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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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07 . June


テキスト消失から書けども書けども進まず終わらずだったんですが、やっと完結。…親分、更新してから一年過ぎてるとか…時間が経つのは早い。

ウチの兄さんと露様は割りと仲が悪くはないようです。弟属性に弱いのはお兄ちゃんだからなのか。そのうち、アメリカとも兄さんを絡ませてみたいな。

後半に隊長出て来ます。…隊長はいつもながらに通常営業だぜ。






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 屋敷は既に人気が無く、バルト三国とウクライナとベラルーシと…夕食を共にした食堂の暖炉の前の椅子に座り、ロシアは物思いに耽る。それに気付いたプロイセンは鞄ひとつに纏めた荷物を手に、足を止めた。
 
「火も入ってない、暖炉の前で何やってんだよ?」
 
「あ、プロイセン君」
声を掛ければ、視線を上げたロシアが笑う。
「ちょっとね。みんなでよく一緒にここでご飯食べたよなーって、思って」
「そうだったな。ウクライナの作るボルシチは美味かったな」
「うん。美味しかったよね。…もう、姉さんの手料理を皆で食べることなんて出来なくなるだろうけど…」
ぽつりと言葉を落として、ロシアは水道管の蛇口を弄る。それをプロイセンは見やった。
「…ウクライナがお前の姉ちゃんだって言うことはずっと変わりはねぇんだ。いつかまた、時間が経てば仲良くやっていける日も来るだろ」
ロシアの背中にそうプロイセンは言葉を掛けた。
「…うん。そうだね。……プロイセン君」
「何だよ?」
顔を上げたロシアにプロイセンは視線をくれる。ロシアはそっとプロイセンへと手のひらを伸ばし、左胸へと触れた。
 
「…ごめんね。君の心臓、返してあげられなくて」
 
その言葉にプロイセンは赤を細める。ロシアはぎゅっとプロイセンのコートを掴んだ。
「…仕方ねぇだろ。俺達の意思だけではどうにもならない。…俺とお前はまだ繋がってる。…向こうが落ち着けば、俺、お前のところに戻って来るかもしれねぇし…」
「…君は帰ってなんか来ないよ。僕のこと、嫌いだもの」
「…前にも言ったけど、お前自身のことはそんなに嫌いじゃねぇよ。お前の国は寒いから嫌いだけどな」
「…そう、君は言ってくれるけれど、好きでもないんでしょ。…僕が一番じゃない。僕はずっと、君の一番になりたかった。…君がずっと、僕のそばにいてくれたら…僕はそれでいいのに、君はやっぱり、彼のところに戻るんだ…」
薄い胸にぐりぐりと額を擦り付ける。甘えられるのも我儘を言えるのもプロイセンだけだった。文句を言いながらも、ずっと一緒に居てくれた。願いが叶って手に入れた「兄」のような存在が、今日、ここを去っていく。
「…お前には感謝してるんだぜ。お前があの壁を作ってなかったら、俺はあのままくたばってたかもしれねぇし、色々、あったけどよ。悪いことばかりじゃなかった」
髪を梳いた指先に顔を上げれば、思いのほかプロイセンはやさしい穏やかな顔をして自分を見つめていた。
「…プロイセン君…」
「お前、一度も俺を「東ドイツ」って、最後まで呼ばなかったな。…お陰で俺はまだ「プロイセン」でいられる。…ありがとう」
顔を上げたロシアの頬をプロイセンは撫でる。ソ連国内も自国同様ごたついてる所為か、ロシアの顔色は悪かった。
「…君に「プロイセン」以外の名前なんて、滑稽なだけだよ。僕がずっと好きだったのは欲しかったのは「プロイセン」な君だったんだもの」
それにプロイセンは笑うと、ロシアの前髪を掻き上げ、口付けを落とした。
 
