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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
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03 . February



「まったく、何を考えているんでしょうか。あの、お馬鹿さんは!一週間、勝手も解らない部屋で目隠ししてひとりで過ごすなんて、危ないじゃないですか!」
「ですよね。(アイツ、オーストリアさんに心配かけるなんて許せないわ!!)」

馬鹿で寂しがり屋のクセに「一人楽しすぎるぜー!!」とか、本当に馬鹿じゃないの!!…一日一回、部屋に誰かが訪問って、それにどうして、オーストリアさんがアンタの所を訪ねないといけないのよ。アンタ、本当に何様なのよ!!あーもう、会ったらぎったんぎったんにしてやるわ。

制限時間は、一時間。

訪問してきたオーストリアさんと私を当てることが出来たなら、アイツの勝ち。
当てられなければ、オーストリアさんと私の勝ち。

勝った方の言うことをひとつだけ、どちらかが訊くと言うルールなのね。面白いじゃない。
 

さて、今日は木曜日。木曜日はオーストリアさんと、私、ハンガリー。

…プロイセンにお願い事ですか…。…特に何も思いつきませんねぇ…。

…今度のイベントの時に売り子でもさせようかしら。人手が足りないのよね。買い物行きたいし…黙ってれば、アイツも客寄せぐらいにはなるわよね。



 




拍手[17回]



 
 
 
 オーストリアとハンガリーは部屋の前に立つと、部屋の鍵を開けた。この部屋は外側からしか開けられない。ドアを開けるとプロイセンは何をするでもなく、窓の前に佇みボーっとしていた。それに思わずハンガリーは声を上げそうになって、慌てて自分の口を塞いだ。
プロイセンはくわぁと大きな欠伸をすると、ハンガリーとオーストリアがいると思わしき、方向へ顔を向けた。

「…来たな」

臨戦態勢…やる気を急に漲らせたプロイセンはニヤリと笑うとズカズカと正確に二人がいる場所を把握し、寄ってきた。それに反射的にハンガリーはどこから取り出したのかフライパンの柄を握る。それに気付いたのか否か、ぴたりとプロイセンはハンガリーの攻撃範囲外の位置で足を止めた。

「………」
「………」

声を発せず目の見えないプロイセンとハンガリーは睨みあう。じりっとハンガリーが間合いを詰めれば、その分、プロイセンも退く。緊迫したその横で二人を見ていたオーストリアはひとり手持ち無沙汰に辺りをきょろきょろと見回し、テーブルがあるのに気付くと持参してきたバケットから手製のレース編みの緻密で美しい見事なテーブルクロスを広げた。コーヒーカップを三つ。ケーキ皿を三枚、フォークとティースプーンをそれぞれ揃え、テーブルを整えると持参してきたこれまた手製のザッハトルテにナイフを入れ、切り分ける。そして、詰めてきたコーヒーをカップに注ぐ。

優雅にティータイムに入ったオーストリア。
未だ睨みあうプロイセンとハンガリー。

均衡を破ったのはプロイセンである。

「お前、ハンガリーだな!!そこで優雅に寛ぎ始めたのは、坊ちゃんだろ!!」

「何で、解るのよ!!」
「おや、見えないのに良く解りましたねぇ」

おっとりとオーストリアはプロイセンを見やる。
「お前のその物騒な気配が解らなかったら、生き残れないだろ!!俺様はまだ何もしてないぞ、その物騒なフライパン、仕舞え!!…っか、ザッハトルテのいい匂いするんだよ!!お前は気に食わないが、お前の作るザッハトルテはマジ、うめぇからな!!」
フライパンの柄を握り、殴りに行く体勢まで見抜いたいたのか。オーストリアがいる手前、地が出ないようにと苦心して、ハンガリーはぐっとプロイセンをぶん殴りたい衝動を押さえ込み、フライパンを仕舞う。それが解ったのか、プロイセンはほっとしたような顔をした。
「ふたりとも、コーヒーが冷めてしまいますよ」
「お!気が利くな坊ちゃん!」
嬉々とした声を上げ、ザッハトルテに喜ぶプロイセンにオーストリアは少しだけ目を細め、手にしていたカップを戻し、立ち上がると徐にプロイセンの手を取った。
 
「な、何だよ?!」

「見えないのでしょう?こけられては困りますので」
「慣れたし、こけたりなんかしねぇよ!!」
(流石、オーストリアさん、優しい!!あ、でも、なんか、萌!!…次の新刊のネタ、オーストリアさん×プロイセンって、良くないちょっとコレ、すごく萌るんだけど!!…この際、オーストリアさんの相手がアイツってのが気にいらないけど目を瞑るとして。日本に新刊の相談しなきゃ!!)

ぶつぶつとプロイセンは文句を言ったが、オーストリアは気に留めるでもなくプロイセンを椅子に座らせ、部屋の端に置かれた予備の椅子を持ってくると、妄想の渦中にいるハンガリーに声を掛ける。三人はテーブルへと着いた。
 


 

「それでは、お茶にしましょうか」
 
 





≫金曜日に続く。
 





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