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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
20 . May
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09 . March


砂糖とミルクを入れ過ぎた。


大丈夫、俺は甘党だ。→このまま進む。
いや、俺は辛党だ。→ブラウザバックor窓を閉める。








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「お、お帰り。早かったな」
 

アイスのカップを手にスプーンを咥えたプロイセンがリビングに入った来たドイツに気付き、視線を上げる。ドイツは無言で抱えていたコートと鞄を…ドイツにしては珍しく…投げ出した。それにぽかんとするプロイセンにドイツはつかつかと歩み寄ると、荷物を担ぐようにプロイセンを肩へと担いだ。
「お、おええええっ!?」
担がれたプロイセンは取り敢えず手にしていたアイスのカップを落とさぬようにしっかりと掴み、移動を始めたドイツにどう文句を言ってやろうかと口を開きかけて、只ならぬ様子に口を閉じた。そして、ドイツの部屋…俺はどこぞの姫君か!…な感じに、ベッドの上、そろりと恭しく下ろされプロイセンはどうしたもんかとドイツを見上げる。ドイツは深い息を吐くと、プロイセンを抱き締め、その胸に顔を埋めた。
「…どーした?ヴェスト?」
唐突な行動に少々頭は混乱気味だがドイツの行動には必ず意味がある。そして、冷え性気味な身体にドイツの体温は酷く心地良い。ちょいちょいっときれいに後ろに撫で付けられた髪を乱して、プロイセンはドイツの耳の後ろを撫で、こめかみにキスを落とす。それにずりずりとドイツがうすぺらい胸に懐く。その所為でごりごりと肋が悲鳴を上げて軋んだ。
「おいおい、俺のぺったんこな胸に顔埋めても仕方ないだろうが。痛ぇって。埋めたいならハンガリーかウクライナにでも頼めよ」
「…兄さんがいい」
それにそう返事が返って来て、プロイセンはどんな顔をすればいいのか解らず、眉を寄せ、息を吐いた。
「…どうした?」
見た目に反して柔らかい金の髪を痛くないように加減して引けば、ドイツはやっと顔を上げた。

「…疲れた」

珍しく、ぽつりとそんな言葉を吐いたドイツの目の下には黒々とした隈が出来、頬が少し扱けている。…そう言えば、ここ二週間、ドイツの顔をまともにプロイセンは見ていなかった。
「そっか。頑張ったな。疲れたときには、甘いもんが一番だぜ。ほら、口開けろ」
甘えたいのかと、なら甘やかしてやるのが兄であり、恋人である自分の勤めであろう。手にしたままのアイスを思い出して、プロイセンは融けかけたカップの中身を掬って、ドイツの口元に運んだ。
「あーん?」
開いた唇、厚い舌の上にひやりとしたミルク色の表層を乗せてやる。ドイツは青い目を細めた。
「…甘い」
「そうか、甘いか。もう一口食え」
餌付けするように、開いた薄い唇にスプーンをせっせっとプロイセンは運んでやる。カップの中身が空になり、プロイセンはサイドテーブルに空になったカップとスプーンを置くと、ドイツの口端に残った融けたクリームに唇を寄せた。それにドイツは目を閉じる。

「…兄さん」
「ん?」

短いキスの後、ドイツの唇を拭ったプロイセンは赤を細め、融けた青を見つめた。

「甘いの、もっと欲しい」
「…んー、もっとか。いいけど、お前、スーツ皺になるぜ?」
「いい。クリーニングに出す」
「じゃ、腹いっぱい食え。残さず食えよ?」
「ja」

指を掛けて解けたネクタイを、プロイセンはベッドの外に投げた。
 






 
オワリ





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