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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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22 . February




シリーズ化してるがな。

とりあえずそのよんを上げたので、そのいち~さんまでまとめ。

拍手、ありがとうございました!!


そのいち コンビニ店員の俺と本田さん。
とある早朝のコンビニで、ちょっと気になるお客さんの話。

そのに うさぎさんのおつかい。
(残念な)イケメンさんがおつかいにきた話。

そのさん コンビニ強盗と亀甲縛り。
バイト中に強盗にあった話。…このギルはどうもバイトの兄さんぽい(笑)。








拍手[49回]




コンビニ店員の俺と本田さん。

 

 俺はとある閑静な住宅街にあるコンビニのバイト店員だ。昼間は学校があるので、夜にシフトに入ることが多い。まあ、深夜ともなれば客もまばらで殆ど暇で、品出ししたり、足りないものの発注を掛け、弁当やおにぎりなどの日配品を出したりなどの仕事が主で、それも慣れれば直ぐに終わり、客も雑誌を立ち読みするもう顔見知りな常連以外はいないし、暇で眠くなる。欠伸を噛み殺し、テストも近いのでポケットに忍ばせた単語帳を捲ってみたりする。…このバイトも飽きっぽい俺にしては、三年と長く続いている。それは、何でかと言うと、

「いらっしゃいませ」

チャイムの音にお決まりの声を掛ければ、小柄な年齢不詳の普段は着物、たまによれよれの着古したジャージでウチに来るお得意様、名前は本田と言うらしい(俺はこっそり、本田さんと呼んでいる)。…今日はジャンプの発売日だ。本田さんは俺が休みの日を除いて週に六日は顔を合わせる常連さんだ。
「こんばんわ。寒いですね」
「こんばんわ。そうですね。おでんが美味いですよ。今なら、全品80円です。後、肉まんも20円引き中です」
「おでん、肉まんですか…。いいですねぇ。でも、朝ごはんまで後ちょっとですしねぇ」
店内の時計はまだ五時を回ったばかり…。本田さんはそう言うと平積みされたジャンプを一冊手に取り、レジに来る。それから迷うようにおでんの鍋を覗き、誘惑に負けたのか、
「大根とたまごをひとつづつ。ちくわを二つで」
と、注文が入る。
「はい。有難うございます。からしはお付けしますか?」
「お願いします」
「つゆはいつも通りでいいですか?」
「はい」
にっこりと本田さんが笑う。プラスチックの器に注文された品物を入れて、つゆをたっぷりと注ぐ。ふたをきっちり閉めて、それぞれ袋に入れる。
「全部で560円になります」
きっちりと小銭を数えて出してくるこの本田さんのたまに一緒に来る御友人達がそれはもうバラエティに富んだ人々ばかりで面白いのだが、今日はおひとりらしい。外国人なんか学校のALTしか今まで見たことがなかったのだが、このバイトを始めてから各国のイメージそのまんまな人たちが本田さんとウチにご来店した。玩具つきの菓子を見て「可愛いある!」と大はしゃぎする中国人に、デザートコーナーで季節限定品スイーツに何やら感銘を受けるフランス人、午後の紅茶のレモンティーに「邪道だ!」と文句を言いつつ結局購入していくイギリス人に、棚にあったハンバーガー全部とコーラの1.5リットルペットを嬉しそうにカゴに突っ込んだアメリカ人、俺がひそかに気にかけていたバイトの女の子をいきなり口説き始めたイタリア人に「フェリシーアノ!」と怒鳴っていたムキムキはドイツ人に違いない。彼はカゴにスーパードライと黒ラベルをみっしりと詰めて持ってきた。その愉快な友人たちと本田さんとの掛け合いが面白くて仕方がないのだ。
「560円丁度、お預かりします。…レシートになります。ありがとうございました」
「ありがとうございます。…寒いですが、風邪を引かないように頑張ってくださいね」
「はい。ありがとうございます。お客様も気をつけて」
にこりと笑って、優しい言葉をかけてくれる本田さんが俺は好きだ。本田さんが出て行くのを俺はにこにこと見送る。

「…残念、今日は一緒じゃなかったのか…」

本田さんとウチに頻繁に来るのはアメリカ人のハンバーガー君(と、呼ぶことにした)と、何人なのか…ドイツ語喋ったからドイツ語圏のひとには間違いないんだろうけど、銀髪に赤い目のうさぎさんだ。どっちともとても気さくでいい人たちだ。うさぎさんが来たならば、今度こそお国を聞こうと思っていたのだが…。

「…次、来ないかなぁ」

wktkしながら、本田さんとうさぎさんの来店を俺は待っているのだった。

 

 


うさぎさんのおつかい。

 