「…これから、お前も大変だと思うけどよ。頑張れよ?」
 
「…君の方が大変だと思うよ。…でも、ありがとう。弟君が嫌になったら、いつでも僕のところに帰って来ていいからね?」
「…ビールとヴルストに飽きたら考えてやるよ。…でもまあ、その前にくたばるかもしれないけどな」
 
プロイセンはロシアの腕から逃れると、背を向けた。
 
 
「До свидания.」
 
 
手をひらひらと振ったプロイセンの足音が遠ざかって行くの耳に、ロシアははっと小さく笑った。
 
「こんなときにだけ、酷いよ。僕ん家の言葉で「さよなら」なんて」
 
ロシアはそっとプロイセンに触れていた手のひらを自分の胸に押し当てる。
 
「きっと、君は「さよなら」なんて出来ないよ。…君は知らないだろうけれど、ずっと、ドイツ君は君が帰ってくるのを待ってたんだから…。君と生きることを、やり直すことを望んでるんだ…」
 
嵐がもう直ぐ、この国を覆う。その嵐が去った後、もう一度、プロイセンに会いたいと思う。…ロシアは顔を上げると、もう誰も戻ることの無い屋敷を後にした。
 
 
 
 
 
 
 
「…っあ、」 
 
少し眠ってしまったらしい。浅い懐かしい夢を見た。目を開けると、夜が明けたのか白む光が機内に入ってくる。隣を見やればプロイセンはじっと外を見ていた。
「…おはよう」
「…あ? おはよ」
ロシアに気付いて、視線を返した来たプロイセンは赤い目を細める。
「雪は止んだみてぇだが、外に出るのは危なさそうだ。雪山な装備なんて、お前も俺もしてぇねぇし」
「…僕は平気だけど、プロイセン君には厳しいかもね」
すっかり冬の凍てつく寒さに慣れた身にはこの寒さは常温にしか感じられない。冷たさに感覚が麻痺してしまっていた。
「…ホント、お前んとこは寒いから嫌いだぜ」
南方で生まれ、乾いた夜の冷たさには慣れてはいても、この体の芯から冷えてゆく寒さには馴染みようもない。プロイセンは白い吐息をひとつ落とした。
「…温かいところがあれば、君は僕を好きになってくれた?」
身体の大半を占めるのは凍土だ。その冷たさから逃れる為に、只管、自分は南へ活路を見出そうとしていた。でも、それは叶わずにいる。いつだって、欲しかった燦燦と照る太陽の眩しい光が、温もりが。その恵みを受けることは出来はしない。太陽に焦がれ、その軌跡を追う向日葵のように、熱に焦がれているのだ。
「…お前の国は嫌いだが、お前自身はそんなに嫌いじゃねぇって、前にも言っただろ。…ってか、温かいとこって、何だ、ソレ?…そんなもんあっても、なくても、好きになったり、嫌いになったり、今更しねぇよ。何年、てめぇと、顔つき合わせて、付き合って来たと思ってんだ。…てめぇは本当に馬鹿だな」
初めて会ったときから、一緒に過ごした四十年を経ても、プロイセンの自分に対する態度は変わることがない。ただ、少しだけ、親しみを持って…、何と言うか出来の悪い弟を見るような顔をして、プロイセンは悪態を返して来るようになった。
「…君は、初めて会ったときから全然、変わらないねぇ…」
態度だけは従順に見せて、目だけはそれを裏切る。それを気付かせない。心を許した相手にはとことん甘く、お人好しだ。ハンガリーに故意に八つ当たりされてるのを何度か見たし、ウクライナのつまらなに相談事に良く乗ってやっていた。リトアニアとは古い顔馴染みらしく、最初こそぎくしゃくしていたものの仲良くやっていたようだ。エストニアとは真面目に仕事の話をしていた。何だかんだ面倒見が良く、仕事の手際の悪いラトビアをフォローしてやっていたし、自分に対して文句を言いつつも、いつも付き合ってくれるのはプロイセンだけだった。
「てめぇもな。…あー、腹、減ったぜ。何か、食いモン積んでねぇのかよ」
フンっと鼻を鳴らして、プロイセンがごそりと身じろぐ。それと同時に冷たさを感じる。身を寄せ合うようにくっついていたらしい。左側がまだほのかに温かい。ロシアは視線を伏せた。
(…根本的にやさしいんだよね。プロイセン君は…)
本人はそれを否定するし、見掛けからそうは見えないが、頼られるとプロイセンは弱いのだ。
「お、そーいや、ヴェストから…」
何かを思い出したのかプロイセンが自分の鞄を漁り始めた。そして、何かを取り出すと歓喜に笑んだ。
「出かけにチョコレートせしめたの忘れてたぜ」
製菓用らしい大きな板チョコを引っ張り出し、包み紙と銀紙を剥いてぱきりと割った一片をまた割って、そのかけらをプロイセンは寄越してくる。
「いつ救助来るか解らねぇから、ちょっとだけな」
「うん。ありがと」
不恰好なそれでも大きなかけらをプロイセンはロシアに渡してくる。それを見て、ロシアは嬉しいのに泣きたいような気持ちになる。昔、姉が自分に食べ物を分けてくれたときと同じ。いつも姉は少ない方を、そして多いものを自分へと彼女は渡してくれた。
「おー、うめぇ。空きっ腹に染みるぜ」
味わうように舌の上で欠片を転がして、暫く、口に残る甘さを惜しむ。手にしたチョコレートを見つめたまま動かないロシアにプロイセンは視線をくれた。
「食わないのか?」
「食べるよ。…ドイツ君とこのチョコレート、おいしいね」
「だろ。…さて、外も明るくなって来たし、もう一回、無線弄ってみるか」
毛布を羽織ったまま、操縦席に移動していく。工具を取り出し、プロイセンは無線の配線を弄り始める。それをロシアは見つめ、膝を抱えた。
 
