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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
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12 . February


爺、誕生日おめでとう!…すみません、一日遅れです。

そして、タイトルは私のぼやきであります。
日普、日普だって言い張るぞ!!

…って言うか、出来ているようです。…ドイツ、露様より恋人同士な設定って!!







拍手[26回]





明日は日本の誕生日…らしい。…ってか、アイツ、一体、何歳なんだよ?軽く、二千歳は超えてるよな?…アジアって、中国もだけど妙に若作りってか、童顔だよな。…ま、そんなことはどうでもいいんだけどよ。
 
「お前、何が欲しいんだ?先に言っとくが、俺、金、あんま持ってねぇから、高いもんは贈れねぇぞ」

遠まわしに訊くのも面倒だ。細かなことに気が回るような性格じゃないのは承知しているので、単刀直入にプロイセンは切り出す。日本はぽかんとした顔でプロイセンを見上げた。…ちなみにここは国際会議場の控え室だ。

何で、プロイセンがそんなところにいるのかと言うと、弟ドイツの多忙振りを見かねて、仕事をちょっとだけ手伝ってやってるからだ。
(…後、まあ、何だ…日本が来るって言うから、顔、見たくて、無理言って、付いてきたんだけどな)

「いきなり、何ですか?」
「明日、お前、誕生日なんだろ?」
「…誕生日と言うか、建国記念日…ですけど」

日本は視線を伏せる。それをプロイセンは追う。艶のある黒髪。切り揃えられた前髪に隠れた目を覆う目蓋を縁取る睫毛は長く、白い頬に影を落とす。
(…年寄りに全然、見えねぇんだよな。…夜も結構…アレだしな…)
ゆっくりと上目遣いに日本の視線が上がる。それをプロイセンは見つめ返した。
「気を遣って頂く程、大層な日じゃないんですよ。…私もいい歳した爺ですしね。祝われても喜ぶ歳でもないですし…」
「爺のクセに遠慮すんじゃねぇよ」
日本の黒髪がさらりと指触りの良いことを知っているプロイセンはくしゃくしゃと日本の頭を撫で回す。撫で回された日本は困ったような満更でもないような顔をして、プロイセンを見上げた。
「…では、師匠、ひとつだけお願いごとを訊いて頂いても?」
遠慮なくと、絡むような視線で嫣然と日本は老獪さを滲ませた笑みを浮かべ、プロイセンを見つめる。日本のような楚々としていて腹の内では何を考えているか解らないタイプとのお付き合いなど生憎ながら自分の乏しい経験の中でも初めてで、対処のマニュアルなどあるはずもない。まあ、それが面白くもあるのだが、どうせ、お願い事とは碌でもないことだろう。しかし、言い出したのはこちらであるのでプロイセンはどの道訊かざる得ないのだが身構えてしまう。
「そんなに警戒しなくても、師匠が考えているようなことではないですよ?」
こちらの警戒を見透かして、日本が笑う。プロイセンは図星を指され、眉間に皺を寄せた。それにくつりと日本は声を上げた。
「じゃあ、何だよ?」
「何かを言う前に確認させてください。明日、私、お仕事お休みなんです。師匠は?」
「俺様は年中、休日だっての!嫌味か、お前」
「これは失礼。最近、ドイツさんのお手伝いをされていると伺いましたので、念の為」
…食えねえ奴。…プロイセンは眉間に皺を増やし、日本を睨む。日本はにこにこと笑っている。…それが何だか腹立たしくなってくる。
「明日は休みだ。ヴェストにも前以て断ってある」
ふいっと視線を逸らして、プロイセンは言った。
「…それは、私の為だと曲解しても?」
抑えようとして失敗したらしい弾んだ声がスーツの裾を掴む。それにプロイセンは視線を落とし、日本を見やった。
「していいんじゃねぇの?」
「…それは、重畳。…では、お願い事を訊いて頂けますか?」
しっとりと潤んだ黒い瞳が子どものように期待にきらきらしている。…俺に本を読んで欲しいとせがんできた小さい頃のドイツの姿にそれが重なる。…上目遣い…下から、見上げられるのにどうも自分は弱い。
「…何だよ?」
素っ気無く口を開けば、気分を害した風でもなく日本はプロイセンを強請るように見上げた。
「明日は一日、一緒にいてください」
「…そんなんでいいのか?」
「それで充分です。明日一日、…日付が変わるまで」
「…ベッドの中で…とか、言わないよな?」
「師匠がお望みでしたら、頑張りますけど?」
「……いや、頑張らなくていいし」
「…それは、残念。…でもまあ、今、こうして、一緒にいるだけでも満たされていますから…」
珍しくそっと指を絡めてきた日本にどきっとしつつ、プロイセンはその手を握り返す。…ベッドの上で睦みあうのもいいが、やっぱりこんな些細な触れ合いの方がひどく、心が満たされる。

「…日本」

「何ですか?」
頬を撫でて、触れるだけのキスを落とす。それに日本は物足りげな顔でプロイセンを見やる。

「んな、顔すんな!」
「しますよ!師匠から、キスしてくれたのって初めてじゃないですか!もう一回!!」
「しねぇ!…っか、袖引っ張るな!!」
「ああ、悔しい!!今すぐ、身長が欲しい!!来い、成長期!!そうしたら、簡単にキス、師匠に出来るのに!」
「何、お前、無茶苦茶言ってんだ!…ってか、お前、キスもハグも苦手なくせに…」
「好きなひとにしてもらうのは平気に決まってますよ!そんなことも解らないんですか!」

日本の放った言葉にプロイセンの頬はかあっと赤く染まっていく。それに日本は呆気に取られたような顔でプロイセンを見つめた。プロイセンは口元を隠すとふいっと顔を背けた。

「…師匠、その顔は卑怯ですよ」
「…うるせー」
「…寝かせたくなくなるじゃないですか」
「…エロいこと言うな!」

…ああ、本当にもう…。プロイセンは日本に向き直ると少しだけ膝を落とした。それに日本は唇を不満げに尖らせつつ、プロイセンの頬に触れた。
 



 
 
「寝かせてあげませんよ。本当にもう…」
「…誕生日に免じて、許してやるぜ」
 


 
 

オワレ…。





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