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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
04 . April
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16 . October


13腕:恋慕 (メリカ)

フランス兄ちゃんと絡めて、メリカ→兄さんなお話。

この話で通算200作目。よう、書いたわと自分でも驚くわ。








拍手[12回]



「ないものねだり」
 
 
 
 
 
 奇跡的に、仲が良い。
 
 どこも当たり前のように分断したり、仲違いし、数百年単位でいがみ合ってると言うのに、プロイセンとドイツは人の兄弟のように仲が良かった。一つの家に暮らし、寝食を共にし、喧嘩してもすぐに仲直りし、ひとつのものを分け合う事に躊躇いもない。
 家族のように思っていたイギリスとは気が付けば、修復不可能な溝が生まれ、今も遺恨が残る。そして隣国のカナダとはそこまで仲が良い訳ではない。
 
 右を見ても左を見ても、他の国々たちは何処か余所余所しく、何だか自分とは相容れない感じがする。
 
 なんて、自分は孤独なのだろう。
 
 身近に自分を理解し、励まし、力になってくれる兄弟が居て、ドイツが正直、羨ましい。プロイセンが自分の兄だったらとたまに妄想してしまう。
 
 商談で立ち寄ったフランスに一頻り、イギリスへの愚痴を吐いて、「プロイセンが俺の兄だったらよかったのに」と漏らせば、フランスは微妙な顔をして、アメリカを見やった。
「お前ねぇ、プロイセンが兄貴やってられるのは、ドイツだったからよ。ドイツ以外の誰かに、プロイセンの弟が務まるとは、お兄さんは思えないね」
「そんなことないよ!」
「いいや、あるね。プロイセンの育て方って、軍隊式のスパルタ教育だったもん。しかも、弟だからって一切の贔屓、妥協なし。寧ろ、厳しく当たり過ぎて虐待の一歩手前な感じ。ホント、ドイツが逃げ出さないのか不思議なくらいだったよ」
述懐するフランスにアメリカが口を尖らせれば、フランスは溜息を吐いた。
「ま、スパルタ式にやらないと、プロイセンには時間がなかったって言うのもあるけど。自分が消える前提での子育てだったし。それが解ってたから、ドイツも必死にプロイセンに付いて行こうとしてたんだろうけど」
「時間がなかったって、どう言う意味だい?」
フランスの言葉に引っかかりを覚えて問えば、出来の悪い子どもを見るような顔をしてアメリカを見やり、フランスは溜息を吐いた。
「ドイツ統一によって、プロイセンは国家としての役割をドイツへと移譲した。お前も国なら意味、解るでしょ?…でもまぁ、プロイセンの場合、成り立ちが特殊だったって言うのと、ドイツ自体が独立した領邦を多く抱えた国だったのと、ドイツ自身がプロイセンの消失を望まなかったって言うのが大きいのかね。…プロイセンは消えなくてすんだ」
そう言って、フランスは言葉を切った。
「短期間で欧州の大国に伸し上がり、その地位を安定させたと思ったら、突然現れた子どもに跡を譲れなんて言われて、はい、そーですか。…って、お前、頷ける?俺は無理。頷けない。巫山戯るなって思う。でも、プロイセンは「解った」って、頷いちゃったんだよ。誰から見ても、狂気の沙汰だよ。その子どもを王にするために手段は選ばず子どものためにすべてを捧げて、自身は疲弊して襤褸襤褸に擦り切れ果てる。プロイセンのドイツへの愛は、兄弟愛なんて生ちょろいものじゃないよ。一途で馬鹿みたいに後先も考えず己を犠牲にした重い愛。下手すりゃ、その重さで相手を潰す愛だ。その愛を受け止めて、同じ分だけ、ドイツのようにプロイセンに愛を返せる?それを、お前、出来る?イギリスの盲目的な愛を受け止めきれなかったお前がさ?…ないものねだりは身を滅ぼすよ」
言葉もなく、アメリカは黙りこむ。軽い気持ちで口にした言葉を全否定されて、憤りよりも孤独感に息が詰まりそうだ。
 
 自分はプロイセンに愛されたいのか?
 
それは違う気がする。ただ、対等でありたい。疲れた時に黙って、そばにいてくれるような、落ち込んだ時に励ましてくれるような、何も言わずとも解り合えるそんな関係が、イギリスとは築けなかった絆が欲しい。それを、プロイセンに自分は求めているのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
「変な顔してんな。イギリスのヤバイメシでも食ったのか?」
 
物思いに耽っていると、掠れた声が降ってきた。顔を上げれば、赤い目と視線が合った。
「…プロイセン」
自分を悩ます元凶が、茶封筒を片手にアメリカを見下ろしている。アメリカはハッと我に返って、青を瞬かせた。
「へ?あ、何で?何で、プロイセンがここにいるんだい?」
「ドイツの代理でお使い。今、EUで大変だからさ。あ、これ、目、通してサインくれ」
ズッと差し出された茶封筒。その茶封筒がばさりと床に落ちる。
「アメリカ?」
唐突なアメリカの行動に、大きく見開かれた赤。その赤をアメリカは見つめる。
(…君の弟に、俺はなりたいワケじゃないんだぞ。…だったら、この気持は何?)
「…どうしたよ?ん?」
その目が慈愛に緩む。気遣うように髪を撫でる手のひら。その手を掴む。両の手首を拘束して、その腕にアメリカは額を押し当てた。

 
 
『…きみが、すき…』
 


ないものねだりだと解っているから、声には出さない。それでもそっと、アメリカは唇を押し当て、目を閉じた。
 
 
 
 





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