 
 
 
 プロイセンは黙々と作業に集中している。それをロシアは静かに眺める。時折、ガタガタと風で機体が揺れるが苦にもしていない。ひとつのことに集中すれば、プロイセンは周りが見えなくなる。今置かれているこの状況も、自分がいることも忘れてしまっているのだろう。日は既に西に傾き、斜陽が差し込む。気が付けばもう夕刻になろうとしていた。その間、プロイセンは口を利くこともなく、ただ、手元にだけ集中している。一緒にいるのに、ロシアは孤独を感じる。その孤独をプロイセンは意識しているのだろうか?…ロシアは口を開く。その瞬間、耳障りなノイズが機内に響いた。
 
「プロイ…」

ピー、ガガッ…ピーッ、ガガッ…、

「こちら、シェレメーチエヴォ空港管制室、……応答せよ!」
 
「…繋がった!!」
 
プロイセンがマイクを掴み、喋り始める。
「…こちら、ミンスク第一空港から飛び立ったAn-124だ。燃料切れで、雪原に不時着したが、翼が折れた。乗員二名。イヴァン・ブラギンスキ、ギルベルト・バイルシュミットは幸いなことに怪我はなしだ。雪で身動きが取れない。救助を要請したい」
「了解。墜落位置は把握出来ているか?」
「…いや。多分、ベラルーシとの国境付近だと思う」
「了解。確認する。無線を切らないで、待機するように」
「了解」
 
短いやり取りを交わし、プロイセンはほうっと息を吐いた。
 
「俺様、やっぱ、天才だな!ってか、神様は俺を見放してなんかなかったぜ!!」
自画自賛に満面の笑みを浮かべ、プロイセンはロシアの肩をバシバシと叩く。…痛い。
「プロイセン君、痛いよ」
「わりい。助かると思ったら、興奮しちまってよ!」
血色の悪かったプロイセンの白い頬が興奮で赤く染まっている。それをロシアは見やる。
 
