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「Axis Powers ヘタリア」の二次創作を扱う非公式ファンサイト。
19 . May
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11 . October






フォルダ漁ると途中で飽きた書きかけが結構出てくる訳で、
没ネタ晒すぞー!祭開催。

ネタ切れのため、祭終了。お付き合い、有難うございました。



本日は、隊長の一言が原因でパラレルワールドに跳ばされてしまった兄さんの話。










拍手[3回]



 
 
 ヴェストと喧嘩した。切っ掛けは掃除のこととか、ビールとかヴルストを勝手に飲んだ食ったとか、すげー些細なことだったと思う。いつもなら笑って許すか、呆れて許すか、本当に些細な。でも、売り言葉に買い言葉、お互い頭に血が昇っていた。
 
「っと、可愛くねぇな!ビールぐらいケチケチすんな!!」
「五月蝿い!楽しみにしてたのに!兄さんはいつもそうだ。兄さんなんか、いなくなってしまえばいいんだ!」
 
ドイツがそう叫んだ瞬間、プロイセンの視界は暗転し気がつくと、霧雨の煙るブランデンブルク門の前に立っていた。
 
 
 
 
「…っしゅん!」
 
 
 
 
 
 シャツ一枚、暖かい部屋から底冷えするような寒さの外に放り出され、思わず体を抱いて、プロイセンは辺りを見回す。部屋を飛び出してきた記憶はなく、ぽんと突然放り出されたと言う以外、この状況を適切に表現出来そうもない。…プロイセンは改めて、辺りを見回す。霧雨の中、黒いコートに身を包んだ長身の男が門の前にひとり立っていることに気付く。男は傘も差さず、その場に立ち尽くし、門を挟んだ東側をじっと見つめている。…こんな日に傘も差さず何をやってるんだと思いつつ、プロイセンが見ていれば、男が何かを振り切るように踵を返す。そして、プロイセンに気付き、顔を上げた。
 
「兄さん!」
 
まるで死人を見たかのように青い双眸が驚愕に見開かれる。それをプロイセンは不思議そうに見やる。…先まで一緒にいたのに、何を驚いた顔してんだ?…ってか、俺たちケンカ中だったよな?…思い出して、眉間に皺を寄せれば、ドイツの手が伸びてきた。
「…兄さん、兄さんだよな?」
伸びてきた指先が確かめるように頬を撫でる。状況が理解できず、ドイツの顔を見つめればドイツは感極まった顔をして、双眸を滲ませた。
 
「おい、ヴェスト?」
 
目の前のドイツと、つい先程まで一緒にいたドイツに違和感を覚え、プロイセンは眉を寄せる。それを介するでもなく、ぎゅっと息も詰まらんばかりにプロイセンはドイツに抱き締められた。
「…あなたが消えたなんて、俺には信じられなかった。…でも、ずっと、俺は信じてた。あなたが生きていると……、今まで、どこに居たんだ?ずっと、探してたんだぞ!!」
「え? 何、言ってんだ?先まで、一緒にいたじゃないか?」
ドイツの言葉にそう返せば、ドイツが訝しげに眉を寄せた。
「何を言ってるんだ?あなたとは二十年ぶりに会えたんだ」
「二十年?」
「…ずっと生きてると信じていた。あなたがいなくなるはずがない。だって、俺と兄さんとふたりで「ドイツ」だ」
ぎゅうっと骨が軋むほどに抱き締められ、プロイセンは混乱する。先まで、ドイツとは一緒に居た。それは間違いない。自分の足元を見やれば、お気に入りの小鳥のスリッパを履いたままだ。一体、何がどうなっているのかっさっぱり解らない。解ることは、この自分を抱きしめているドイツが先程まで一緒に居たドイツではないと言うことか。
「…さあ、兄さん、家に帰ろう?その格好では寒いだろう?」
ドイツはコートを脱ぐとプロイセンへと羽織らせ、マフラーを巻きつけた。
「…マフラーはお前がしてろよ。寒いだろ?」
「…兄さんは、優しいな」
巻きつけられたマフラーを外して、ドイツへと巻き直す。ドイツの青が嬉しそうに細められる。それにプロイセンは複雑な気持ちになった。
(…俺、お前の兄貴じゃねぇ、…とは言えないな…)
ドイツの言葉から、この世界の自分は消失し、それをこのドイツは認めることが出来ずに居たのだろう。そのドイツの前にいきなり現れた自分。それをどう説明していいのか、プロイセンには解らない。
(…心配、してっかな?…あー、でも、居なくなればいいって言ったし、今頃、清々してるだろ)
腹を立てていた事を思い出し、プロイセンはぶんぶんっと頭を振ると改めて、此方側のドイツを見やった。
「お前ん家、行こうぜ」
「ああ。そうだな。帰ろう、兄さん。あなたに話したいことがいっぱいあるんだ」
ドイツは子どものように手を握ってきた。その手をプロイセンが握り返すと、ほっとしたようにドイツは息を吐いて、はにかんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
この後、兄さんがいないことに気づいて、パニクる隊長の鬱な展開が待ち受けているのだった。

果たして兄さんは元の世界に戻ることを選ぶのか、此方側に留まるのか?此方側の隊長は兄さんを引き止められるのか?隊長は兄さんを取り戻せるのか?

…展開を考えていたら、何か、オチが見えなくなった為、没ったよ…。


 
 
 
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