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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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09 . April


公式でにょ普ktkr!!

お顔に傷、萌!親父に言われて、髪伸ばしたのかと妄想で更に萌!!
…隊長をまたもやフェチ野郎にしてしまったが、問題ないと思う。長髪は正義。

口調が判明していないので、いつもの兄さんな喋りがさらに乱暴者的な感じ。
…にょな意味ねぇな。…をい。






拍手[19回]




彼女はどこまでも美しく、勇ましく、果敢で、騎士で遥か高みの塔の上にいる姫君。

…姫君と言うには粗雑で乱暴者ではあったが、そんな彼女が姉であることが誇らしかったし、そのすべてをいつか手に入れたいと塔の下から眺めながら、ドイツはずっと願っていた。

「…あー、擽ってーし、邪魔」

腕の中、身じろいで寝返りと同時にばさりと顔に掛かった長く美しい銀糸を掴み、溜息をひとつ吐く。その髪を撫でるように梳き、頬に残る薄い傷跡を撫でれば、プロイセンは赤を瞬かせた。
「切っていいか?」
「駄目に決まってるだろう」
「…鬱陶しいんだけど。春だし、こう、バッサリとやればよ、気持ちも晴れやかになると思うんだけどよ」
「…首から風邪を引かれたら困る。駄目だ」
「引くか!…お前、ホント、過保護過ぎ」
銀糸を長く骨ばった指が梳く。するすると滑る髪の指ざわりにドイツは満足げに口元を緩める。放っておけば手入れもされず、石鹸で爪先から頭の先まで洗ってしまうような粗雑なことをする。美しい容姿にそぐわず大雑把な自分の姿形にこれっぽっちも興味のない姉を宥めすかし時には脅し、甘えて、するりと指を滑る銀色の糸の輝きを維持する為に労力を惜しむことなど出来ようか。…ずっと昔から、この姉の風に踊る銀糸を見るのが好きだった。その髪に思う存分、指を絡めたいと願ってきた。
「夏になったら、切っていいか?」
「駄目だ」
「何でだよ!…面倒臭いんだよ、ばっさばっさなるし、首周りとかうぜぇし。手入れ、大変だし、短い方が面倒なくて済むじゃねぇか。洗うのも一回で済むし、お前の言うエコになるだろ!」
「姉さんのこの髪が好きなんだ。切らないでくれ。面倒なら俺が洗ってやるし、ケアもする。…実際、そうしてるだろう?」
「そのついでに、風呂場でセクハラされてるけどな!」
「酷いな。スキンシップだろう?」
「スキンシップはこんないやらしい触り方しねぇよ!今日はもうしねぇぞ!」
ばしっと腰に回り、形の良い小さな尻を撫でたドイツの手のひらを容赦なく叩いて、プロイセンが威嚇する。その手を摩るドイツをプロイセンは睨み、溜息を吐いた。
「…たかが、髪だろ」
「たかがと言うが、あなたのこの銀糸は俺の中ではあなたを象徴するものだ」
荒くればかりが集まった一軍を率い、軽々と片手で銃を扱い、戦場を駆け抜け、翻る銀糸はプロイセンの象徴でその髪が前線に立つ兵士達の士気を高め、彼らはプロイセンを女神のように崇め、彼女の為に死ねることを良しとした。実際、姉は戦場では前線でも駐屯のキャンプの中でも誰からも慕われていたし、姉に看取られた兵士達はそれは安らかな顔をして地に還った。…その髪がばっさりと短く切られたのは、大戦後。…それから約四十年が過ぎ、再会を果たしたときにはプロイセンの髪は輝きを失い、油気のない乾いた、自分で切ったのか随分と雑な短髪になってしまっていた。それを、伸ばして欲しいと何度も何度も懇願し、隙あらばナイフでばっさりとやってしまおうとするプロイセンと何度となく喧嘩になったことを思い出し、ドイツは苦笑する。それに、プロイセンは眉を寄せた。
「何、笑ってんだ」
「…いや、いつから姉さんは折れてくれるようになったのかと思ってな」
「お前がしつこいからだろ。…半年も口利かないとか陰湿過ぎだろ!お姉様はそんな子に育てた覚えはねぇぞ!」
「あなたがいなくなってしまうから、悪いんだ」
勝手に自分で全てを背負い込んで、こちらには一言の相談もなしに、束になった銀糸を残して、東に行ってしまった。それをどれだけ、嘆き悲しみ、その髪を握り締め、この身を責めたか、プロイセンは知らないのだろう。
「…俺の所為かよ」
「…あなたの所為だ。…ずっと、おれのそばにいてくれ」
銀糸を梳いて、いつの時代に付いたかもドイツは知らない頬の傷に口付ける。女性の顔に傷は致命的でもあったが、その傷に誇りを持っているらしいプロイセンを愛しているし、その傷すら愛しいと思う。
「…このシスコンめ!…ま、俺もひとのこと言えねぇけどな」

 

「…Das Reich, das ich liebe」

 

小さな溜息をひとつ。手繰り寄せて手に入れた腕の中のラプンツェルはドイツの金糸を梳くと、額に口付けを落とした。

 

 

 






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