ピー、ガガッ…ピーッ、ガガッ…、
 
「An-124、応答せよ!」
「こちら、An-124」
「そちらには、ギルベルト・バイルシュミット氏の行方についてカリーニングラードドイツ総領事館から、政府に問い合わせがあり、現在、当国家殿と共に消息不明と解り、捜索隊が編成され、既に向かっている。支障がなくば、その場所での待機をお願いする」
「了解。捜索隊が来るのはいつになりそうだ?」
「早くて、明け方になりそうだ」
「了解。ここで、救助を待つ」
「国家殿をよろしく頼む」
「了解。任せとけ!」
管制官との短いやり取りに無線を切って、プロイセンはロシアを振り返った。
 
「明日の朝だとよ。もう一晩、お前と逃避行続行か。しかし、本当に最悪な逃避行だな」
 
「そう?…僕は結構、楽しいけど。…君と一緒に夜を過ごすなんて本当、何年ぶりかなって感じだし」
「誤解を招くような言い回しするな。添い寝してただけだろ!」
「君は全力で嫌がってくれたよね。…ふふ、面白かったなぁ」
「…お前、ひとを凍死させかけといいて面白かっただ?…ほんと、最悪!!」
ぶすりと頬を膨らませたものの、プロイセンの機嫌はいい。助かる見通しが立ったからだろう。
「…はー、安心したら腹減ったぜ。明日には救助来るし、チョコ食っちまうか!」
食べかけのチョコレートを取り出し、プロイセンは半分に割ると片割れをロシアへと差し出した。
「食え」
「ありがと。…ねぇ、プロイセン君、ウオットカ、飲んでもいいかな?」
「ダメに決まってるだろ!何で、てめぇはそう飲みたがるんだ?肝臓壊すぞ!」
「ウオットカは命の水だよ。後、国民性だから仕方ないよ。プロイセン君だって、ビールは命の水だって言ってたじゃない」
「俺はお前みたいに毎日、飲酒してねぇ!俺が見てる間は飲ませねぇからな!ってか、チョコ食って大人しく寝ろ!」
じろりと睨まれては飲酒は無理なようだ。ロシアはひとつ溜息を落とす。
「プロイセン君ってさ、」
「何だよ」
「マーマみたいだよね」
「てめぇみたいな飲んだくれの息子なんかいらねぇよ!」
まったく、次から次に言葉が帰ってくる相手も自分の周りではプロイセンだけだ。ロシアはにっこりと笑う。それに、プロイセンは眉を顰めた。
「急にニコニコしやがって、何だ?」
「ううん。…君をドイツ君とこに返したくないなって。…ねぇ、いつ、プロイセン君はビールとヴルストに飽きてくれるのかな?」
「飽きねぇよ。お前のウオットカと一緒で、ゲルマンのソウルフードだからな」
「そう思ってくれてるんだったら、飲んでもいい?」
「駄目に決まってるだろうが!」
こんな口喧しいマーマはやっぱりゴメンだ。ウオットカが自由に飲めなかったら、息が詰まって死んでしまいそうだ。
「やっぱり、プロイセン君帰っていいよ。口喧しいマーマならいらないよ」
「口喧しくて悪かったな!言われるのが嫌なら、たまには禁酒しろ」
「そんなことしたら、死んじゃうよ」
「死なねぇよ!」
この乱雑な口の訊き方は何が遭っても変わらないのだろう。それにほっとする。
「…君がくたばらなくて良かったよ。僕に説教してくる変わり者って、君ぐらいだし」
「くたばりぞこないで悪かったな。ってか、俺、お前の顔見る度に説教垂れてる気がするぜ。…ヴェストの説教癖が移ったのか?」
うーんと唸るプロイセンを見やり、ロシアはチョコレートを齧る。口の中に広がる甘さが舌に融けて広がる。
 
 
 
 嵐が去って、また、こうして君と話すことが出来るのって、幸せなことだよね。
 
 
 
