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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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18 . January


…それが、俺様クオリティー。


そして、我が身を救うと。
多分、今までの話の中で一番浮いてる。

まったくえろくないのですが、R-15です。シモいので要注意。

兄の嗜好はごくごく普通。弟の嗜好はちょっと(ちょっとか!?)なお話。







拍手[37回]



 
 

「ドイツ、ボールペン借りるぜ~」


誰もいないと解っている部屋にプロイセンは話しかけるようにそう言い、整然と片付いたドイツの机のペン立てからボールペンを拝借する。ボールペンを片手にくるくる回しながら、部屋を出ようとしたら手元が狂った。

プロイセンの手元から転がり落ちたボールペンは、ころころと転がりベッドの下へと入り込んだ。

「俺様としたことが、手元が狂ったぜ」

ベッドの下に手を突っ込めば、何やらデカイ段ボール箱。それにによりとプロイセンは笑みを浮かべた。
「堅物な顔してても、お年頃だもんな。…で、アイツは何をオカズにしてるんだ?」
好奇心にごそりと引きずり出した箱の中身を見たプロイセンの表情は瞬時に硬化した。

「………マジかよ」

知ってたさ。
うん。知ってたぜ。俺様は。

お前のお兄様だし、今やお前の一部だし…。

お国柄ってヤツらしいしよ。でも、俺のもんだったときはこんな性癖なかったよな?…俺、超ノーマルだし。痛いの嫌だろ。セックスってのは普通にしても気持ちいいもんだろうが。…でもまあ、…イタリアちゃんからも訊いた事あったけど、お兄様はドン引きだぜ。

なんだって、こんなえげつないもの、在りがちにベッドの下に隠してんだよ。…っーか、普通のエロ本とかの方が俺もちょっと揶揄ったり出来たんだけど、コレはマジでいただけねぇよ。
 
 猿轡に麻縄、手枷、足枷、乗馬鞭…。…一世紀前の拷問器具じゃねぇか……。

んで、在り得ない太さのディルドに、バイブにローター…プラグとか、何に使うんだって、まあ、使用用途は子どもじゃねぇんだから、解るけどよ。ご婦人に無体なことさせてんじゃねぇだろうな?…まあ、ドイツも大人だし、犯罪になるようなことはしちゃいねぇと思うが心配だぜ。…ってか、口にするのも憚られるような内容のDVDは何だ?どんな顔して買ってんだよ。…そして、あの堅物真面目一辺倒の弟がどんな顔してこんなもの観てんだ。…っーか、パッケージ見て、お兄様はその場で卒倒するかと思いました。…今すぐ記憶失くしてぇよ。……あいつ、ゲイだったのか?…いや、そう言う偏見はないけどなないけどよ…。うわぁ…何か、色々残念すぎる。いい男なのに。何で、なんで何だ、ドイツ!!…がっつりむっちり…やめろ、俺、もう見るな。しまえ。…夢に出そうだ。マジで怖い。後、犬と絡むのは健全に散歩のときか、ドッグランだけにしとけ!!
 
「……今まで、俺は子育てに成功したと思ってた。イギリスのこと馬鹿にしてたけど、あのエロ大使に育てられた割にはアメリカは健全そうだしなぁ。ああ、俺、失敗したかもしれねぇ……」

早々と軍事訓練に参加させたのが悪かったのか、それとも躾が厳しすぎてこうなったしまったのか…。そういうところに自分が連れて行ってやれば良かったのか…色々とプロイセンは考えるが全てが手遅れな気がした。


プロイセンは何も見なかったことにし、元通りにそれをベッドの下に戻すと、拝借したボールペンを片手に部屋を出、くしゃみして即行、ドイツの部屋で見たいかがわしいものの事は見なかったことにした。
 
 
 
 
 

「兄さん、俺の部屋に入ったか?」

帰宅し着替えを済ませ降りてきたドイツに、リビングで小鳥を撫で繰り回していたプロイセンは顔を上げた。
「…ん?ああ、ボールペン、借りた」
「…それだけか?」
じっと見つめてくる青い瞳にプロイセンはかくりと首を傾げた。
「それだけだけど。ボールペン、使うのか?だったら、俺の部屋にあるぜ」
「…本当に?」
ヤケに念を押してくるなと思いつつ、昼間のことなどとうの昔に忘れてしまったプロイセンは眉間に皺を寄せるドイツをぽかんと見やる。

(…箱の位置が微妙にずれていたんだが、兄さんは見てないようだし、見たら絶対、俺を揶揄ってくるだろうしな…)

兄の様子にドイツは胸を撫で下ろす。…流石に、ひた隠しにしている自分の性癖を、この世の誰よりも愛している兄に知られたくはない。…そして、自分の頭の中で日々、この兄が痴態を晒していることを知られてしまったら、自分は死ぬしかない。

(…だが、)

知られてしまったら、巻き込んでしまえばいいのだと悪魔がドイツに囁く。

(…ああ、プライドの高いあなたが屈服し、俺に泣いて許しを請う…考えただけで、ゾクゾクする)

想像に身を震わせたドイツにプロイセンはぞわりと背筋が震えた。



「…ふえっくしょん!!」



悪寒にくしゃみをひとつ。プロイセンは襟元を手繰り寄せる。

(…何か、嫌なもんが背筋を走ったぜ。風邪か?)
 





忘れっぽさと鈍感さが珍しく我が身を救ったことに、気が付くはずもないプロイセンだった。
 
 
 




オワリ





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