うさぎさんは、背が高い。多分、180センチ近く。俺と視点が10センチは違う。痩せてるけど、付くところにはしっかり筋肉ついてるなって感じで、男の俺から見ても何と言うか羨ましい体型をしてる。主に店に来るのは本田さんにくっついて日付が変わった頃か、早朝に来店する。たまたま、早出のOLさんや早朝に部活のある女子高生の視線を奪うくらいうさぎさんは(黙ってれば)超イケメン。いつも頭の上に黄色いふわふわの小鳥を乗っけてるのが俺は気になって仕方がない。おまけに銀髪赤目って、どこの漫画の登場人物だよな外見なのに、3分でイメージが崩れる。外見とは裏腹に何故かがっかりするほど子どもっぽい。きょろきょろと落ち着きがないし、本田さんの髪を引っ張ってみたり、着物の袖を引いてみたり、こっそり本田さんのカゴにアイスを突っ込んだり、スーパーで時々見かける子どもそのものだ。先日は本田さんの買い物に付いて来て、目に付いた駄菓子をねだって、ぴしゃりと駄目だと言われたときのうさぎさんは叱られた子どもみたいな顔をしてた。しょんぼりするうさぎさんを可哀想に思ったのか、本田さんが「一個だけですよ」って言ったときのうさぎさんのぱっと明るくなった顔はまんま子どもで。うまい棒握り締めて、嬉しそうにしてるのを見るとがっかりを通り越して、微笑ましい気持ちになってくるから不思議だ。…そんなうさぎさんが、本日はひとりでウチの店へとやって来た。

「いらっしゃいませ」

声を掛けると、うさぎさんは一瞬、驚いた顔をして俺を見て、慣れない感じにぴょこっと頭を下げると雑誌のコーナーに歩いていく。デニムのポケットから何やらメモを取り出し、うーんと眉を寄せる。その横顔が誰かに似ているなと思いながら、それが誰だった思い出そうと脳内の引き出しを漁っていると、視線に気付いたかうさぎさんが顔を上げ、俺とがっちり視線が合ってしまった。うわ、どうしよう…焦る俺にうさぎさんは接近してきた。
「あー、えーっと…」
うさぎさんは一瞬、逡巡するように眉を寄せる。それに俺は「なんでしょうか?」と口を開く。幸いなことに本田さんの知り合いは日本語が話せる。うさぎさんも本田さんとは日本語でやりとりし、日本語に該当する言葉が思い浮かばない時はドイツ語でやり取りしている。…どうして、ドイツ語で話してるのが解ったかって?…あんなガチガチに堅い言語はドイツ語しかない。無駄に言葉が中二病ぽくって格好いいし。ボールペン→クーゲルシュライバーとか。初めて聞いたとき、RPGの聖剣の名前かと俺は思った。
「…菊に、ジャンプ買ってきてくれって頼まれたんだけどよ、どれだか解んねぇんだ」
「ジャンプですか」
「うん」
こくんとうさぎさんが頷く。これって、はじめてのおつかいとか言うヤツですか?
「これだと思いますよ」
先、俺が平積みしたジャンプを一冊差し出すと、うさぎさんは受け取りじっと表紙を見やり、表紙にあるタイトルを小さく発音した。
「…じ、や、ん、ぷ」
小文字の「ゃ」が思い切り大文字の「や」だよ。…ってか、笑うより、可愛いと思ってしっまった。
「これだ。忍者の漫画が載ってるやつだよな?」
何だか嬉しそうな顔でうさぎさんが聞いてくる。
「そうですよ」
「Ich bin gut!」
俺が答えるとうさぎさんの口からドイツ語が飛び出すが、意味が解らないが多分、「よし!」とか「やった!」とか言う意味だろう。
「Danke!」
これはドイツ語解らない俺でも解る「ありがとう」だ。それに俺は「どういたしまして」と返すとレジに戻る。うさぎさんはジャンプを小脇に抱え、にこにこしながらデザートのコーナーへと移動し、そこで動かなくなった。真剣な顔をして、デザートを睨んでいる。うーんと迷うような顔をして、ばっと俺を振り返った。
「お前のおすすめ、何だ?」
「おすすめ…プレミアムあまおうのロールケーキ?…先、休憩時間に食べたんですが、生クリームの甘さは控えめでいちごの甘みと生地煮練り込まれたいちごのピューレの酸味がなかなかイケてましたよ」
「じゃあ、お前の言うのにする」
うさぎさん、本当にそれでいいのか。ザッハトルテを熱心にご覧になっていたようでしたが…。うさぎさんはロールケーキをふたつとジャンプをレジへと持ってきた。
「ありがとうございます。…お会計660円になります。スプーンはお付けしますか」
「いらない。袋もいい。これに入れてくれるか?」
うさぎさんはデニムのポケットから小さく折りたたんだエコバックを取り出した。
「ありがとうございます」
その袋は布製で何故か端っこにうさぎのアップリケがしてあった。…何、コレ、可愛いんですけど!!…心の中で叫びつつ、俺はそのエコバックにジャンプとロールケーキを入れた。
「…えーと、五百円玉と…」
うさぎさんはセーターの襟元を引っ張って、首から提げていたらしいお財布を引っ張る出てきたその財布の形に萌過ぎて、一瞬、死ぬかと思いました。って、言うか、叫びたい。

(何で、アンタ、マイメロ(赤いずきんの子うさぎちゃん)の顔のがまぶち財布下げてるんすかー!!)