あの額に落とされた口付けと、彼にしては珍しくやさしい言葉に随分と救われた。
ドイツの元へと戻り、二度と顔を合わせることなどないと思っていたプロイセンが、ひょっこりと自分の元へ訪れたとき、プロイセンは相変わらずで何一つ変わっていなかった。それに、ロシアはまた救われたのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「兄さん!!」
 
明け方、風の吹く音に混じり何やら外が騒がしい。それに目を開けたプロイセンが小型機のドアへと近寄れば、バンッと鋼鉄のドアが吹っ飛び、プロイセンは目を見開き固まった。入ってくる冷気に一気に身体が冷える。状況判断に動き始めた頭もその冷たさに回転が一時停止する。その次の瞬間、太く逞しい腕が伸びてきて、固まったプロイセンを引き寄せた。
 
「兄さん、無事で良かった!!」
 
重装備に身を固めたドイツにむぎゅりと抱き締められ、プロイセンは悲鳴を上げた。
「ぬぐあっ!!!……ヴェスト、骨、折れる!苦しいっ!!」
緩んだ腕から顔を上げれば、プロイセンが愛して止まない可愛い弟ドイツがそこにいて、その弟は心配そうにプロイセンを見つめた。
「む、すまん。兄さん、大丈夫か?」
「…ああ。…はあ、死ぬかと思ったぜ。…ってか、何でお前、ここにいんだ?」
「あなたがいつまで経っても帰ると言った時間に帰宅しないからだろう!総領事館に問い合わせれば、あなたは仕事を終え、既にベルリンに向かう列車に乗ったと言うが、到着時刻に駅に迎えにいっても降りてこないし、駅に問い合わせれば、乗っていない言う。…俺がどれだけ心配したか…」
じわっと青を潤ませたドイツにプロイセンはあたふたと慌て、困り果てて溜息を吐くとぎゅうっとドイツを抱き締め返した。
「…悪かったよ。直ぐ済む用事のはずだったんだ。ちょっと、ロシアがベラルーシんとこ行くのひとりじゃ怖いって言うからよ…」
「…連絡ぐらいいれてくれ。…ロシアとどこかにいったと解ったときにはロシアに拉致されたのかと…」
「んー。まあ、拉致ぽかったけど…な…。心配かけて、ごめんな?」
ぽんぽんと安心させるようにプロイセンはドイツの肩を叩いた。麗しい兄弟の再会のやりとりを眺め、ロシアは口を開いた。
 
「…本当に君たちは仲がいいよねぇ。イギリス君が妬いちゃうよ?」
 
「羨ましいだろ!」
ロシアの言葉に振り返り、プロイセンはそう返して、笑う。
「ちょっとだけね。…ドイツ君、ごめんね。プロイセン君、巻き込んじゃって」
「……まったくだ。無事だったから良かったが。……次はないと思え」
じんわりと威圧感と牽制を込めた冷たい青がロシアを睨む。まったく持ってこの弟も相変わらずな感じに独占欲が強い。だから、意地悪をしたくなるのだ。ロシアはおっとりとした笑みを返す。それにドイツの眉間の皺が増えるのを見やり、プロイセンは溜息を吐いた。
「ヴェスト」
諌める声に不服そうな顔をしたものの、ドイツは鬱屈を逃すように息を吐く。
「…帰るぞ。兄さん」
「おう。…ロシア、」
腕を掴まれ引きずられるように機体を出る。プロイセンはロシアを振り返った。
 
「またな!」
 
その言葉にロシアは目を開く。ドイツが嫌そうに顔を歪めるのを宥め、プロイセンは笑った。
 
「うん。またね」
 
「さよなら」ではなく「またな」と言う言葉が、ロシアの冷たい心臓にじんわりと熱を持たせる。
 
 
僕と君は家族でもない。友達でもないけれど、確かに繋がっている。
 
 
ロシアの感じていた孤独感は少しだけ薄れて、ふわりと心は満たされるのだった。
 
 
 
 
 

オワレ





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