬いた赤がじっとこちらを見つめた。
「具合はどうだ?」
「…まえ、より、いい」
「そうか。熱を測ろう」
「…うん」
ブランケットを捲り、パジャマの前を寛げる。触れた肌は汗で湿り、はっと吐き出される息は相変わらず熱い。ぐったりとした様子でドイツを見上げるプロイセンの赤は熱を帯び潤んでいて、まるで事後のようだと思い、ドイツはぶるぶると首を振った。それを不思議そうにプロイセンは見つめ体を震わせた。
「…っ、さむい」
「すまん」
肌を震わせたプロイセンに謝って、ドイツは体温計を脇に挟み、襟を合わせる。普段、体臭の薄いプロイセンだが汗を掻いている所為がいつもより濃く匂う。その匂いは容易く行為中のことを脳裏に再生させる。ドイツは眉を寄せた。
(…病人相手に何を俺は…)
セックスはプロイセンが主導権を握っている。自分の思い通りになど少しもならず、リードを握られた状態だが、少しの反抗は多めに見て甘やかしてくれる。最初の頃は「痛い」だの「下手糞」などぼろ糞に貶さればかりいたが、最近はそれも減ってきた。体が馴染んできたのか、時折、甘い喘ぎを上げるようになったし、事後はさっさとシャワーを浴びに行ってしまうようなひとが自分の胸に頭を凭れさせて、今のような熱に潤んだ赤を見せることも多くなった。

「…るっつ、るつ」

舌足らずに名前を呼ばれ、ドイツは青を瞬いた。
「…何だ?」
「…たい…おんけ、なった」
「すまん。ぼうっとしてた」
言い訳にプロイセンの唇が緩く弧を描き、赤が細められるのを見なかったフリをしてドイツは体温計を取り出した。
「38.7度、…朝よりはいいな」
色んなものを誤魔化すようにケースに体温計を仕舞う。意識してしまうとまともにプロイセンの顔が見れなくなる。それでも、視線をプロイセンへと向ければ、プロイセンは口元の笑みは消して、目だけで笑っていた。
「…なお、ったら、かんが、え、といて、やる、よ」
「…何をだ?…病人は寝てろ。粥を作ってくる」
全て読まれていたのだと思うと頭に血が上る。逃げるようにドイツはプロイセンの部屋を出た。それを見送り、プロイセンは小さく咳をすると、自分の顔を覆った。

(…ヤバいのは、俺だっての…。何、スイッチ入れてそうになってんだよ…!)

触られるたびに肌が粟立つのは風邪から来る悪寒だと誤魔化しているが、あの手に触られ慣れた体は最近は違う反応を示す。それを悟られないようにするのにどれだけ苦心しているか。先のは本当にヤバかった。あんな目で見られれば、反応する。
「…は、」
籠もった熱を逃がすように息をして、プロイセンは寝返りを打つ。良く出来た弟で恋人。…昔はこんな弱った姿を晒すなど、例え、ドイツでも嫌だったが、ここまで気を許すようになったのかと思う。隣国に傲慢とも言われた高すぎるプライドも最近では簡単に折れる。痴態を晒すのは本当に我慢ならないのだが、ドイツとまぐわううちに恥ずかしいだのみっともないだの、こんなのは自分じゃねぇとか…そんなことは些細なことに思えてくるのだ。最中は。…後で思い出して死ぬほど恥ずかしくなるがくしゃみして、すぐに忘れることにしている。

(…早く戻って来ねぇかな…)

顔を赤くして出て行ったドイツを思う。…ドSで変態だが従順で可愛い。仕事を休んで傍にいて献身的に看病してくれているのだから、可愛くないはずがない。世界一自分は幸せ者だ。可愛い弟とやさしい恋人を同時に手に入れたのだから。
何となく満ちた気分でプロイセンがニヤニヤしているとドアが開いた。トレイを手に部屋に入ってきたドイツはプロイセンを見やり、眉を寄せた。
「…何をニヤニヤしてるんだ」
「べつに」
そう返せば、ドイツは眉間に皺を寄せたままサイドテーブルにトレイを置いて、プロイセンの体を起こすと背にクッションを差し込んだ。
「熱いからな」
スプーンで掬った白粥にフーフーと息を吹きかけ、ドイツはプロイセンの口元に運ぶ。以前なら自分で食えると抵抗していたが、今はそんな気すら起こらない。…ったく、どうしてこんなに良く出来た弟になったのか。流石は俺様と自画自賛しつつ、プロイセンは目を細め、ドイツを見つめる。
(…可愛い…)
ドイツが小さい頃、元々丈夫な子どもだったがたまには風邪を引くこともあって、手ずから看病したことを思い出す。そのとき、林檎を擦ったのも、粥も照れるドイツの口に運んでやった。今はすっかり立場は逆転してしまったが、プロイセンは口元を緩ませる。それにドイツは眉を寄せた。
「兄さん?」
「…ん?」
プロイセンはドイツを見やる。その赤は今にも融けそうな色をして微笑している。プロイセンがたまに見せるその表情はドイツが幼い頃から自分にだけ特別に見せるもの。ドイツは気恥ずかしくなって咳払いをひとつ落とした。
「…食べないのか?」
「…くう」
スプーンを口に含む。皿の粥をスプーンで掬って冷ましては、プロイセンの口に運ぶ。中身が半分、減ったところで「もういい」とプロイセンが首を振る。朝と同じように薬を飲ませてベッドに横たえ、乾いた冷えピタを新しいものに取替えるとドイツはプロイセンのいまだに熱る頬を撫でた。
「…しん、どいけど、おれ、す、げぇ、しあ、わせ」
「…俺もだ。…でも、早く良くなってくれ」
「…うん」
手のひらに熱い頬をすり寄せて、幸せそうに微笑うとそのままプロイセンは目を閉じる。すうっと聴こえ始めた寝息にドイツはもう一度、プロイセンの頬を撫でて、その頬に口付けを落とした。

 

 


おわれ





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