「寒い夜はこーするに限るぜ!」
家の中には現在、ひとりと犬三匹、猫二匹。
この家の世帯主であるドイツは隣国フランスに会議のため出張中。会議の内容が今日中に片付けば、明日の朝には帰宅出来ると慌しく家を出て行って、かれこれ一週間目になる。自宅警備員兼ハウスキーパー兼お兄様なプロイセンは自宅警備と年末の大掃除がてら、EUの金融問題に後回しにされ溜まった国内のドイツの仕事をこっそりと肩代わりして、靴屋の小人をして来た。後はドイツが書類にサインを入れれば決済が完了する。
「お兄様をちょっとくれぇ、頼ればいいのによ」
自分で出来ることは自分でする。出来ないことも頑張る。責任感が強いのはドイツの美徳ではあるが、何でもかんでも抱え込み過ぎる傾向にある。責任感ゆえに任された仕事を完璧にこなそうとする。自分の容量を超えてしまい、倒れる羽目になるのだ。その前に少しは自分を頼ってくれてもと思うが、任せてくれない。それで、時々、こっそりと靴屋の小人になるのだ。
忙しい弟にせめてクリスマスくらいはゆっくりと休みを取らせてやろうとこっそりひっそりとドイツの居ぬ間に働いて、帰ってきたのは九時過ぎ。「メシ!」と駆け寄ってきた犬と猫達にそれぞれのディナーを振舞って、プロイセン自身のディナーは朝の残りのコンソメスープとパンだ。スープを温め、もそもそとパンを齧る。冷蔵庫からビールを取り出しかけて、飲むのを躊躇いプロイセンは結局、冷蔵庫を閉めると溜息を吐いた。ドイツのいない食卓ときたら、冷たく寂しいし、食欲も出ない。味気ない食事を終え、シャワーを浴びる。いつもの日課のブログの更新と日記を書いて、マリア様と大王に今日も平和に一日が過ぎたことに感謝を捧げ、弟が早く帰ってきますように!とお祈りを済ませるとリビングに敷かれたふかふかのラグの上、毛布に包まり両脇にアスター、ブラッキー、ベルリッツに頭を凭れさせ、腹の上には少々重いが猫二匹を乗せて、プロイセンは目を閉じる。
「おやすみ」
寄り添う犬と猫のじんわりとあたかい体温に瞬く間もなく、睡魔は訪れ、プロイセンからは寝息が漏れた。
「取り合えず、この案で異論はないな」
どうにかこうにか意見を纏め上げ、実りの少ない会議はお開きになる。
「お疲れ。漸く、纏まったって感じ?」
「…相変わらず、やることは山積みだがな。…年内に少しでも進展してくれるといいんだが」
「だねぇ。…あ、そうだ。ドイツにこれ上げるよ」
ドイツの溜息に苦笑を返して、、フランスは鞄を探ると可愛くラッピングされたものをドイツの大きい手のひらに落とした。
「…何だ?」
「プーちゃんにお土産。アロマキャンドル。最近、マイブームでさ。今日、冬至じゃない。キャンドルナイトも懐かしいかと思って」
「…冬至、か」
ドイツはフランスに渡されたキャンドルを手に家路に着いた。
帰宅したのは深夜の一時過ぎ。流石に家の明かりは消えている。
この時間なら、夜更かしなプロイセンがまだ起きているかと(起きていたら怒ってやろうかと)思ったが、早くに就寝したようだ。ドイツは鍵を取り出し、玄関へと入る。いつもならどんなに遅い時間だろうが主人の帰りを聞きつけ駆け寄ってくる犬達の出迎えが無い。それを寂しく思いつつ、リビングに向かい電気をつければ、火の入っていない暖炉の前、こんもりとした影が見えた。
「…兄さん」
またかと溜息を吐く。鞄をソファに預け、近づけば案の定、プロイセンで。ドイツに気付いたベルリッツが「おかえりなさい」と顔を上げて、緩く尾を振った。
「…ったく」
ドイツは溜息を吐く。冬の寒い日、自分がいない夜はいつもこうやって犬と猫を抱きこみ、暖を取って寝ているのだろう。
pixivの「あたたかいよる」という素敵企画にこっそり参加しようと、ちまちま書いてたんですが、気がついたら春が来たぜー。…で、書きかけで没った。寒くなっったら、書き上げたいとは思っている。
それにしても、ウチの兄さんは犬猫ハーレムするのがお好きなようだ。隊長がに混ざりたそうに、それを見ているな感じな話が多いな…。
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