本家様のシーラトをダウンロードさせて頂いたのですが、露様とプーの出現率、パねぇ。…感じです。しかも、最後には露様は脅して、お戻りになるし…。…怖いよ…。
んなんで、何となく、露様とプーの寒いお話。
ドイツが手紙読んでたら、速効、壁を壊しにいくに違いないよ。
後、もう少し色っぽい話になるはずだったのにウチのプーは騒ぐ為、無理だったぜ。
[23回]
親愛なる俺の可愛い弟へ
今日もお兄様はマジカッコ良かった!…んで、馬車馬のように働かされ、へとへとになって床に着いたぜ。体調はイマイチだが、風邪は引いてねぇ。日頃の鍛錬の賜物だな。流石、俺!!
…てか、訊いてくれ。最近、シロクマに懐かれて困ってる。懐かれんのはサモエドのユーリーだけで充分だっての!そして、そのシロクマ、毎日のように添い寝をせがんでくる。最初は寒いし、一緒に寝れば温まるかと思ったんだがよ、逆に体温奪われるし、寒くて一睡も出来やしねぇ。
どうしたら、いいと思う?
真夜中、小さな軋みの音に目を開く。廊下から漏れる薄明かりが黒い影を照らす。それにプロイセンは目を眇めた。
「………プロイセン君、起きてる?」
小さな声がそう問う。プロイセンは寝たフリを続けようかどうか逡巡し、口を開く。
「…寝てる」
それに小さく笑い、影は部屋の中へと入って来るとドアを閉めた。
「今夜も冷えるね」
「そうだな」
「すごく寒いね」
「そうだな」
「足がすごく冷たいんだ」
「風呂に入れ」
「手もとても冷たいんだ」
「暖炉に当たって来い」
「プロイセン君、寒くない?」
「寒い」
「温かくなりたくない?」
ちょっとの間をおいて、ロシアが言う。プロイセンは溜息を吐いた。
「添い寝なら、余所当たれよ。お前、マジで冷たいんだよ!根こそぎ俺の体温奪って行きやがって!お前、俺を凍え死なす気か!」
「酷いよ!そんなことする訳ないじゃない!仕方ないでしょ!僕、冷え性なんだもん!!」
「冷え性なんてレベルじゃねぇ!!氷塊抱いて寝てんのかと思ったぜ!添い寝は御免だ!余所当たれ!」
思い出しただけでも身体が震える。プロイセンはブランケットを頭まで引き上げ、寝返りを打った。
「えー、やだよ!プロイセン君、一緒に寝てよ!!」
「…っ!!嫌だって、言ってんだろうが!!あ、コラ、てめぇ、入ってくんな!!」
ロシアは実力行使に踏み切る。ベッドの中に進入してきた冷気にプロイセンは鳥肌を立て、薄いブランケットを引っ張るが、遅かった。ぎゅうっとロシアに身体を抱きこまれ、蓄えていた体温は瞬時に奪われていく。
「あは、プロイセン君、あったかーい」
「うお!抱きつくな!!…っ、冷てぇ!!」
ひんやりとロシアの身体は冷たく、触れた先から冷えていく。普通、抱き合えばそこから生まれるのは熱の筈だが、何故か冷気だ。プロイセンはカタカタと奥歯を震わせ、ロシアの腕から逃れようと腕を突っ張った。
「俺ッ様ッか、らッ、離、れ、や、がれ~ッ!!」
「嫌だよ。あー、プロイセン君、温かい~」
ぎゅうっと引き寄せられて、身動きもとれない。ぎぎぎっとプロイセンはロシアの腕から逃げようと足掻くがロシアはびくりともしない。プロイセンはぜーはー息を吐き、試みるも無駄な抵抗を諦めるとスンっと小さく鼻を啜った。
「…もー、何なんだよ。てめぇは…」
呟きに返ってくるのは寝息である。プロイセンは溜息を吐き、ブランケットを引き寄せ、目を閉じるがあまりの冷たさに眠れそうもなかった。
…たく、とんでもないシロクマに懐かれちまったぜ。
小さいお前に添い寝してやってた頃が懐かしいぜ。お前は温かかったもんなぁ。おまけに小さくて可愛かったし、いい匂いするし…。
早く、お前のところに帰りたいぜ。帰ったら、俺様、絶対イタリア行くぜ。勿論、お前も来るよな?
取り敢えず、お兄様は今日も何とか生きてます。だから、心配すんなよな!…あー、でもちょっとくらいは心配してくれていいんだぜ?
カッコいいお兄様より、モスクワより愛をこめて。