色んなものを堪えつつ、俺は顔が引き攣りそうになっていたが冷静を装う。可愛いお財布からカウンターに小銭を並べ、ちらっと俺を上目遣いにうさぎさんは「あってる?」と言うように俺を見てきた。
「丁度、お預かりします」
俺がそう言うとほっとしたように赤い目が笑った。レシートを渡し、「ありがとうございました」と言葉を添える。それに、うさぎさんは「ダンケ」と言い掛けて、何故か片言な日本語で、

「ア、リガト」

と、にっこり笑って店を出て行かれました。…ちょっと、心臓にきました。あんな言動の可愛い外人さん(男、しかもちょいムキ)にときめくとか、なんなの?

 

本田さんのお友達は、某スレのネタにしてやりたいくらいに和むひとたちばかりです。





 


コンビニ強盗と亀甲縛り。

 

 本日、三時間前に起こったことの話をしたいと思う。…ってか、思い出すとまだドキドキする。まさか、まさかだ。コンビニ強盗がウチの店にも来るなんて誰が思うかよ!

 深夜二時、もっとも暇な時間。客の足も途絶えた頃、俺は欠伸を噛み殺しつつ、おでんの具や肉まんとか何とかを補充し、散らかった雑誌の棚を片付けてた。そこに帽子を目深に被り、真夜中だと言うのにサングラス、マスクをした男が入ってきた。
(強盗、だったりしてwwwwww)
冗談でそう思ってたら、マジで強盗だった。レジに入った俺にいきなりそいつは包丁突きつけてきた。
「金を出せ!!」
包丁突きつけられ、マジかよ!!と思いつつ、狼狽する俺。生憎、店長は仮眠取るっていって、上の階に上がってしまった。絶体絶命の大ピンチ。何か色々、テンパって防犯ブザー鳴らすのも忘れ、パニックってると、俺よりテンパってる強盗がカウンターに身を乗り出して来た。

「さっさと、金出せって言ってんだろうが!!」

男が怒鳴った瞬間、来店を知らせるチャイムが鳴った。反射的に入り口を見やるとそこにはいつも午後の紅茶のレモンティーに文句を言いつつ買っていかれる眉毛の凄いお客様とうさぎさん、本田さんが。…時間が一瞬止まったと思う。この状況を見て、動いたのはうさぎさんと眉毛さんだった。

 目にも留まらぬ速さで眉毛さんが男の包丁を持った手を蹴り上げ、男の背後に素早く回ったうさぎさんが男の腕を取り、羽交い締めにし、捻り上げ、床に沈めていた。その間、十秒経ったか経たないか。包丁が床を滑るのを見やり、俺は何が起こったのか解らず暫くぽかんとしていた。

「大丈夫ですか。怪我はありませんか?」

本田さんに話しかけられ、俺は我に返ってぶんぶん首を振った。
「…だ、大丈夫ス」
「そうですか、それは良かったです」
本田さんがほっこり笑う。それを見た眉毛さんが俺に、
「コイツ、縛るのねぇか?」
と聞いてきた。俺は事務所に入り、ビニール紐を取ってきて渡すと、眉毛さんはそれを強盗を床に押さえつけていたうさぎさんに投げた。
「ギルベルト、それで縛っとけ」
「おう。じゃあ、昔、菊にならった縛り方を試しってみっか!」
暴れる強盗の首に手刀を食らわせ、大人しくさせるとうさぎさんは嬉々として強盗を縛り出した。あれよあれよと言う間に強盗は縛り上げられた。

「菊、どうよ?」

満足げに息を吐いて、顔を上げたうさぎさん。その縛り方に太い眉を寄せる眉毛さん、はにかむ本田さん…。
(亀甲縛りを生で見るとはな…出来れば、おっさんじゃない方が良かったス)
思わず思う俺。
「何だ、この縛り方?」
「キッコウシバリって言うんだよな。昔、菊に教わった!」
眉毛さんの疑問に自慢げにドヤ顔で言ううさぎさん。それにぼっと顔を赤らめる本田さん。…うさぎさんと本田さんってどんな関係なんだと思ったが、口には出せない。…何だか、張り詰めていたものが一瞬にしてへにゃりと抜けた。

 その後は、寝てた店長起こして、警察に電話してと、色々大変だった。亀甲縛りされた強盗はそのまま駆けつけた警察に引き取られていった。お巡りさん、笑いを殺すのが大変そうだったよ。…あ、本田さんと眉毛さんとうさぎさんは騒がれたくないのでと、お買い物を普通にされて帰って行かれました。…それにしても、本田さんの友人って一体、何者なんだろうと小一時間考え込まずにはいられない俺だった…。





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無題
生で亀甲縛り…私もぜひ拝見したいです。
NONAMEさん / 2012/04/14(Sat) / 編集
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